タイラギ
代表的な呼び名タイラガイ
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珍魚度・珍しさ | ★★ 少し努力すれば手に入る |
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魚貝の物知り度 | ★★★ 知っていたら通人級 |
食べ物としての重要度 | ★★★ 一般的(流通量は普通) |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
分類 | 軟体動物門二枚貝綱翼形亜綱ウグイスガイ目ハボウキガイ上科ハボウキガイ科クロタイラギ属
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外国名 | Pen-shell, Fan-shell
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学名 | Atrina pectinata Linnaeus, 1758
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漢字・学名由来 | 漢字 平貝、玉珧 Standard Japanese name / Tairagi Linnaeus Carl von Linné(カール・フォン・リンネ 1707-1778 スウェーデン)。二名法を確立。 |
地方名・市場名 |
概要
生息域
海水生。水深30mくらいまでの泥底。
福島県・日本海中部以南。
熱帯インド-西太平洋。
生態
雌雄異体。
生殖腺の色(クリーム色-雄、赤-雌)。
産卵期は7月〜8月。
1年で10センチ以上、6年で30センチ前後になる。
水深10メートル前後の砂泥地にとがった方を突き刺すように生息。
無数の糸を放出して泥に碇を打ってとどまっている。
大きい貝柱は、前後に2つある後方のものが中央に移動して大きくなったもの。とんがった部分に小さい前方にある貝柱がちゃんと残っている。
基本情報
タイラギは国内で食用になる二枚貝としてはもっとも大型になる。
ただし関東などで食べる部分は貝柱のみ。ヒモや小さい方の貝柱水管なども食べられるが西日本で食用になり、独立して流通している。
関東では大きい貝殻に一個だけの貝柱を食べるために、非常に高価なものとなる。
一般にはほとんど出回らず、主に料理店などで利用される。また高級すしネタのひとつでもある。
珍しさ度 食用魚ではなく料理店などで専門に使われるもので、非常に高価。探せば手に入る。
水産基本情報
市場での評価 入荷は年間を通じてある。国産よりも韓国などからの輸入ものをよく見かける。1個あたり400円から600円と、貝柱を主に食べる二枚貝としては非常に高価。
漁法 潜水漁、タイラギこぎ漁
主な産地 韓国、国内では三河湾(愛知県)、岡山県、香川県などのものを見かける
選び方・食べ方・その他
選び方
活け(貝殻つき)、剥き貝ともに貝柱の太っているもの。貝柱に透明感のあるもの。
味わい
旬は春。夏になると貝柱が痩せている。
貝殻は薄くて硬いが割れやすい。可食部分は主に貝柱で、ヒモや小さい方の貝柱は硬い。
熱を通すと硬く締まる。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
好んで食べる地域・名物料理
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加工品・名産品
筑紫漬け 福岡県。タイラギの貝柱をみりん粕につけたもの。
釣り情報
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歴史・ことわざなど
全国的に減少 一大産地であった有明海で激減。非常に深刻な状況となっている。
養殖 有明海などでは養殖が試みられている。
かがり火 景行天皇(12代)の熊祖征伐のおり、八代海を渡るとき不知火(しらぬい)の明かりで無事上陸することができた。この不知火は八朔(旧暦の8月1日)の大潮のとき干潟で夜にタイラギ漁をとるかがり火のことである。
糸 とんがった方から泥に放出される糸を集めてイタリアのシシリー島ではショールや手袋、スカーフなどを作り、この糸をタレンチネという。『貝の博物誌』(波部忠重 保育社)にあるが確かめてはいない。
ハコトリガイ・ババトリガイ 〈昔は子供が外で大便をした時ハコトリガイ・ババトリガイ(タイラギ)でつまんで大便所にすてたが今ではやっていない(鳥取県境港市湊町)〉『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社)
地方名・市場名
場所有明海周辺
参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社 1988) 場所熊本県天草郡苓北町富岡
参考つるやデパート鮮魚売場 場所熊本県熊本市
備考〈昔は子供が外で大便をした時ハコトリガイ、ババトリガイでつまんで大便所にすてたが今では使っていない〉 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 場所鳥取県境港市湊町
場所関東の市場やすし屋
部位貝柱を取り除いたヒモや足など 場所佐賀県、長崎県
備考別名。
カラシヌビースクー カラスガイ[烏貝] カラスゲ[烏貝] クソガキ クソサライガイ クワカキ[鍬牡蠣] コトリガイ ジランボ タアラギ タイラガイ タイラギャー タイラゲ タイラベ タチガイ[立貝] タチガエ タッゲ タテガイ[縦貝] タテギャ タテボラ チャーラギ テーラク チェラゲェ ババガキ ババトリ ババトリギャー ヒイランボ ヒョウゲ ヒョロロ ヒラッポ ヒラブ ヒランボ ヒランボー ヒランポ フシガイ フナワリケー ヘエナ ヘラボウ ヘランバー ホウチョウガイ ポンカキ マサカリカイ インジラッポ ウチワッカイ エビスガイ エベスガイ エボウシガイ[烏帽子貝] オオギガイ[扇貝] オーギノカェ[扇の貝] オノガイ[斧貝] カイバシラ[貝柱] キャーバシラ[貝柱]
参考文献より。