クロメバル

代表的な呼び名メバル

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25センチ前後になる。身体に明確な斑紋がない。左右に側扁(平たい)して全体に黒っぽい。胸鰭軟条は16。(胸鰭軟条はアカメバル15、クロメバル16、シロメバル17)。
25センチ前後になる。身体に明確な斑紋がない。左右に側扁(平たい)して全体に黒っぽい。胸鰭軟条は16。(胸鰭軟条はアカメバル15、クロメバル16、シロメバル17)。
25センチ前後になる。身体に明確な斑紋がない。左右に側扁(平たい)して全体に黒っぽい。胸鰭軟条は16。(胸鰭軟条はアカメバル15、クロメバル16、シロメバル17)。
胸鰭軟条は16。(胸鰭軟条はアカメバル15、クロメバル16、シロメバル17)。

関連種 ~ メバル3種。元々は「メバル」として1種であった。

全関連コラム

珍魚度・珍しさ★★★
がんばって探せば手に入る
魚貝の物知り度 ★★★★★
知っていたら学者級
食べ物としての重要度 ★★★
一般的(流通量は普通)
味の評価度 ★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カサゴ亜目メバル科メバル属(旧メバル)
外国名
Brown rockfish
学名
Sebastes ventricosus Temminck and Schlegel,1843
漢字・学名由来

漢字 黒目張 Standard Japanese name / Kuromebaru
由来・語源 黒いメバルの意味。
メバル 「Sebastes inermis Cuvier et Valenciennes」が『魚類の形態と検索』(松原喜代松 岩崎書店 1955)にある。また田中茂穂も〈アカメバル、クロメバル、キンメバルなどゝ區別せられ是等は多少住所が違っている為に各ゝを別種とする學者もあるが、是等は同一種の異型とみるべきである〉。それが2008年に3種であるとしてクロメバル、アカメバル、シロメバルに分かれる。
メバル3種のひとつ。

Temminck
コンラート・ヤコブ・テミンク Coenraad Jacob Temminck(1778-1858 オランダ) シュレーゲルとともにシーボルトの持ち帰った脊椎動物を整理、記載。『Fauna Japonica』(日本動物誌)を執筆。
Schlegel
ヘルマン・シュレーゲル(Hermann Schlegel 1804-1884年)はドイツの動物学者。テミングとともにシーボルトの持ち帰った脊椎動物を整理、記載。『Fauna Japonica』(日本動物誌)を執筆。
地方名・市場名

概要

生息域

海水魚。浅海の岩礁域。アカメバル、シロメバルよりも外洋に面したところに多い。
石川県能登半島〜長崎県の日本海・東シナ海沿岸、[鹿児島県南さつま市笠沙]、岩手県、相模湾〜紀伊水道の太平洋沿岸、瀬戸内海東部、高知県以布利。

生態

卵胎生。11月前後に交尾、12月から2月に出産される。
浅い岩礁域・藻場に生息。
北海道から九州、朝鮮半島。
仔魚期には小型の甲殻類、成魚になると小魚、エビなどをエサとする。
●メバル3種(クロメバル、アカメバル、シロメバル)は共通。

基本情報

沿岸の浅い場所にいる小魚で、古くは庶民的な魚として人気が高いものだった。
各地で煮魚と言ったらメバルに限るといったものでもあった。
それが沿岸魚の減少にともなって高級魚となってしまった。
値の高騰とともに煮魚だけではなく刺身や塩焼きなど用途も広がっている。
珍魚度 珍しい魚ではないが、本種だと同定するのがとても難しい。

水産基本情報

市場での評価 メバル3種のなかでももっとも入荷量が多い。高価。
漁法 刺し網、釣り、定置網
産地 神奈川県、千葉県など

選び方・食べ方・その他

選び方

厚み丸みがあって触って張りのあるもの。鰓が鮮紅色のもの。

味わい

旬は夏。冬から春は漁の最盛期で安くて手軽なのでもうひとつの旬
旬はわかりにくい。夏の魚とされていたこともあるが、必ずしもそうとは言えない気がするので、調べているところ。
鱗は軟らかく、皮は薄くて弱い。骨はあまり硬くない。
透明感のある白身で熱を通しても硬くならない。身離れがいい。

