スルメイカ
代表的な呼び名スルメ
スルメイカの形態写真一覧 (クリックで下に拡大表示)


外套長(胴の長さ)25cm前後になる。胴は丸く、細長い。交接腕変形は右Ⅳ腕先端のみ。
魚貝の物知り度 | ★ 知らなきゃ恥 |
---|---|
食べ物としての重要度 | ★★★★★ 非常に重要 |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
分類 | 動物門軟体動物門頭足綱鞘形亜綱十脚形上目ツツイカ目開眼亜目アカイカ科スルメイカ亜科スルメイカ属
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外国名 | Japanese flying squid
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学名 | Todarodes pacificus Steenstrup.1880
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漢字・学名由来 | 漢字 「鯣烏賊」、「須留女」、「寿留女」。 由来・語源 地方名を佐々木望(1929)が標準和名にしたもの。 ■ 「するめ」は「墨群(すみむれ)」で墨を吐くイカタコは「すみむれ」と呼ばれる。これが転訛したもの。 ■ 鯣(「するめ」というイカをよく干した乾物)に向いている、もしくはよく加工される烏賊(イカ)の意味合い。 ●「鯣」はイカタコの内臓をとり、開いて干したもの。イカではスルメイカ、ケンサキイカ、アオリイカ、紋甲烏賊(もんごういか カミナリイカ)などが原料。ケンサキイカのものを「一番するめ」、スルメイカのものを「二番するめ」と呼ぶ。 ■ 「寿留女」は当て字。スルメイカの干したものを結納などのときに使う。長寿を願い、言祝ぐで「寿」、「留女」は嫁ぎ先で長くとどまる。 |
地方名・市場名 | 地方名・市場名は長いため下部に表示しました。クリックでジャンプします。 |
概要 
生息域
海水生。
オホーツク海、北海道〜琉球列島。香港。北限はカナダでも発見されている。
オホーツク海、北海道〜琉球列島。香港。北限はカナダでも発見されている。
生態
■ 孵化して産卵するまでが1年、産卵すると死んでしまうので、まさに1年イカである。
■ スルメイカはメスが大きくオスが小さい。
■ 市場で見ていると小振りの「ばらイカ」というものが真冬の日本海を皮切りに入荷してくる。それが初夏まで続くのであるが、これは日本近海でのスルメイカが産卵期によって3系群あることによる。
■ 外套長(胴の長さ)25センチ前後になる。胴は太さが一定に近く細長い。腕は8本だが、触椀というエサを捕獲するための2本の特殊な腕を持っており、合計10本となっている。
吸盤には角質化したリングがはまっていて鉤状になっている。
体の中に軟甲(なんこう)という柔らかく透明なプラスティックを思わせるようなチキン質の貝殻の退化してものを持つ。
■ スルメイカはメスが大きくオスが小さい。
■ 市場で見ていると小振りの「ばらイカ」というものが真冬の日本海を皮切りに入荷してくる。それが初夏まで続くのであるが、これは日本近海でのスルメイカが産卵期によって3系群あることによる。
■ 外套長(胴の長さ)25センチ前後になる。胴は太さが一定に近く細長い。腕は8本だが、触椀というエサを捕獲するための2本の特殊な腕を持っており、合計10本となっている。
吸盤には角質化したリングがはまっていて鉤状になっている。
体の中に軟甲(なんこう)という柔らかく透明なプラスティックを思わせるようなチキン質の貝殻の退化してものを持つ。
スルメイカ3系群
