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古くは、〈形状(かたち)は鼠に似て、頭・尾・手足はなく、但前後に両口があるだけである〉『本朝食鑑』(人見必大 島田勇雄 訳注 1697)。とてもネズミには似ていない。ただ昔、暗闇などで干したナマコを見るとネズミに見えたのだろうか?

ジョルジュ・キュビエが発見したとされている。ただし生殖巣と考えたようだ。護身用の武器でナマコ綱でも持っている種と持っていない種がある。ニセクロナマコなどは無闇に触るとネバネバしてやっかいである。ジャノメナマコ、フタスジナマコ、ニセジャノメナマコなども。刺激を受けると肛門から吐き出し、外敵にからめて身動きできなくする。

ナマコ(マナマコ、アカナマコ)はうま味豊かで、ほんのり甘い。明らかにご飯に合うはずだと思った。しかも口に入れるとすーっと溶けるのだから、ご飯との馴染みもいいはずだと思ったのだ。酒の肴には柑橘類を振るだけなのだけど、しょうゆを合わせてご飯に乗せて食べてみた。実にうまい。ご飯の甘さとナマコの渋味をともなった甘味が合うのである。問題は厚みである。今回は厚すぎた。次回は薄くスライスして食べてみよう。

ナマコ(マナマコ)には塩味がある。水洗いして、適当に切るだけで刺身になる。酢のものとか、茶振りとかあるが、基本的には処理したものを切るだけで、薬味の大根おろしや柑橘類だけで食べる方がおいしい。筋肉は最初硬く感じるが唾液で溶けていく。たぶんだけど喉元から消化されながら胃袋に落ちていくので、すいすいと食べられてしまう。この甘味を伴った渋味の心地よさはなんだろう。何物にもない味わいである。
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