90センチ前後になる。頭が小さく黒い斑点が全身に散らばる。体側に縦に桃色の帯がある。
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魚貝の物知り度
★★
これは常識食べ物としての重要度
★★★
一般的(流通量は普通)味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区真骨亜区正真骨下区原棘鰭上目サケ目サケ亜目サケ科サケ属外国名
学名
Oncorhynchus mykiss (Walbaum,1792)漢字・学名由来
漢字 虹鱒 Nijimasu
由来・語源 本項の「ニジマス」は陸封型。英名「Rainbow trout」の訳。地方名・市場名 ?
生息域
淡水魚[陸封型 トラウトタイプ]。
原産地はアラスカ東部からメキシコ北西部の太平洋側、カムチャッカ半島。日本各地の湖沼、河川に移植されている。生態
■ 産卵期は10月〜3月。
■ 生後2年ほどで産卵可能になり、何度も産卵する。
■ 一生を淡水で暮らし孵化、産卵するものと、海に下るものがいる。淡水型を身体に現れる斑紋から「レインボートラウト(reinbou trout)」、降海型を「スチールヘッド(steel head)」と呼ぶ。基本情報
ニジマス総論
原産地は北アメリカ東部。明治期に芦ノ湖などに移入された。養殖が盛んに行われ、山間部での重要な産業となっている。また近年病気に強いことでハイブリットの母胎としても重要。サーモントラウト、信州サーモン、絹姫サーモン、ヤシオマスなど。塩焼き、ムニエルにして美味。
明治10年にアメリカ、カリフォルニア州からもってきたもので、国内では淡水魚として各地で養殖されている。
病気に強く、サケ類では比較的高い水温にも耐え、成長が早いので明治期に入って来るや、すぐに各地で養殖されるようになった。
淡水に生息するものとしてはもっとも味がよく、身色が美しいのでアユとともに生産量のもっとも多いものでもある。
観光資源としても重要で、管理釣り場などで比較的気軽に楽しめるものとして人気が高い。
ニジマスは海水養殖が世界的な規模で行われ、様々な品種改良が進められているのは有名。
耐水でも北海道では大型になる3倍体のニジマス、ドナルドソンニジマスが生産。
イワナやヤマメ、ブラントラウトと掛け合わせて栃木県、長野県、愛知県などで味のよい3倍体が作られている。
この3倍体は比較的停滞しがちな内水面での養殖業に新しい風を吹き込んでいる。水産基本情報
市場での評価 塩焼きサイズのものが少ないながら流通する。淡水魚ではアユとともに重要。
産地 長野県、愛知県選び方
体側にある赤い帯、斑文のくっきりしているもの。退色して白っぽいものは古い。味わい
旬は春〜秋
鱗は細かく取りやすい。皮は厚く強い。骨は軟らかく小骨が多い。
身はサーモンピンクで軟らかい。熱を通しても硬く締まらない。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
甘露煮 長野県佐久市で作られている。[魚よし 長野県佐久市臼田]
唐揚げ 長野県佐久市で作られている。唐揚げにして甘辛いタレを絡ませたもの。[魚よし 長野県佐久市臼田]釣り情報
餌釣り、ルアー釣り、フライフィッシングの重要な対象魚。多くが管理釣り場での釣りとなる。歴史・ことわざ・雑学など
■ 以前ニジマスはニジマス属とされサケと別になっていた。それが太平洋で棲息するサケなどに近いとされサケ属の魚となったのである。すなわちニジマスは一般的なサケマスと同属。
■ ヨーロッパ、アジアなどにも移植されている。
■ 降海型は淡水の河川で2〜3年を過ごし、川を下り1年〜4年海で暮らす。夏から冬に河川を上り、翌春には産卵する。サケは産卵後総て死んでしまうのであるが、ニジマスでは2〜3回産卵を繰り返すものがいる。
■ 原産国のアメリカからの最初の移入は明治、1877年で、各地で増殖が行われた。また北海道や東北のなどでは自然繁殖もしている。今でも各地で養殖が盛んに行われていて、山国での貴重な観光資源、また食べ物と位置づけしてもいいと思う。
■ 養殖魚として病気に強い。
■ ニジマスの改良型にドナルドソンニジマスというのがある。近年、これをスチールヘッドとかけあわせたサーモントラウトがノルウェー、チリなどで養殖されている。国内ではニジマスの3媒体や、母親にイワナ、アマゴで「絹姫サーモン」が、ブラウントラウトで「信州サーモン」がこれも3倍体として生み出され寿司ネタやスモークサーモンの材料とされ人気がある。参考文献・協力
『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)