春から夏生まれ群 日本海本州沿岸から九州沿岸、伊豆半島周辺で4月から8月に発生する。資源量は小さい。秋生まれ群 東シナ海北部から日本海南西部で9月から11月に発生する。日本海の沖合を回遊し、大型になり、日本海での漁獲の7割を締めるもの。
冬生まれ群 太平洋九州・四国沿岸で12月から3月に発生。黒潮にのって太平洋側を多くが回遊、もっとも北まで到達する。太平洋側での水揚げの多くはこの系群。
基本情報
日本列島を取り巻くように群れを作って回遊している。乾物として、干ものとして、生鮮品として普通。
貝殻は非常に退化的で薄いプラスティックのよう。武井周作はこれを〈骨硝子紙(びいどろがみ)のごとし〉と記している。
その群れに三群あって、産卵期が少しずつずれているために、年間を通して市場にみられ、年間をとおしておいしいものが手に入る。日本の総水揚げ量の半分を占めていたこともあり、重要な水産物でもある。
鮮魚として重要なだけでなく、おびただしい種類、量の加工品の原材料となっている。
特に「するめ」のほとんどが本種を原材料としている。
すなわちもっともたくさん「するめ」に加工されるイカであるから本種の名がある。
貝殻は非常に退化的で薄いプラスティックのよう。武井周作はこれを〈骨硝子紙(びいどろがみ)のごとし〉と記している。
その群れに三群あって、産卵期が少しずつずれているために、年間を通して市場にみられ、年間をとおしておいしいものが手に入る。日本の総水揚げ量の半分を占めていたこともあり、重要な水産物でもある。
鮮魚として重要なだけでなく、おびただしい種類、量の加工品の原材料となっている。
特に「するめ」のほとんどが本種を原材料としている。
すなわちもっともたくさん「するめ」に加工されるイカであるから本種の名がある。
水産基本情報
市場での評価
■ 鮮魚、冷凍ともに毎日のように入荷している。量的にも多い。価格は安値安定。
■ 氷を下に敷き詰めて並べたものを「下氷」、釣り上げたものを冷海水のなかでしめて、そのまま水氷で近場から直送したものを活けスルメと呼ぶ。「活けスルメ」の方がやや高値。
■ 季節によって大きさによって入荷方法が違う。小型のものを発泡に無造作に投げ込んで出荷、これを「バライカ」と呼ぶ。値段は大型以上に安い。
漁法 釣り、巻き網
産地(漁獲量の多い順) 北海道、青森県、宮城県、岩手県、石川県、長崎県
■ 鮮魚、冷凍ともに毎日のように入荷している。量的にも多い。価格は安値安定。
■ 氷を下に敷き詰めて並べたものを「下氷」、釣り上げたものを冷海水のなかでしめて、そのまま水氷で近場から直送したものを活けスルメと呼ぶ。「活けスルメ」の方がやや高値。
■ 季節によって大きさによって入荷方法が違う。小型のものを発泡に無造作に投げ込んで出荷、これを「バライカ」と呼ぶ。値段は大型以上に安い。
漁法 釣り、巻き網
産地(漁獲量の多い順) 北海道、青森県、宮城県、岩手県、石川県、長崎県
選び方・食べ方・その他 
選び方
生きているとき、水揚げされた時点では透明、時間をおくと褐色になり、やがて白濁した色合いとなる。スーパーなどでは白くないものを選ぶ。
味わい
年間を通して美味。
身はほどよい硬さで、旨み、甘みは生ではやや少ない。
焼くと少し硬く締まる。旨み、甘みが増す。特に皮は味わい深い。
身はほどよい硬さで、旨み、甘みは生ではやや少ない。
焼くと少し硬く締まる。旨み、甘みが増す。特に皮は味わい深い。
栄養
良質なタンパク質が多く、低カロリー。コレステロール低下作用や視力向上、肝機能を強化してくれるタウリンが豊富に含まれます。肝には目の疲れ、視力の低下を軽減し、肌荒れ、風邪の予防効果のあるビタミンAが非常に多く含まれる。またイカ墨にはガン抑制作用があるとされています。
寄生虫
■ アニサキスの宿主。刺身などでは注意が必要。
食べ方・料理法・作り方(お勧め順)
スルメイカの料理法・食べ方/生でも煮ても、焼いても、ソテーしても、汁にしても美味。料理法は多種多様

