202408/31掲載

8月のタイラギは悪い時季にもかかわらず美味

見た目からして旬じゃないけど、意外にも意外にも


8月のタイラギ(タイラガイ)に期待する人はいないだろう、と思ったけど、それでも買ってしまう、のは水産生物とヒトとの関わりを調べているからだ。
買ってみたら意外にもそんなに悪くはない。
貝柱の膨らみが弱く、身のきめ細やかさがないものの、貝としての味の実力者なりに、不調であっても横綱的なところがある。
貝柱自体が痩せているのは、この時季しかたがない。
それでも充分、甘味をともなった微かな渋味と、ほどよい食感が楽しめる。
この独特の風味はタイラギだけにある。
タイラギがホタテガイなどと比べて断然高いのには、この風味故だ。
しかも近年、漁獲量が減っている。
これ以上高くなったらどうしようと思いながら、群馬の妙義山を正一合。

大きいほど食べられる部分が大きいわけではない


八王子綜合卸売協同組合、舵丸水産で買った愛知県三河産タイラギは殻長46cmもあった。
ただしこの貝、貝殻の大きさと貝柱の大きさが正比例しない。
横覗きしながら肥っていそうなのを買う。
こんかいはびら(貝柱以外)は料理しなかった。
貝柱だけにして硬い筋繊維のかたまりを取り、周りの皮膜をひっぺがす。
刺身状に切る。

このコラムに関係する種

タイラギのサムネイル写真
タイラギPen-shell, Fan-shell海水生。水深30mくらいまでの泥底。福島県・日本海中部以南。熱帯インド-西太平洋。・・・・
詳細ページへ

関連記事 ▽




呼び名検索

方言を含む全ての名(標準和名,方言,呼び名,外国名,学名)から水産物を検索します。

閉じる