カサゴ
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コラム
春たけなわのカサゴの唐揚げ郷土料理
煮つけの汁でおからをたく
珍魚度・珍しさ | ★★ 少し努力すれば手に入る |
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魚貝の物知り度 | ★★★ 知っていたら通人級 |
食べ物としての重要度 | ★★★ 一般的(流通量は普通) |
味の評価度 | ★★★★ 非常に美味 |
分類 | 顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カサゴ亜目メバル科カサゴ属
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外国名 | Marbled rockfish
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学名 | Sebastiscus marmoratus (Cuvier, 1829)
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漢字・学名由来 | 漢字 瘡魚、笠子 Kasago 由来 「かさご」は東京、神奈川などでの呼び名。皮膚病(瘡ができた)にかかったように見えるため。 笠子魚 〈藻魚に似ていて頭は円く大きい。口は尖り長く、鱗はあらく灰色。味はやや劣る〉。『和漢三才図会』(寺島良安 東洋文庫 平凡社 正徳2年 1712)・『物類称呼』(越谷吾山著 安永4/1775 解説/杉本つとむ 八坂書房 1976) かさご 〈俗にあんぽんたんといふ、伏もうをに似て頭円く大く嘴尖り鱗あらく味下劣れり〉『魚鑑』(武井周作 天保辛卯 1831) 〈marmoratus, C. & V, カサゴ 福島縣下 …武蔵神奈川 …紀伊〉。『帝国博物館天産部魚類標本目録.帝国博物館』(石川千代松・松浦歓一郎 1897/明治30年) 〈頬甲族カサゴ科カサゴ屬カサゴ Sebastiscus marmoratus (CUVIER et VALENCIENNES)〉。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938) Cuvier バロン・ジョルジュ・レオポルド・クレティアン・フレデリック・ダゴベール・キュヴィエ(Baron Georges Léopold Chrétien Frédéric Dagobert Cuvier 1769-1832)。フランスの分類学者。キュビエとされることが多い。スエーデンのリンネ、フランスのビュフォンの分類体系に解剖学や古生物学などを加味して現在の形の礎を作った巨人のひとり。 |
地方名・市場名 |
概要
生息域
海水魚。水深2-43mの岩礁域、転石・砂地・砂泥地の石の周辺。
北海道〜九州南岸の大平洋沿岸、[鹿児島県種子島]、北海道〜九州南岸の日本海・東シナ海、瀬戸内海、八丈島。
朝鮮半島南岸・東岸、済州島、中国渤海・東シナ海・南シナ海沿岸、台湾。
オーストラリアシドニー湾は移入。
生態
10月〜11月に交尾、そして卵の成熟を待って受精。
体内で孵化した仔魚(生まれたばかりの子供)は11月から4月の間に体外に産出される。
浅い磯回り、港回りなどの岩の窪みやテトラの間などにいる。
基本情報
琉球列島を除く日本全国の浅い岩礁域に普通にいる魚だが、まとまってとれない。古くは安かったという情報もあるが、現在では高値で安定している。時に高級魚となることもある。これは資源が減少しているのではなく、本種をとる漁の後継者不足が原因である可能性も高い。
磯魚は年々値段を上げているが、本種はその代表格だろう。釣りの対象魚としても人気が高い。
刺身などにもなるが、関東では長年、煮つけ用の魚として人気が高かった。『エコロン 自然シリーズ 魚』(蒲原稔治、岡村収 保育社)にも〈煮つけになるなどして冬にはそうとう味がよい〉とある。
値段からしてスーパーや一般的な魚屋には置いていない。都内の特殊な場所であるデパートなどではときどき見かける。
珍魚度 いたってありふれた魚だが、消費地、特に東日本では小売店やスーパーでは買えない。
水産基本情報
市場での評価/市場ではウッカリカサゴとともに単に「かさご」として売られている。ウッカリカサゴよりも味がいいので魚をよく知っている店などでは「本かさご」という呼び方もされる。年間を通して入荷するが高価。
漁法/刺し網、釣り(延縄)
産地/
選び方・食べ方・その他
選び方
触って硬いもの。刺身にするなら活けがいい。鰓が鮮紅色のもの。
味わい
旬は秋から春。
漁の最盛期は春だが、いちばんおいしいのは冬だと思う。
鱗は細かく取りやすい。皮は厚みがあって強い。骨はあまり硬くはない。
透明感のある白身で血合いは非常に弱い。熱を通しても硬く締まらない。
栄養
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危険性など
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食べ方・料理法・作り方
好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