スルメイカの刺身 小振りのイカを水洗いする。胴を割ってからはできる限り水などを使わない方がいい。皮を剥き、横に2等分する。これを縦方向に拍子木切りにする。耳(エンペラ)も同様。鮮度がいいとコリコリとした食感が心地よく、実に甘味豊か。イカらしい風味も楽しめる。

スルメイカのイカ素麺

スルメイカの湯引き

スルメイカ納豆


スルメイカの酢のもの

スルメイカのフリット

スルメイカのイカリング

スルメイカと野菜炒め

スルメイカのげそ焼き

スルメイカの一夜干し

スルメイカのみそ汁

超簡単トマト煮込み

スルメイカのカレー
好んで食べる地域・名物料理
いかそうめん 函館の朝市、名物食堂では「いかそうめん」でご飯をかき込むが、これがヤリイカではつまらない。これに限ってはスルメイカでなければと思うのだ。厚みを薄く二枚に切って細いそうめんにして、だし醤油(加減醤油)、もしくは生醤油ですすり込む。
かき揚げ 江戸前天ぷらの天丼のかき揚げに使う。かき揚げには上と並があり、並ネタのひとつ。
するめの天ぷら 「するめ」をもどして天ぷらにしたもの。他には「身欠きにしん」をもどして天ぷらにする。[会津地方全域]
イカの湯引き(がんせきの湯引き)/長崎県平戸市度島 祝い事などのとき、刺身などの盛り合わせにつきものであるとのこと。一緒に湯引きにするのが「ばり(アイゴ)」であるというのも面白い。スルメイカはリング状に切り、短時間塩ゆでする。
夏いかのもんぺ焼き スルメイカの胴に青じそいりのみそで和えたゲソを摘めて焼き上げたもの。スルメイカを水洗い。ゲソを外す。げそを刻んでみそ、みりん、砂糖を合わせたみそで和え、青じそを加えて胴に詰める。これを焼く。[山形県鶴岡市]
イガメンチ(イカメンチ) 「メンチ」とあるのでパン粉を使っているのかと思うと、実はかき揚げに近いもの。昔は日本海で揚がったスルメイカの加工のときに余ったげそ(腕)の部分を細かく刻んで玉ねぎ、ニンジンなどを合わせて、小麦粉、卵などで作った衣をつけて揚げたもの。キャベツを使ったものなどソースをかけるとまるでお好み焼きを食べているようでおいしい。弘前市など青森県の各地で作られている。[わらび 青森県弘前市]など
いか、こんにゃく煮 日本橋にある和菓子の老舗『榮太樓』主人、細田安兵衛の著書内にあった『実業少年』(明治44年3月号)の「商店小僧の三食調べ 探偵術応用の結果』より。
白木屋呉服店の夕食の主菜が「いか、こんにゃく煮」で、これを想像で再現。イカを適宜に切り、酒、砂糖、しょうゆ、水の地でこんにゃくと煮る。「いかとこんにゃく」の取り合わせは家庭料理の基本だったのかもしれないと思うほど相性がいい。うま味の強いイカと、それ自体に味がないこんにゃくの取り合わせがいい。
するてん(する天) スルメイカの塩いか(干もの)を天ぷらにしたもの。上質のスルメイカの干もので作ったものは非常に味がいい。[新潟県上越市高田]
ごろ焼き フライパンなどにイカのわたと、げそだけ、イカ全体を入れて炒めたもの。味つけは塩コショウでもしょうゆでもよいと思う。酒との相性が抜群にいい。[藪田浦漁業協同組合 富山県氷見市]
塩辛大根煮 大根を水煮して塩辛で味つけする。塩辛からたっぷり旨みが出て、それが大根煮しみこんでうまい。静岡県など日本各地。カツオの塩辛でも作る。『秘伝 おふくろの味 静岡県海のさち山のさち』(静岡県生活改良普及員編 静岡新聞社)
煮しめ 東京都奥多摩、多摩地区、山梨県などではスルメイカと里芋などと煮染めにする。主に冠婚葬祭に作るものだった。
イカ雑炊 伊豆半島などでは雑炊にワタも含めて丸ごと入れて作る。ワタの濃厚な旨みが、身体をほかほかにしてくれる。網代では船宿の定番夜食だった。作り方はしょうゆ味の汁を作る。カツオ節だしでも水でもいい。ここにご飯とスルメイカ、わたを適宜に切った物を入れて火を通す。仕上げに卵を溶き入れる。
貝焼き スルメイカを野菜とともに「いしる(魚醤)」で煮て食べる。石川県能登半島などで作られている。能登半島にはマイワシのものとスルメイカで作る魚醤があるが、後者で作るものがうまい。
玉こんにゃく ピンポン球状のこんにゃくを鯣(するめ)のだし、しょうゆ味で煮たもの。山形県全域で食べられているようだ。
いか玉焼き 関西、四国ではお好み焼きの具の代表的なもの。基本形は「イカと卵」でキャベツの具である。
かき揚げ 江戸前天ぷらの天丼のかき揚げに使う。かき揚げには上と並があり、並ネタのひとつ。
するめの天ぷら 「するめ」をもどして天ぷらにしたもの。他には「身欠きにしん」をもどして天ぷらにする。[会津地方全域]


