
2025年8月29日、8時半過ぎに上越市高田の朝市に向かう。
上越市は高田の朝市が3,4、7、9のつく日、直江津が3、8のつく日にある。
新潟県の魅力のひとつが県内各地に散らばる朝市である。
ボクなど朝市が好きで新潟に行く。
ところが年々、新潟の朝市が寂しくなるが上越市もその例に漏れない。
専業農家が少なくなり、兼業農家ばかりになり、現金収入があるために市に来なくなったのかも。
主役となる農家の出店が消えている。
しかも名物、「どらやき」がない。
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トビウオの季節は、三日にあげず皮付きの「たたきなます」を作り、「みそたたき(なめろう)」を作る。
「みそたたき(なめろう)」は何十回作っても、たぶん何千回作っても飽きが来ないだろう。
よく作るので、体調のバロメーターにもなる。
最近、やけにみそ多めなのである。
極端に長時間のディスクワークで汗をかくわけでもないのに、みその塩気が欲しい。
今回は胸鰭を切り取り、腹鰭を抜いて三枚に下ろす。
腹骨・血合い骨を取り、皮付きのまま細かく切る。
大葉、みょうが、ねぎ、玉ねぎ、しょうが、にんにく、三重県尾鷲市の青く辛い唐辛子など多種類少しずつ刻む。
この日は長崎県長崎市、『チョーコー』の長崎みそをたっぷり加えて、たたく。
塩分取り過ぎで身体に悪そうなのに、爽快感を覚える。
トビウオは強い味つけ、香りのある野菜と一緒でも、背の青い魚特有のうまみがあるので、塩気よりも魚のうま味が勝つ。
合わせたのは冷蔵庫の隅に残っていたホッピーだけど、「みそたたき(なめろう)」には、このような下町居酒屋的なものが会う。
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新潟県でよく見かけるのが「伊勢ひじき」である。
赤い縁取りをした紙のパッケージに入っていて、昔ながらの文様が描かれている。
山陰以北の日本海ではヒジキがとれないので、新潟県では古くより伊勢(三重県伊勢地方)からヒジキを取り寄せて流通させていたのかな? などと思ったりする。
今回、「伊勢ひじき」を買った新潟県西区内野町『ichiman』は、新潟市の地スーパーといったところで、新潟を感じさせるものがたくさん売られていた。
「伊勢ひじき」、『角平商会』(三重県多気郡明和町大淀乙655)は三重県伊勢地方のものだけど新潟らしいと感じて買ってしまう、ものでもあるのだ。
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旅の準備に追われている最中ですが、連休最後の日なのでしばし、おいしい話をば。
高崎市総合地方卸売市場に行くと、『市場食堂』で必ず朝ご飯を食べる。
普通の食堂であることがうれしいし、海鮮丼的なものがないのもいい。
築地でも、移転後の豊洲でもそうだが、市場人というものは意外に魚飯を食べない。
簡単な定食とか、牛丼などがいいのである。
高崎市総合地方卸売市場、『市場食堂』は、今どき少なくなりすぎの市場人のための市場の食堂である。
ここでもっぱら食べるのは「もつ煮込み定食」である。
なんだかんだで群馬と言えばもつ煮込みとなる。
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八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産の店頭に、もうとても「新」のつかないコウイカが愛知県三河湾から来ていた。
これを見た途端、今年は新イカを食べないで終わるのだな、と思った。
別に新イカが好きなわけではないが、季節を感じられるものなので、一度くらいは食べて置きたかった。
仕方がないので、外套長9cm前後を3ばい買って帰ってきた。
帰宅するや間髪入れずに下処理をする。
外套膜をていねいにペーパータオルにくるんで深夜を待つ。
一日を3つに分けているので、ボクの深夜は丑三つ時である。
湯に1秒弱くぐらせ、氷水に取り、水分をきって切りつけただけだ。
まだまだコウイカらしい味がないものの、考えてみると5月の漁の最盛期以来食べていない。
印象に残らない平凡な味ながら、嫌みもない。
ゆっくり味わって食べないと、イカらしい味にも乏しい。
まあこれはこれで、9月のコウイカの味として記憶に止めておこう。
酒は新潟市西区内野町、「鶴の友 上白」が、やけにうまい、カネタタキの啼かない深夜なのであった。
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最初に漁港で遊ぶときは救命胴衣を着用してほしい。
漁港内で落ちたらまず助からない。
子供用など2000円以下のものもある。
さて新潟県西区五十嵐新川漁港周辺の生物・食物図鑑を作っている。
新川漁港の漁港内は釣り初心者には一日遊べるところだし、横を流れる新川側などでは上級者にとっても大物が狙える場所である。
また漁港内にもいろんな魚、ホヤ類、甲殻類などがいる。
網ですくうといろんな生き物がとれる。
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八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産、クマゴロウが銭州に行ったようで、ムロアジ属が小山になっている。
ほぼクサヤモロかな、と思いながらも同定のために小振りのものを連れ帰ったら、全部クサヤモロだった。
銭州では大物釣りのエサとなるので、クサヤモロはクサヤモロとは呼ばれず、エサと呼ばれている。
ただ料理法によっては大物釣りの主役である「もろこ(クエやマハタかな)」やカンパチ、シマアジよりもうまい。
特にフライにするとシマアジなどは目じゃないね、と言いたい。
体長23cm・145g前後を三枚に下ろして腹骨・血合い骨を取る。
水分をよく拭き取って塩コショウする。
小麦粉をまぶし。溶き卵にくぐらせ、パン粉をつけて揚げる。
後は食べるだけだ。
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魚類学的愚痴というものをば。
てんやわんややっさもっさで、昨日が土曜日で今日が日曜日で、明日が祝日だということを忘れていた。
上越市から持ち帰った古文書の準備をしているし、旅があるし、事務処理もある。
そんなとき、鹿児島県鹿児島市の久保和博さんから画像が送られてきた。
赤いハタで同定不能だった。
遠藤広光さんまでわずらわして、コクテンアオハタというところまでたどりつく。
ただ、『日本産魚類大図鑑』(益田一、荒賀忠一、尼岡邦夫、上野輝弥彌、吉野哲夫 東海大学出版会 1984)とは似ても似つかない。
「アオハタ」なのに赤い。
蒲原稔治の1957年は遠い遠い昔なんだなと思う。
そんなこんなで忙しい最中に忙しいが重なる。
やはり標準和名というのは難しい。
本種、ヤハズアオハタ、アオハタモドキ、スミツキアオハタに関しては標準和名の再検討を要すとは素人的な考えなのだろう。
遠藤広光さんに感謝します。
非常に貴重な魚を見つけてくれた久保和博さんにも感謝!
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