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釣り情報
伊豆半島などでは浅い磯辺でイカやサバの切り身を餌にゆらゆらさせていると、まっ先に食いついてくる。
テトラポットからの穴釣りが手頃で、非常に面白い。カサゴは子供にとっても馴染み深い遊び相手であるようだ。
釣り船で岩礁域をめぐり、拾い釣りなんていうのも東京湾、相模湾、神奈川県真鶴から東伊豆方面では人気がある。小は10センチ足らず、大は30センチ上までの言わば小魚釣りであるが、それに反した大振りの片天秤仕掛けで、根掛かりに苦心しながらのせわしない釣りである。
歴史・ことわざなど
■ 季語歳時記では夏。
■ 無骨な武士を思わせる外見から、端午の節句の祝いの膳にのせられる。
■ 武骨な面構えから江戸時代、端午の節句の祝魚として用いられた。
■ 佐渡ではカサゴの干物を軒先に魔除けとして吊るした。
■ 「磯の笠子は口ばかり」:ことわざ。カサゴは口が大きく、身体が小さい。食べる部分が少ないことから、「口先ばかりで実行力のないこと」。
■ 顔が不細工であることから「かさごの面洗わず」というのもる。
地方名・市場名
備考俗にとある。魚河岸などに並んでいるとき、大きく口を開けているからだろう。 参考『魚鑑』(武井周作天保辛卯 1831) 場所『魚鑑』(武井周作天保辛卯 1831)
参考日比野友亮さん 場所三重県志摩市志摩町和具
参考三重県『東紀州のお魚リスト』 場所三重県東紀州
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所三重県熊野
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所三重県熊野浦、和歌山県太地・三輪崎・新宮・木ノ本・和歌山
参考文献 場所京都府宮津
参考Nishimuraさん 場所兵庫県香美町香住
参考文献 場所千葉県館山
参考文献 場所和歌山県新宮
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県湯浅・和深
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県田辺
アカガシラ
参考文献 場所和歌山県田辺
ヂガシラ
参考聞取 場所和歌山県田辺
参考聞取、『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県田辺・塩屋・切目・三尾・辰ヶ浜、徳島県海部郡海陽町竹ヶ島
参考聞取、『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県白崎
参考『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県網代浦
備考スーパー。 参考聞取 場所大阪、兵庫県駒ヶ林・御影・淡路福良、岡山県岡山市
参考『エコロン 自然シリーズ 魚』(蒲原稔治、岡村収 保育社) 場所山口県下関
参考文献 場所山口県周防大島沖家室
参考青山時彦さん(宇部市青山鮮魚) 場所山口県宇部市
参考青山時彦さん(宇部市青山鮮魚) 場所山口県宇部市・下関
参考文献 場所山口県小野田
参考岩手県水産技術センター 場所岩手県
参考文献 場所島根県松江
参考文献 場所広島県鞆
参考文献、安楽島フードセンター 場所愛知県熱田・知多、三重県鳥羽市安楽島
参考文献 場所東京都、神奈川県江ノ島・三﨑、山口県小野田
参考聞取 場所熊本
参考文献 場所熊本、有明海
参考文献 場所石川県宇出津
備考俗に「笠子の面洗わず」という。 参考文献 場所神奈川県三崎
参考文献 場所茨城県水戸
参考文献 場所茨城県水戸、静岡県浜松
参考長田琉生さん 場所長崎県対馬
参考文献 場所青森県
参考文献 場所青森県八戸
参考静岡県水産・海洋技術研究所・伊豆分場 場所静岡県妻良
参考静岡県水産・海洋技術研究所・伊豆分場、文献 場所静岡県富戸、三重県鳥羽
参考静岡県水産・海洋技術研究所・伊豆分場 場所静岡県戸田
参考文献 場所高知
参考文献 場所鳥取
参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所鹿児島県種子島
参考文献 場所鹿児島県阿久根
参考佐藤厚さん、『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所福岡県福岡市、長崎県雲仙市小浜、鹿児島県種子島
参考聞取 場所山形県酒田市由良漁港
参考聞取 場所徳島県伊座利・美波町・海部郡海陽町・阿南市、高知県安芸郡東洋町甲浦
参考聞取、岩田昭人さん 場所三重県志摩市和具・尾鷲市
参考聞取、『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929) 場所和歌山県和歌浦・湯浅・田辺・周参見・串本、徳島県北灘・伊座利・美波町・日和佐・宍喰、高知県三津・中土佐町
参考聞取 場所熊本県上天草市・熊本市、福岡県有明海
参考スーパー 場所石川県宇出津・穴水町
参考聞取、『エコロン 自然シリーズ 魚』(蒲原稔治、岡村収 保育社) 場所広島、愛媛、高知県宿毛市田ノ浦すくも湾漁協
場所広島県三原市
参考聞取 場所島根県
参考聞取 場所山口県萩市
備考岡山など瀬戸内海周辺では標準和名メバル3種とともに。 参考聞取 場所岡山など瀬戸内海周辺
参考文献