夏いかのもんぺ焼き

イカメンチ

白木屋呉服店の夕食の主菜が「いか、こんにゃく煮」で、これを想像で再現。イカを適宜に切り、酒、砂糖、しょうゆ、水の地でこんにゃくと煮る。「いかとこんにゃく」の取り合わせは家庭料理の基本だったのかもしれないと思うほど相性がいい。うま味の強いイカと、それ自体に味がないこんにゃくの取り合わせがいい。

する天







加工品・名産品
塩干するめ スルメイカの内臓を取り去り、塩漬け、干したもの。[青森県八戸市など]
いかずし ニンジンと一緒につけ込んだもの。すしというよりも漬け物に近い。
いかぽっぽ焼き ゆでたスルメイカを串に刺して焼くのみの状態になっている。
沖づけ 沖で漁をするときにしょうゆ、みりん、酒などで調味したつけ汁を持参して、釣り上げたばかりのスルメイカを生きているときにつけ汁に入れる。関東州半の海辺など、日本各地。

















岐阜県古川(岐阜県飛騨市古川町)では〈正月よりもむしろこの「としとり(年取)」に重きが置かれる。「ぶりや煮いかやカマボコなど、普段では食べられないようなご馳走を食べる習慣があった」〉飛騨古川 八ツ三旅館 女将 池田加津美『サライ』(1990 12/20)




いかずし ニンジンと一緒につけ込んだもの。すしというよりも漬け物に近い。
いかぽっぽ焼き ゆでたスルメイカを串に刺して焼くのみの状態になっている。
沖づけ 沖で漁をするときにしょうゆ、みりん、酒などで調味したつけ汁を持参して、釣り上げたばかりのスルメイカを生きているときにつけ汁に入れる。関東州半の海辺など、日本各地。

