体長13cm前後になる。濃い赤色で、体に白い縞模様がある。額角はわずかに上向き、上縁に20-27の可動棘、下縁に10-15の歯がある。[雌 全長13cm・21g]
モロトゲアカエビの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
節足動物門甲殻上綱軟甲綱(エビ綱)真軟綱亜綱(エビ亜綱)エビ上目十脚目コエビ下目タラバエビ科モロトゲアカエビ属外国名
学名
Pandalopsis japonica Balss,1914漢字・学名由来
漢字 諸棘赤海老 Morotogeakaebi
由来・語源 額角(がっかく)の上下に棘のあるエビの意味(?)。地方名・市場名 ?
生息域
海水生。水深180〜530メートル。
日本海側、島根県〜北海道。サハリン、朝鮮半島東部。生態
雄性先熟。
水深180メートルから530メートルの砂泥地に生息。
産卵数が少ない。基本情報
島根県以北の日本海で水揚げがあるが、流通する多くが北海道産である。一般にはシマエビ(縞えび)と呼ばれ、標準和名はほとんど知られていない。「ぼたねび(トヤマエビ)」、「甘えび(ホッコクアカエビ)」などと比べると量が少ない。輸送に強いため、首都圏に来ても生きていることがあり、活けものもある。
味がとてもよく、剥いても縞模様が残るので握りにして映える。また刺身なども非常においしい。
珍魚度 流通量が少なく、一般的な小売店では見つけることができない。高級魚を扱う店などで探せば手に入る。水産基本情報
選び方
赤味の強いもので殻に透明感のあるもの。味わい
栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
モロトゲアカエビの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身)、焼く(塩焼き)、汁(みそ汁)、ソテー(アヒージョ)、煮る(塩ゆで)、揚げる(唐揚げ)クリックで閉じます
モロトゲアカエビの刺身 さっと水洗いして殻を剥く。頭部を別に添えるといい。生で食べるとタラバエビ科でも最上のもの。生で食べるタイプのエビのなかでも食感が強く、ほどよく甘味がある。みそも非常に美味。外子はみどりで面白い食感。
モロトゲアカエビの塩ゆで 高いエビなのでほとんどが生食用になるが、残ったときなどにゆでるととても味がいい。空が柔らかく、身に甘みが豊かでおいしい。エビらしい風味もあって、食べ始めると手が止まらなくなる。クリックで閉じますモロトゲアカエビの塩ゆで
モロトゲアカエビの天ぷら クルマエビなどと比べると水分が多いので、揚げるとどうしても痩せる。ただ程よい軟らかさや甘みの強さは非常に魅力的だ。殻を剥き水分をよく拭き取り、小麦粉をまぶして衣をつけて高温で短時間で揚げる。クリックで閉じますモロトゲアカエビの唐揚げ 小型は素揚げではなく粉をつけて揚げるといい。さっと汚れを取り、水分をよくきり片栗粉をまぶして低温から揚げはじめ、最後には高温で揚げる。サクッとして食べた途端に強い甘味が口に広がる。クリックで閉じますモロトゲアカエビのみそ汁 丸のまま使うと美味だが、高くつくので、刺身にしたときの頭部などを水から煮出してみそを溶く。つぶして汁にしてもいい。エビらしい風味が楽しめて甘味がある。クリックで閉じますモロトゲアカエビのみそ汁
モロトゲアカエビの塩焼き さっと水洗いして短時間、強火で焼き上げる。単腹部のあたりは殻付きのまま食べてもいい。頭部には内子、みそも焼くことでうま味が濃くなる。エビらしい風味も楽しめる。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
■ 甘エビと呼ばれるホッコクアカエビなどのタラバエビ科のエビで比較的よく市場で見かけるのは、ホッコクアカエビ(甘エビ)、トヤマエビ(ボタンエビ)、そして本種である。この3種の中ではもっとも入荷量が少ない。それはホッコクアカエビ、トヤマエビがタラバエビ属であり、産卵数が多く再生産性が高いのに対して、本種のモロトゲアカエビ属のエビは産卵数が少なく再生産能力が低いためと思われる。
■ ホッコクアカエビ、トヤマエビなどに混ざってとれる。
■ 主な産地は北海道西部。増毛、留萌、積丹半島や檜山支庁にかけてである。北海道以外の日本海側のものは量的には少ない。
■ 生命力が強いのか東京の市場でも活けのものや、発泡の箱の中で生きているのが見られる。参考文献・協力
協力/駒井智幸(千葉県立中央博物館)、飯塚栄一
『原色日本大型甲殻類図鑑』(三宅貞祥 保育社)、『水産無脊椎動物Ⅱ 有用・有害種各論』(奥谷喬 恒星社厚生閣)