春色の、かき揚げうまし、スルメイカ
俳句でも捻らないとやっていけないスルメイカ

タイトルからいきなり俳句は変だけど、日々、スルメイカを買っては量り、値段を記録していると頭が春色に染まって浮かれてくる。
だからいろんな料理を作るのだけど、天ぷらのおいしさを、ここ半年で改めて知った気がする。
イカ類の天ぷらというと、厚みが必要なので、取り分け都内の高級天ぷら店などでは、アオリイカか「墨いか(コウイカ)」になる。
たぶん、庶民的な店でもスルメイカは避けて、冷凍のコウイカ類(一般的にはモンゴウイカという)を使うのだと思う。
スルメイカの天ぷらを出すのは居酒屋くらいだろう。
そんな主流じゃないスルメイカの天ぷらが、こんなにおいしいとは思わなかった。
ちゃんと軟体類らしい甘みがあるし、夏を通すことでぷんとスルメイカの持ち味である風味が生きてくる。
天ぷらよりもかき揚げの方が今回は上だった

さて、翌日は昼ご飯にかき揚げを作る。
我が故郷、徳島県美馬郡つるぎ町半田名物、半田素麺(我が一族はずーっと杉本製麺)の温かいのにのせるためである。
かき揚げならば皮付きで揚げたい。
でも油はぜは、「ふるやのもり」よりも恐い。
一工夫する。
耳(ひれ、えんぺらとも)周辺を一度湯引きして氷水に落とす。
ペーパータオルに挟んでとんとんと叩く。
これをヒモ状に切り、ふたたびとんとんと叩く。
野菜はピーマンとにんじんで緑と赤、これもヒモ状に切る。
合わせて軽く振り塩をして小麦粉をまぶし、衣を加えてしゃもじなどで中温の油に落としていく。
たっぷりなのでおやつに残して置こうかなと思ったけど、あんまりおいしいので全食べしてしまった。
野菜の風味以上にスルメイカの風味が勝っている。
ちゃんとイカらしい甘味もある。
ここで大問題が発覚。
新たにつゆを作り、ゆであげた半田素麺は、素素麺となる。