するめ
塩乾品
鯣(するめ) 開いたスルメイカを強く干したもの。乾物として出回り、スルメイカの語源になった。そのまま焼いても、水でもどして利用してもいい。げそを取り去ったものを「だるま」といい、「げそ」と分けて売られることも多い。
鯣の皮
塩乾品
いかの皮 鯣(するめ/スルメイカを開いて強く干したもの)の皮。食べ方はよくわからないが水で戻して、煮ものなどに使うものと思われる。
スルメイカの一夜干し
塩乾品
一夜干し(開き干し) むしろ乾物といえそうな「鯣」とは違って軽く干し上げたもの。軟らかくスルメイカの風味が強く非常に魅力的。[海の駅 松島 島根県隠岐郡海士町]
塩乾品
塩いか 新潟県の主に佐渡島で作られ、新潟県下で売られているもの。近海ものの大型のスルメイカを開いて塩をして干している。非常に上質でスルメイカのうま味、風味豊かで食感も好ましい。[野口福蔵商店 新潟県佐渡市両津など]
スルメイカの丸干し
塩乾品
丸干し(もみいか) 小振りのスルメイカを丸ごと干し上げたもの。ぺたんこにおしつけて干し上げている。焼くと甘味のある香りと強いうま味があって、わた半生で濃厚かつ独特の味がする。日本海沿いの福井県、石川県、富山県、新潟県などで作られている。[中宗 富山県新湊市、石川県、吉川水産 福井県丹生郡越前町]
稚イカの煮干し
塩乾品
煮干し 稚イカをゆでて干し上げたもの。軽くあぶって食べると、ほどよいかみ応えと強いうま味が楽しめる。[長崎県産]
塩辛
いかの塩辛(赤作り) 「いかの塩辛」は原則的にスルメイカ以外では作れない。それは「わた」が大きく、味わい深いからだ。塩辛の基本的な味はこの「わた」で決まる。わたを塩漬けにし、軟体もげそも胴も皮つきのまま塩をして干して合わせる本格的な塩辛と、ほとんど生のわたと軟体を合わせただけのものがある。
塩辛
黒作り スルメイカの軟体、墨、わたを一緒に塩で漬け込んだもの。墨が入っているためか少々まろやかに感じられる。水産加工品の研究家(主にかまぼこ)清水亘が『新説三珍味』のひとつとして挙げている。『新説三珍味』は東京都新島の「くさや」、滋賀県琵琶湖の「ふなずし」、富山県の「黒作り」。[三浦鮮魚店 富山県氷見市]黒造り 
塩辛
白作り スルメイカの胴の部分だけ皮を剥いて切り、漬け込んだもの。わたの色も比較的薄い色合いで漬けて合わせる。昨今では調味料を加えて味つけしたものもある。
塩辛
いかの子塩辛 スルメイカの卵巣の塩漬け。塩味の中にほんのり甘味とうま味がある。[島根県隠岐郡西之島]
塩乾
もみいか スルメイカを内臓も丸ごと塩漬けにしたもの。丸干しいかも「もみいか」と呼ばれているが、こちらは別物。このまま切り、汁にしたり、塩出しをして和え物に使ったりできる。[輪島朝市]
いしり
魚醬
いしる(いしり) スルメイカの内臓を塩漬けにして出てきた汁。イカ醬とするとわかりやすい。魚醬よりも甘味が強いと思う。[大積海産 石川県輪島市]
塩乾加工品
するめ漬 するめを戻し、醤油味の地につけ込んだもの。鮮魚に乏しい山間部で生まれたもので現在の物は塩分濃度が低くまことに食べやすい。ただ本来は生醤油などに漬けた塩辛いものだった可能性が高い。[今井醸造 岐阜県下呂市萩原]
塩乾加工品
するめ麹漬 もどした鯣(するめ)を細切りにして麹に漬け込んだもの。まろやかな味わいでご飯との相性がいい。[中浦食品 島根県松江市]
塩丸いか
塩乾
塩丸いか 非常に塩分濃度が高い。水でもどしてゆでたり、揚げたり、焼いたりする。もともとは日本海側でとれたスルメイカを山間部である岐阜県、長野県に運ぶために産地で作られていたもの。[丸三小池食品 長野県岡谷市]
酢いか
総菜
酢いか イカを調理した酢に漬け込んだもの。保存性が非常に高く、産地で流通するというよりも遠隔地である山間部などに送られていたものだ。同様のものは東北や茨城などでも作られているが消費するのは山間部だと思われる。[佐々木商店 島根県浜田市]
煮いか
総菜
煮いか 本来は日本海でとれたスルメイカを浜でゆでたもの。長野県、岐阜県では「年取」、「正月」に食べた。「塩いか」がケの食品なら、「煮いか」はハレの食品だ。塩イカは長野県、岐阜県などの山間部に年間を通じて運べる。「煮いか」は寒い時季だけのものだったかも知れない。今ではスーパーや魚屋でよく見かける地域性を感じる食べ物だ。岐阜県古川(岐阜県飛騨市古川町)では〈正月よりもむしろこの「としとり(年取)」に重きが置かれる。「ぶりや煮いかやカマボコなど、普段では食べられないようなご馳走を食べる習慣があった」〉飛騨古川 八ツ三旅館 女将 池田加津美『サライ』(1990 12/20)

