タキゲンロクダイ

Scientific Name / Coradion altivelis McCulloch, 1916

タキゲンロクダイの形態写真

17cm SL 前後になる。体側に褐色横斑があり、背鰭軟条部には眼状斑はない(幼魚にはある)。背鰭棘は8。

    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度


      食用として認知されていない
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目チョウチョウウオ科タキゲンロクダイ属

    外国名

    学名

    Coradion altivelis McCulloch, 1916

    漢字・学名由来

    漢字/瀧元禄鯛、滝元禄鯛 Takigenrokudai
    由来・語源/田中茂穂が和名をつけ、新種として記載した。採取者は『紀州魚譜』の宇井縫蔵。和歌山県田辺で採取したとある。後にシノニムであったことが判明する。瀧庸、もしくは瀧巌に献名したのではないか。もしくは体側の白く丸い斑紋が滝を思わせるのか。田中茂穂は「瀧(滝)」という言語が好きだ。
    シノニム/Coradion fulvocinctus Tanaka, 1918
    宇井縫蔵
    うい・ぬいぞう 1878年、和歌山県田辺生まれ。教諭、魚類学、植物学、民俗学。南方熊楠の協力者でもある。国学者・歌人・民俗学者の宇井 可道(うい よしみち)の長男。『紀州魚譜』(宇井縫蔵 淀屋書店 1929)は魚類学的にも民俗学的にも重要。
    Tanaka
    田中茂穂(Shigeho Tanaka 明治11-昭和49 1878-1974 高知県)。東京帝国大学にて魚類の分類を始める。日本魚類学の父。170種前後の新種を記載。献名された種も少なくない。

    地方名・市場名

    ツバメウオ
    場所鹿児島県南さつま市 備考「つばめうお」としてスーパーで。 参考伊東正英さん 

    生息域

    海水魚。岩礁域、サンゴ礁域。
    伊豆諸島、小笠原諸島、駿河湾〜九州南岸の大平併用沿岸、熊本県天草、鹿児島県甑島、種子島、琉球列島。
    幼魚/千葉県館山
    済州島、台湾、南沙諸島、香港、アンダマン海〜オーストラリア北東岸までの西太平洋。

    生態

    基本情報

    どちらかというと観賞魚。追い込み漁などでとれると利用されているのではないかと考えている。
    味のいい魚なので、利用法などはこれからの課題。

    水産基本情報

    市場での評価/流通しない。
    漁法/定置網
    産地/鹿児島県、沖縄県

    選び方

    触って張りのあるもの。色が褪せていないもの。

    味わい

    旬は不明。
    鱗は小さく硬く取りにくい。皮は厚みがあって強い。
    血合いの弱い白身で熱を通しても硬くならない。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    タキゲンロクダイの料理法・調理法・食べ方/生食(刺身)、煮る(煮つけ)

    タキゲンロクダイの刺身 8月初旬の一個体だけの評価だ。著しく歩留まりは悪い。三枚に下ろして皮を引くと三切れほどにしかならない。血合いは弱く、脂がのっていて柔らかい。脂の甘味、魚のうま味もあってとてもうまい。

    タキゲンロクダイの煮つけ 皮に厚みがあり、熱を通しても硬くならない。水洗いして二枚に下ろして湯通しする。冷水に落としてぬめりと残った鱗を流す。これを酒・醤油・水で煮る。身離れがよく身に甘みがある。皮にうま味がある。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/福島理恵さん(恵水産 鹿児島県鹿児島市魚類市場)
    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)
  • 主食材として「タキゲンロクダイ」を使用したレシピ一覧

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