202511/02掲載

いしもちの塩焼きにお茶の水時代を想い出す

昔は居酒屋定番の品書きだった


お茶の水、駿河台にあった学校の隣に居酒屋があった。
神保町で働き始めてすぐに、この居酒屋で友人と酒を飲んだ。
この居酒屋に必ずあったのが「いしもちの塩焼き(シログチの塩焼き)」で、お願いするといつも生焼けだったので、いつも焼き直してもらっていた。
卒業したての頃、同級生とこの居酒屋で「いしもちの塩焼き」をお願いして、また生焼けだったので大笑いしたものだ。
以来彼とは会っていなかった。
そんな男とまた会うなんて。
「いしもちの塩焼き」には想い出がいっぱいある。

舵丸水産で1尾だけ「いしもち(シログチ)」を買ったのも、久しぶりに同級生とあったからだ。
それほど「いしもちの塩焼き」は東京を代表する魚料理であった。
東京湾で盛んだった「いしもち釣り」も、「焼き魚を釣りに行く」という感じだった。

さて、水洗いしてずぼ抜き(口から内臓を出す)し、振り塩をして1日寝かせる。
塩をして1時間程度で焼いてもいい。
我が家で丸のまま焼けるぎりぎりのサイズだったので、つきっきりで焼き上げる。

今回は焼き上げて間髪入れずに食べたが、塩焼きは冷めてから食べてもおいしいことも書いておく。
これでご飯を食べたが、小骨が少なく、身離れがいいなど、至っておかず向きの魚である。
取り分け皮の風味がいい。
この皮の風味は冷めた方が強く感じられるのは不思議だ。

データを見るとシログチの塩焼きは去年の秋に食べて以来だ。
来年は毎月味見して記録をとろう。

今回の「いしもち」は宮城県産


八王子卸売協同組合、舵丸水産に宮城県石巻市『カネキ新港水産』からシログチが来ていた。
23cm・217gを1尾買う。
伝票には「イシモチ」である。
関東では「ぐち」でも「しろぐち」でも通用しない。
東京湾を代表する釣り魚だったが今や主役どころか脇役でもなくなっている。
■舵丸水産は、一般客に優しいので、ぜひ近くにお住まいの方は一度お寄り頂きたい。

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