
10cm SL を超える。貝殻は非常に硬く厚みがある。螺塔は肩が張り、肩の角上に結節列を生じる。殻口は広く、内面は赤色(ときに白いものもある)。ツノがなく丸みのあるものやツノのあるものもある。[15cm SL・574g]
アカニシの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
![10cm SL を超える。貝殻は非常に硬く厚みがある。螺塔は肩が張り、肩の角上に結節列を生じる。殻口は広く、内面は赤色(ときに白いものもある)。ツノがなく丸みのあるものやツノのあるものもある。[15cm SL・574g]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/507/Thumb630/20230326361.jpg)
![10cm SL を超える。貝殻は非常に硬く厚みがある。螺塔は肩が張り、肩の角上に結節列を生じる。殻口は広く、内面は赤色(ときに白いものもある)。ツノがなく丸みのあるものやツノのあるものもある。[ツノアカニシタイプ]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/507/Thumb630/akanisi_1.jpg)



![10cm SL を超える。貝殻は非常に硬く厚みがある。螺塔は肩が張り、肩の角上に結節列を生じる。殻口は広く、内面は赤色(ときに白いものもある)。ツノがなく丸みのあるものやツノのあるものもある。[ツノアカニシタイプ]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/507/Thumb630/akanisi000000.jpg)
![10cm SL を超える。貝殻は非常に硬く厚みがある。螺塔は肩が張り、肩の角上に結節列を生じる。殻口は広く、内面は赤色(ときに白いものもある)。ツノがなく丸みのあるものやツノのあるものもある。[ツノアカニシタイプ]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/507/Thumb630/akanisi0000000.jpg)
![10cm SL を超える。貝殻は非常に硬く厚みがある。螺塔は肩が張り、肩の角上に結節列を生じる。殻口は広く、内面は赤色(ときに白いものもある)。ツノがなく丸みのあるものやツノのあるものもある。[貝殻が白いもの]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/507/Thumb630/akanisi0000.jpg)

