45cm SLを超える。口の中が赤い。頭部はあまり長くないが、全体に細長い。主鰓蓋骨の上部後方に赤い斑紋がある個体がいる(明瞭ではないものも存在する)。前鰓蓋骨・頭部・胸鰭に赤い斑紋がない。胸鰭裏側起部に鱗がない。
ホオアカクチビの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)

![45cm SLを超える。口の中が赤い。頭部はあまり長くないが、全体に細長い。主鰓蓋骨の上部後方に赤い斑紋がある個体がいる(明瞭ではないものも存在する)。前鰓蓋骨・頭部・胸鰭に赤い斑紋がない。胸鰭裏側起部に鱗がない。[45cm SL・886g]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/629/Thumb630/20240830999_1.jpg)


-
珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★
美味
分類
顎口上綱硬骨魚類綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ亜目フエフキダイ科フエフキダイ亜科フエフキダイ属外国名
学名
Lethrinus rubrioperculatus Sato,1978漢字・学名由来
漢字 頬赤口美 Standard Japanese name / Hooakakutibi
由来・語源 「頬赤」は頬(鰓蓋骨)に赤い無鱗域があるため。「くちび」はフエフキダイ、ハマフエフキなどの和歌山県での呼び名で、口の中が赤いので「口火」もしくは「口美」だ。
ムネアカクチビ、アマクチビと同時期に命名したのではないかと思う。ただし、そのときの学名は Lethrinus variegatus Valenciennes, 1830 (現ホソフエフキ/Slender emperor)である。『魚類大図鑑 南日本の沿岸魚』(益田一、荒賀忠一、吉野哲夫 東海大学出版会 1975)地方名・市場名 ?
生息域
海水魚。
八丈島、[鹿児島県南さつま市笠沙]、小笠原諸島、屋久島、琉球列島。
少ないが[三重県熊野市]、和歌山県、愛媛県深浦。
台湾南部・東部、インド〜西太平洋域。生態
ー基本情報
主に鹿児島県諸島部、沖縄県、小笠原などで食用となっている。意外にもっともよく食べているのは東京を始め関東ではないかと思う。小笠原諸島に多く、市場などで見かける機会も多い。
小笠原に多いが伊豆諸島ではほとんどとれないのは、より暖海系なのだと思う。
くせのない白身で鮮度さえよければおいしい白身魚だ。
珍魚度 主に東京都の市場、鹿児島県の市場、沖縄県の市場などで見つかる。がんばって探せば手に入る。水産基本情報
市場での評価 小笠原諸島や琉球列島が産地。関東の流通上では馴染み深い魚のひとつ。
漁法 釣り
産地 東京都小笠原諸島、沖縄県、鹿児島県選び方
触って張りのあるもので、鰓蓋後方の赤い斑文が鮮やかなもの。味わい
栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
ホオアカクチビの料理法/生食(霜皮造り、焼霜造り)、煮る(煮つけ、まーす煮)、ソテー(バター焼き、ムニエル)、揚げる(唐揚げ、フライ)、焼く(塩焼き)クリックで閉じます
ホオアカクチビの焼霜造 皮をバーナーであぶって切りつけたもの。水洗いして三枚に下ろし、腹骨と血合い骨を取る。皮目をバーナーであぶって氷水に落とし、水分をよくきる。刺身状に切りつける。単に刺身にすると彩りに欠けてあまりうまそうに思えない。見た目からしても皮下のうま味が生かせることからも、皮霜造り、焼霜造りがいい。
ホオアカクチビの皮霜造 水洗いして三枚に下ろし、腹骨・血合い骨を取る。水分をよくきり、皮に湯をかけて氷水に落とす。水分をよくきり刺身状に切りつける。皮周辺に独特の旨味と脂があり、身に甘味がある。クリックで閉じますホオアカクチビのまーす煮 小型を水洗いする。水分をよくきり、やや強めの塩水で豆腐と一緒に(なくてもいい)煮る。水分が少なくなったらできあがり。本来は水分がなくなるくらいまで煮て保存性を高めるが、液体が残っていた方が食べやすい。身離れがよく、塩味で身の甘味が引き出される。クリックで閉じますホオアカクチビの煮つけ(兜煮) 兜は梨子割りにする。湯通しして氷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、酒・砂糖・醤油・水が湧いた中に入れて煮る。皮がゼラチン質になり甘味がある。身離れがよく非常に美味。クリックで閉じますホオアカクチビのバター焼き バター焼きは小麦粉をまぶさずに丸のまま、切り身を塩コショウしてソテーする。フィレにして塩コショウ。少し寝かせて多めの油でこんがりソテー。仕上げにバター(マーガリン)で風味づけをする。仕上げにしょうゆをたらすとご飯に合う。クリックで閉じますホオアカクチビのフライ 三枚に下ろして皮をつけたままでも、引いてもどちらでもいい。塩コショウして小麦粉をまぶし卵をまぶしてパン粉をつけて上げる。少し硬く締まるが、こんがり香ばしく中はしっとりと揚がってとてもうまい。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/魚喰民族 石田拓治さん(長崎県長崎市)
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『沖縄魚図鑑』(悦秀満 沖縄マリン出版)、『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012)