いかにんじん
総菜
いかにんじん 「するめいか」と生のにんじんを調味液で漬け込んだもの。福島県全域で売られているようだ。
いかめし
総菜
いかめし 「いかめし」は本来は道南渡島半島周辺で作られていた郷土料理。スルメイカの同の部分に洗ったもち米を詰めて、甘辛い地で煮上げたもの。近年はもち米を使ったり、うるち米を使ったものがレトルト食品として売り出されている。同様のものを函館本線森駅で駅弁として売り出したことで有名になった。[かくまん 北海道函館市]
いか薄削り
塩乾
するめのウス削り 乾物のするめを薄く削ったもの。[西尾商店 静岡県静岡市清水区]
イカロケット
総菜
まるごとイカロケット スルメイカの胴の部分にげそとチーズを入れて三温糖や塩、酒などで味つけしたものらしい。和なのか洋なのか、判然としないがおいしい。[源泉 徳島県海部郡牟岐町]釣り情報
関東ではイカ角(擬餌バリ)を使って釣る。初夏の麦イカ釣りから、やや深場のスルメイカ釣りまで人気が高い。
歴史・ことわざなど
鯣 結納の品のひとつ、「寿留女(するめ)」の原料。
■ 加工品、鮮魚ともにもっとも重要な水産物。
■ 漁獲量が多く、我が国での水産物水揚げの5パーセント前後を占める。
真いか 国内で漁獲するイカの半分以上が本種である。代表的なイカであることから「真いか(まいか)」と呼ぶ地域が多い。それでスルメを釣る船の漁り火は、人工衛星からの映像で日本海を大都市が出現したかのように浮かび上がらせると言う。
■ 加工品の種類が多い。イカの塩辛、缶詰、するめ、丸干し、一夜干し、いかめし(イカ飯)、酢いか、さきイカ。
島根のすさみ 川路聖謨。天保11年佐渡への途次。三国街道、三俣宿(新潟県湯沢町)宿の食事。〈汁 くじら・なす・豆腐。平(平椀) ぜんまい・いんげん。膾 大根おろし、名もしらぬ塩肴一切れ。鮨 きざみするめ三筋ズツ。取肴 名はしらず、田づくりに似たるもの十ばかり〉。この鮨は明らかにスルメイカを糀と漬け込んだものと思われる。
■ 加工品、鮮魚ともにもっとも重要な水産物。
■ 漁獲量が多く、我が国での水産物水揚げの5パーセント前後を占める。
真いか 国内で漁獲するイカの半分以上が本種である。代表的なイカであることから「真いか(まいか)」と呼ぶ地域が多い。それでスルメを釣る船の漁り火は、人工衛星からの映像で日本海を大都市が出現したかのように浮かび上がらせると言う。
■ 加工品の種類が多い。イカの塩辛、缶詰、するめ、丸干し、一夜干し、いかめし(イカ飯)、酢いか、さきイカ。
島根のすさみ 川路聖謨。天保11年佐渡への途次。三国街道、三俣宿(新潟県湯沢町)宿の食事。〈汁 くじら・なす・豆腐。平(平椀) ぜんまい・いんげん。膾 大根おろし、名もしらぬ塩肴一切れ。鮨 きざみするめ三筋ズツ。取肴 名はしらず、田づくりに似たるもの十ばかり〉。この鮨は明らかにスルメイカを糀と漬け込んだものと思われる。