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	- 珍魚度・珍しさ ★★★
 がんばって探せば手に入る
- 魚貝の物知り度 ★★★★
 知っていたら達人級
- 食べ物としての重要度 ★★
 地域的、嗜好品的なもの
- 味の評価度 ★★★
 美味
 分類動物門軟体動物門腹足綱前鰓亜綱新生腹足上目新腹足目アッキガイ上科アッキガイ科チリメンボラ亜科チリメンボラ属外国名学名Rapana venosa (Valenciennes,1846)漢字・学名由来漢字/紅螺 Standard Japanese name / Akanisi
 由来・語源/口の部分(貝殻の内部)が赤いため。
 〈紅螺ハ、アキ(和名ゝ鈔)、俗名ニシ又アカニシト呼〉『本草綱目啓蒙』(小野蘭山 東洋文庫 平凡社 文政12 1829)
 有明海などにはツノの発達したものがいて、ツノアカニシとされる。Valenciennes
 アシル・バランシエンヌ(Achille Valencienne 1794-1865)はフランスの動物学者。ジョルジュ・キュビエとともに『魚類の自然誌』を刊行。国内で水揚げされる多くの魚を記載。地方名・市場名生息域海水生。30mよりも浅い砂泥地の浅海に棲息する。
 北海道南部から九州。
 台湾、朝鮮半島沿岸、中国沿岸の。
 黒海、紅海、アメリカなどに移入。生態肉食性でアサリなどを食べる。基本情報国内の内湾の干潟などに普通に見られる大型の巻き貝。江戸時代以前原始時代から食用貝として重要なもので、東京湾周辺でも盛んに食べられていた。ただ、今でも産地での評価はそれなりにあるが、東京を含む消費地であまり馴染みのない貝である。
 肉食の貝であり、今、関東の漁業では漁の対象としてよりもカキやアサリの天敵として名を馳せている。潮干狩りなどでもときにとれることがあり、大きいので子供などには人気がある。また、近年では移入地である黒海(トルコ、ブルガリア)などから非常に安く輸入され、缶詰、ボイル、串、また煮貝など多様な加工品が見られる。これらはスーパーなどでも見かける機会も多く、アカニシの流通の主流となっている。
 国産の活け(殻つき)もあるがこちらはあまり消費地などでは見かけない。
 珍魚度 国内の干潟や浅い海域に普通にいる巻き貝だが、近年めったに流通することはない。干潟や浅い内湾などでの漁が行われている地域で探すしかない。水産基本情報市場での評価 入荷量はあまり多くない。値段は外見の良さからすると安い。
 漁法 底曳き網
 産地 山口県、愛知県選び方原則的に生きているもの。貝から粘液などが出ていないもの。触って反応のあるもの。味わい旬は春。
 貝殻は非常に硬く割りにくい。軟体は大きい。
 足は煮ても硬くならず、生でも食べられる。消化器周辺は食べられないがわたは美味。栄養ー危険性などー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)アカニシの料理・レシピ・食べ方/煮る(塩ゆで、醤油煮)、生食(刺身)、ソテー(バター焼き)![クリックで拡大表示]() アカニシの塩ゆで こぶし大の大きさを塩水で煮た。泥などがついているので流水でていねいに洗う。水に塩を加えアカニシを入れて火をつける。温めるときも含めて10分ゆでてそのまま冷ます。身を取り出してワタと足の間の消化器の部分をていねいに取り、ゆで汁で洗う。適当に切る。クリックで閉じます アカニシの塩ゆで こぶし大の大きさを塩水で煮た。泥などがついているので流水でていねいに洗う。水に塩を加えアカニシを入れて火をつける。温めるときも含めて10分ゆでてそのまま冷ます。身を取り出してワタと足の間の消化器の部分をていねいに取り、ゆで汁で洗う。適当に切る。クリックで閉じます![]() 
 身に貝らしい風味と甘味がある。穏やかな味わいで食べ飽きない味だと思う。わたも美味。
 ![クリックで拡大表示]() 煮アカニシ 小振りのものをザルなどに入れてざくざくとていねいに洗う。これを酒・みりん・砂糖・塩・水で煮る。泥をかんでいることがあるので、煮汁で洗いながら食べる。また軽くゆでて身を取り出し、泥や砂を洗い流し、醤油味で煮てもいい。味つけは好みで。クリックで閉じます 煮アカニシ 小振りのものをザルなどに入れてざくざくとていねいに洗う。これを酒・みりん・砂糖・塩・水で煮る。泥をかんでいることがあるので、煮汁で洗いながら食べる。また軽くゆでて身を取り出し、泥や砂を洗い流し、醤油味で煮てもいい。味つけは好みで。クリックで閉じます![]() 好んで食べる地域・名物料理ー加工品・名産品釣り情報ー歴史・ことわざ・雑学など長刀酸漿 卵囊(らんのう)をナギナタホウズキといい、玩具になる。口に入れて鳴らして遊ぶ。
 福岡県大牟田市 「あかにし」のこの地方での呼び名は今も昔も「けっぷ」もしくは「けっぽ」です。子供の握りこぶしほどの大きさまでは沖合いの石などにつきますが大型になると砂にもぐり干潮時に見つけるには少々の要領が必要です。五月ごろに卵を産み、親はそばで卵を守ります、貝ののどこに目があるのか不思議なことです。卵は黄色で「うみほうずき」といい、昔は女の子が口にくわえ舌と上あごにはさんでぴいぴいいわせていたと思うのですがうろ覚えです。あかにしは「さざえ」に似ていますが「つの」がなく食性はさざえが海藻なのにあかにしは肉食で「アサリ」などを食べます。なまが最高でボイルしますと味は格段に下がります、なまの貝類は刺身にする前にまな板にたたきつけます、死んでいるはずの貝の身が縮み上がるように動くのが不思議でぎゅっと身がしまります、お試しあれ。[福岡県大牟田市の森田さんから]
 赤螺屋吝兵衛 けちな人のこと。江戸時代からの古典落語「片棒」の登場人物にケチの代表選手とも言えそうな赤螺屋吝兵衛がある。この赤螺屋吝兵衛から来ている。
 赤西蠣太 志賀直哉の小説。仙台騒動に題材をとった小説で、主人公その他が海産物の名であるなど、コメディ。
 サザエの代用品 千葉県船橋などの産地では戦後から十年ほどは鎌倉に盛んに出荷していたそうだ。これを鎌倉、江ノ島でサザエの貝殻に細かく切って入れ、「サザエの壺焼き」として売っていたという。これは船橋の貝を扱う業者「源七」社長吉種さんの話で、実際に江ノ島で壺焼きを食べたらアカニシであったという。(もちろん今の話ではない)
 アカニシの串 また同じく吉種さんによると昔、船橋競馬場、船橋オートで「アカニシは適当に切って串を刺して、焼き、焼き鳥のタレをつけて売っていた」という。今でもこれが売られているのか、また他の競馬場などで売られていたのか? などは知りたいところである。
 蛸壺(イイダコ壺) 瀬戸内海ではイイダコを取るときの蛸壺にアカニシを使用してきた。今でも使用している漁師さんがいるかも知れない。[兵庫県明石市で聞取]
 甲子夜話/明石の大蔵谷のイイダコ壺 明石の大蔵谷の宿に泊まったところ、床柱にこのイイダコ壺がかけてあり、宿の人と問答した。〈このほど用い候ものは、この壺には候はず、これ巳に百年ばかりさきのものにて、今は辛螺(あかにし)のからもて易候(かえそうろう)という(寛政十二年十一月六日の項)〉。このときから100年前というと元禄期からアカニシでイイダコをとる方法はあったようとある。『甲子夜話』は文政4年/1821年〜天保12年/1841年まで、肥前平戸藩藩主、松浦清(静山) が書き綴った随筆集。『ものと人間との文化史 鮹』(刀禰勇太郎 法政大学出版局 1994)参考文献・協力協力/飯田大介さん(鹿児島市)
 『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『日本及び周辺地域産軟体動物総目録』(肥後俊一、後藤芳央 エル貝類出版局)、『明治東京風俗語事典』(正岡容 有光堂 1957)



















 
					 
					