栄養

危険性など

食べ方・料理法・作り方

クロメバルの料理・レシピ・食べ方/煮る(煮つけ)、焼く(塩焼き、干もの)、揚げる(唐揚げ)、生食(焼霜造り)
クロメバルの煮つけ メバルといったら煮つけだろう。煮つけると身離れがよく、身は適度に繊維質でほぐれ感も心地よい。甘みがあって飽きの来ない味である。また肝は非常にうまいので一緒に煮つけるといい。
水洗いして湯通しする。氷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、酒・砂糖・醤油・水で煮る。

クロメバルの塩焼き 上品な白身で身離れがよく、むしり食うと豊かな味がある。取り分け皮は絶品である。終いには骨湯で楽しみたい。干して水分が飛んだ分、うま味が濃縮されている。
水洗いして振り塩をする。1時間ほど寝かせてからじっくりと焼き上げる。
クロメバルの丸干し 小型を干し上げたものである。焼き上げると身離れがよく、皮に豊かな味がある。
水洗いして、水分をよくきる。立て塩に8分程度つけて水分をきり、半日から1日干す。
クロメバルの唐揚げ 関西などでは定番的な料理の一つである。頭部はともかくじっくり二度揚げすると丸ごとさくさく食べることができ、身に甘味がある。
水洗いして背を開く、水分をよく拭き取り片栗粉をまぶしてじっくり二度揚げする。揚げ上がりに振り塩をする。
クロメバルの焼霜造り 非常によいものはともかく、平凡なものは、身自体にはあまり味がない。味は皮にある。皮目をあぶると皮と皮の直下にうま味と脂を感じる。
水洗いして三枚に下ろす。腹骨と血合い骨を取る。皮をバーナーなどであぶり、氷水に落として水分を切る。刺身状に切る。

好んで食べる地域・名物料理

加工品・名産品

釣り情報

メバル竿というのがある。2メートル上の柳のように軟らかな竿である。これに胴つきの2〜3本のハリをつけ、小エビやときにドジョウ、活けのカタクチイワシ、イカナゴなどを餌に釣る。素晴らしいヒキ込みに竿は弓なりになる、1匹、待って2匹と連になると折れんばかりに曲がるのを耐えて総てのハリにかけるのがこの釣りの醍醐味である。

歴史・ことわざなど

■ 山形県鶴岡市で「天口ふじな」は「大きな口あけて上を向くな」という意味だという。[いな舟 山形県鶴岡市]

地方名・市場名

ワガ ハトツメ
参考文献 場所三重県鳥羽 
シンチウ シンチュ
参考文献 場所兵庫県明石 
メマル
参考文献 場所和歌山県和歌浦・太地 
アオテンジョウ アカンジョウ
参考文献 場所和歌山県白崎 
ハツメ
参考文献 場所富山県新湊 
モバチメ
参考文献 場所富山県滑川 
ツズノメ
参考文献 場所富山県魚津 
ウキソ
備考クロメバル、アカメバル、シロメバルともに。 場所岡山県 
ゴンダイメバル シンチュウメバル
参考文献 場所島根県大社 
メバリ
参考文献 場所島根県松江 
ワイナ
参考文献 場所広島県 
タケノコメバル
参考文献 場所愛媛県松山 
クロハチメ テンコ
参考文献 場所新潟 
ハチメ
参考文献 場所新潟県寺泊・佐渡、石川県七尾、福井県鷲巣奈三国 
タロガンゾ
参考文献 場所新潟県能生 
マバチメ
参考文献 場所石川県宇出津 
アカメバル
参考文献 場所神奈川県三崎 
キンメバル
参考文献 場所神奈川県三崎、島根県大社、長崎 
メバル
参考文献 場所福島県小名浜、千葉県銚子、東京、神奈川県江ノ島・小田原、和歌山県、兵庫県福良、山口県下関、福岡県豊前浜・玄海など全国一般 
チャテリ チャデリ[茶デリ]
参考近藤亮さん 場所秋田県男鹿市 
メバチ
参考文献 場所秋田県象潟、岩手県、福井県敦賀・鷲津、兵庫県香住・鷹巣、京都府宮津 
ホシカル ホシカリ
参考文献 場所長崎県対馬 
ガサ
参考文献 場所青森県弘前 
イソメバル
参考静岡県水産・海洋技術研究所・伊豆分場 場所静岡県伊豆稲取 
クロメバル
備考関東ではメバル3種をウスメバル、トゴットメバル(ともにオキメバル)と区別して「クロメバル」。 場所関東 
クロソイ
場所島根県 
キンメバル[金眼張]
その他特に金色がかったもの 参考文献 
ソイ ナダメバル コビキ ソイ スイ ガヤ
参考文献