体長40cm前後なる。全身が銀色であるが少しだけ背部に赤い小さな点がある。
サツキマスの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★★
究極の美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区真骨亜区正真骨下区原棘鰭上目サケ目サケ科サケ属(アマゴと同種で降海型)外国名
学名
Oncorhynchus masou ishikawae Jordan and McGregor, 1925漢字・学名由来
漢字/五月鱒 Standard Japanese name / Satsukimasu
由来・語源/ここではアマゴとサツキマスはページを分けた。
海で成長した個体が、春に産卵のために河口域に近づき川を遡上するため。
古くは【サクラマス・ヤマメ】と【サツキマス・アマゴ】、【ビワマス】は同種とする説がある。現在ではOncorhynchus masou の亜種とされている。ビワマスに関しては Oncorhynchus masou subsp. で保留である。地方名・市場名 ?
生息域
淡水→海水(沿岸域)。
静岡県以南の本州の太平洋側・瀬戸内海側、四国、大分県、宮崎県。生態
水温20℃以下の渓流域で春に孵化。
秋になると背鰭の先端が黒くなり、パーマークが目立たなくなり銀色になる(スモルト化)。
この銀色に変化したものをシラメという。11-12月に下流域、海水域に移動する。
沿岸域でカタクチイワシ、イカナゴなどを補食し急速に大型化する。
4月下旬〜5月に体長30-50cmの個体が川を遡上する。夏は大きな淵でいて、秋に産卵する。基本情報
サツキマスは【サツキマス・アマゴ Oncorhynchus masou ishikawae】の降海型である。
静岡県以南の太平洋側などに流れ出る河川と内湾などでとれるものだが、今や希少だ。陸封型のアマゴも純天然ものは減少傾向にある。
味のよさは一部で知られているものの、絶滅危惧の味覚となっている。
珍魚度 珍魚とまでは言えないが、個体数・水揚げが少なく手に入れるのは至難。水産基本情報
市場での評価 産地は少なく関東などでは見ていない。非常に高価。
漁法 バッチ網、釣り
産地 岐阜県、愛知県、徳島県選び方
体高のあるもので厚みがあるものは脂がのっている。触って張りがあり表面にぬめりのあるもの。味わい
旬は冬から春。
鱗は細かく取りやすい。皮は厚くて強い。骨は軟らかく小骨がある。
身は鈍い朱色で軟らかい。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
サツキマスの料理・レシピ・食べ方/刺身(ルイベ)、煮る(煮つけ)。焼く(塩焼き)、ソテー(ムニエル)、汁(みそ汁)、揚げる(唐揚げ)サツキマスのルイベ 海に下る時期の個体で、しらす(カタクチイワシの稚魚)などを飽食して脂が非常に乗っていた。クリックで閉じます
基本的にサケ科の魚なので、三枚に下ろして腹骨と血合い骨を取り、24時間以上冷凍したものを刺身にして食べてみた。
サケ科独特の風味があり、脂がたっぷりのって口に入れた途端に身がとろけるように思えた。甘みがあり、強いうま味がある。非常においしい。
サツキマスの煮つけ 水洗いして三枚に下ろし切り身にする。湯通しして冷水に落として表面のぬめりや残った鱗を流す。これを酒、みりん、しょうゆのあっさりした味つけで煮たもの。適度に身が締まり、身離れがいい。身に甘みがあり、微かにサケ科の風味が感じられて美味。煮つけとしては最上級。クリックで閉じますサツキマスの塩焼き 水洗いして三枚に下ろし切り身にする。振り塩をして1時間以上寝かせる。これをじっくりと焼き上げる。脂が乗っているので焼いても柔らかく、程よく繊維質の身に豊かなうま味がある。マス独特の風味も好ましい。クリックで閉じますサツキマスのムニエル 水洗いして三枚に下ろして小骨と血合い骨を抜く。皮を引いて切り身にする。塩コショウして小麦粉をまぶし、中火でじっくりとソテーする。出来上がりにバターで風味づけする。表面は香ばしく中はふっくらと柔らかくうま味が豊かである。バターとの相性がとてもいい。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/榎本兵(徳島県徳島市徳島中央卸売市場)
『日本の淡水魚』(川那部浩哉、水野信彦 編・監修 山と渓谷社)、『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)