マナマコ
代表的な呼び名ナマコ
ナマコ・海鼠は2種
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コラム
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ナマコは海鼠
物知り度 | ★★ これは常識 |
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食べ物としての重要度 | ★★★ 一般的(流通量は普通) |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
概要
生息域
海水生。浅海。
北海道〜九州。中国大陸、朝鮮半島。
生態
マナマコは黒いナマコ(クロナマコもしくはクロコ)、緑青色のナマコ(アオナマコもしくはアオコ)の2形で内湾の砂泥地に生息する。
雌雄異体。
キュビエ器官は持たない。
泥とともに珪藻類、海藻、貝類、アマモの破片などを食べている。
産卵期は3月〜9月。
産卵後、餌(えさ)をとることをやめ、深場に落ちる。
冬に活発に餌をとり、活動する。
腸や身体を再生することができ、危険を感じると腸(内臓)を出して、敵の目をごまかす。
基本情報
ナマコの仲間は世界中に生息し、熱帯にたくさんの種類がいてる。食用としている国は少なく、熱帯域のようにナマコの加工、乾物生産はしても、食用としない地域も多い。日本のように生で食べる習慣がある国は非常に希。
中華高級食材の海参は非常に有名。日本でも江戸時代など中国向けの海参を生産し、俵物と呼ばれていた。
国内で食用となるのはマナマコとアカナマコ、キンコの3種類。
本種は市場ではアカナマコと混同されて流通し、近年あまり区別しなくなっている。
水産基本情報
市場での評価 寒くなると入荷してくるもの。量的にはあまり多くないが重要なものとなっている。価格はやや高値安定。黒ナマコ、青ナマコと呼ばれていたものでアカナマコよりも安い。またクロナマコは3色のなかでも特に安い。
漁法 底曳網(ナマコ桁網、曳網、抄網)、見突き漁
主な産地 北海道、青森県、長崎県、山口県、愛媛県、兵庫県、石川県
選び方・食べ方・その他
選び方
生きているもの。触って硬く、太っているものがいい。
味わい
旬は冬から春。
食べられるのは筋肉、消化管、卵巣。
口と排泄孔は硬いので切り取る。体腔にある白い膜は硬く取りにくい。
アオコは比較的生で食べて柔らかく口溶けがいい。
クロコは味は同じだが、表面の皮膚が剥がれやすい。
ナマコの味を赤→青→黒という人がいる。赤がいちばんうまいということだけど、そんなに単純ではない。以外に色に関係なくおいしい。
栄養
ビタミン類が豊富。
カルシウム、コンドロイチン、コラーゲンに富む。
ナマコが持つ、ホロトキシンというサポニンの一種には水虫を起こす白癬菌の成長を抑制し、殺菌効果もある。
危険性など
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食べ方・料理法・作り方
好んで食べる地域・名物料理
日本全国。
節分に食べる 島根県隠岐の島では節分に砂おろしといって必ず食べるところがある。[島根県隠岐の島]
加工品・名産品
卵巣を乾し揚げたもので珍味佳肴のたぐい。くちこ、ばちこ、ほしこ、このこ、などと呼ばれる。軽く焙って食べるものだが、非常に濃厚な旨みを持ち、独特の風味がある。
釣り情報
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歴史・ことわざなど
古事記 天孫降臨伝説にある。天孫降臨に際して、アメノウズメノミコトが魚たちを集めて、天孫にお仕えするか問うた。そのとき多くの魚たちが「仕えます」と答えたなかで、ナマコだけはなにも言わなかった。するとアメノウズメノミコトは「この口は答えをせぬ口か」と小刀でナマコの口を切り裂いたとされている。『たべもの史話』(鈴木晋一 平凡社)
【俳句】
季語歳時記 冬(「このわた」も)
尾頭のこころもとなき海鼠哉 向井去来
古往今来切って血の出ぬ海鼠かな 昔も今も切って血のでないナマコであることよ。松尾芭蕉
吾輩は猫である 〈始めて海鼠(ナマコ)を食い出せる人はその胆力において敬すべく、始めて河豚を喫せる漢はその勇気において重んずべし。〉
〈江戸時代には「ふくらいり」、「こだたみ」などというのも重要なメニューだった〉とあり〈「ふくらいり」は別名「ふくらい煮」ともいい、酒・醤油で調味した出汁を沸騰させ、そこへ大ぶりに切ったナマコを入れてあたため、すぐ器に盛って供した」〉というのを再現したもの。
1 ナマコを軽く洗い、口と肛門を切り取り、内臓を取り、大振りに切る。
2 鰹節だしを沸騰させて、ナマコを入れて、すぐに器に汁ごと盛る。