カイエビス

Scientific Name / Ostichthys kaianus (Günther, 1880)

カイエビスの形態写真

28cm SL 前後になる。体高があり赤い。鱗は櫛鱗で大きく白い斑紋があり、縦筋を作る。前鰓蓋骨隅角部には強い棘がない。背鰭棘は12。両側鼻骨間の溝は広いVの字型。胸鰭軟条は15-17で、通常16。背鰭棘中央下の側線上方鱗数は2.5。頭部はくぼまずに盛り上がる。[三重県産 28cm SL・793g]
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28cm SL 前後になる。体高があり赤い。鱗は櫛鱗で大きく白い斑紋があり、縦筋を作る。前鰓蓋骨隅角部には強い棘がない。背鰭棘は12。両側鼻骨間の溝は広いVの字型。胸鰭軟条は15-17で、通常16。背鰭棘中央下の側線上方鱗数は2.5。頭部はくぼまずに盛り上がる。[三重県産 28cm SL・793g]背鰭棘中央下の側線上方鱗数は2.5。測線上の鱗は除く。両側鼻骨間の溝は広いVの字型。頭部はくぼまずに盛り上がる。胸鰭軟条は15-17で、通常16。28cm SL 前後になる。体高があり赤い。鱗は櫛鱗で大きく白い斑紋があり、縦筋を作る。前鰓蓋骨隅角部には強い棘がない。背鰭棘は12。両側鼻骨間の溝は広いVの字型。胸鰭軟条は15-17で、通常16。背鰭棘中央下の側線上方鱗数は2.5。頭部はくぼまずに盛り上がる。[鹿児島県産 26cm SL・671g]口は非常に大きい。
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★★
      正に珍魚・激レア生物
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★
      美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区正真骨下区棘鰭上目キンメダイ系キンメダイ目イットウダイ科アカマツカサ亜科エビスダイ属

    外国名

    学名

    Ostichthys kaianus (Günther, 1880)

    漢字・学名由来

    漢字 Kai恵比須 Kaiebishu
    由来・語源 タイプ標本の産地がインドネシア、カイ諸島(Kai Islands)のものであるため。『日本産魚類全種の学名 語源と解説』(中坊徹次・平嶋義宏 東海大学出版部 2015)
    一般的文献での初出は、『魚類大図鑑 南日本の沿岸魚』(益田一、荒賀忠一、吉野哲夫 東海大学出版会 1975/11/25)だと思っている。
    Soldierfish 英名は兵士魚であるが、鎧(armor)を着けた兵士を思わせる魚という意味だ。堅い鱗で敵(天敵)を寄せつけないことからくる。イットウダイ科の魚に共通し、総称のひとつでもある。
    Günther,
    Albert Karl Ludwig Gotthilf Günther (アルベルト・ギュンター 1830-1914 ドイツ→イギリス)。動物学者。

    地方名・市場名

    ヨロイダイ[鎧だい]
    場所鹿児島県鹿児島市 参考田中水産(鹿児島県鹿児島市) 

    生息域

    海水魚。水深150-300m。岩礁域。
    伊豆半島、和歌山県白浜、高知県柏島、沖縄舟状海盆、九州〜パラオ海嶺。
    台湾南部、バンダ海カイ島、オーストラリア北西岸、レユニオン島。

    生態

    基本情報

    本州周辺が本種の北限である。赤い宝石箱が泳いでいるようなエビスダイ属は国内で4種だが、水揚げされて流通するのはエビスダイがほとんどで希に本種が関東にもやってくる。深場にいる魚で、定置網などにも入るがエビスダイと区別されないで流通している。
    珍魚度 珍魚である。国内では個体数が少なくめったにとれない。

    水産基本情報

    市場での評価/エビスダイとして入荷をみるが、非常に希。エビスダイよりも小型なのでやや高値がつく程度だ。
    漁法/刺網、釣り、定置網
    産地/鹿児島県、三重県など

    選び方

    触って張りがありへこまないもの。赤が強いもの。退色しているものは古い。

    味わい

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    カイエビスの料理・レシピ・食べ方/煮る(煮つけ)、汁(潮汁)、生食(刺身、焼霜造り)、焼く(丸焼き、塩焼き)

    カイエビスの煮つけ 硬い鱗をひき水洗いして頭部を端割りにする。湯通しして冷水に落として残った鱗とぬめりを流す。水分をよくきり、酒・砂糖・醤油・水を沸かした中で煮る。煮るとかなり硬く締まってしまう。煮つけ方に工夫がいるのかも知れないものの味はとてもよい。

    カイエビスの潮汁 刺身などで出たあらを取って置く。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、昆布だしで煮だして酒・塩で味つけする。骨やあらなどから実に濃厚でうまいだしが出る。煮ることで身も柔らかくなり、甘味が感じられるようになる。
    カイエビスの焼霜造り 水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、皮をバーナーで強く焼き切る。しっかりあぶらないと皮が硬い。これを刺身状に切る。厚みのある皮にうま味と心地よい食感がある。
    カイエビスの刺身 水洗いして三枚に下ろし、皮を引き刺身状に切る。血合いは薄く、身が繊維質ではなく、少しスポンジを思わせて、独特の食感である。イヤミのない味で、微かに甘味がある。

    カイエビスの丸焼き 鱗が非常に硬く一般家庭で普通に鱗を引くと部屋中に飛び散る。肉食魚で内臓がきれいなのであえてなにもしないで丸焼きにすると楽だし、非常にうまい。
    ざっと表面の汚れを流して水分をていねいに拭き取る。これを強火で表面が炭になるくらいまで焼き切る。焼き上がったら炭状になった部分をていねいに払って皮をめくると中から豊潤な身が出てくる。やや水分の多い魚なので普通の塩焼きにすると身が縮む。
    鱗ごと焼くことで水分が飛ばず、ふっくらと焼き上がる。身離れもよく、うま味も豊かだ。

    カイエビスの塩焼き 水洗いし、頭部を梨子割りにして振り塩をして1時間ほど寝かせる。頭部には多少鱗が残っていてもいい。これをじっくり焼き上げる。決してまずくはないが、強く締まり硬い。

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    記事のサムネイル写真難敵カイエビスを丸焼きにする
    鹿児島県鹿児島市、恵水産から送って頂いたカイエビスはまさに珍魚である。エビスダイは今や北海道にもいるが、本種は本州では希にしか揚がらない。 鹿児島でヨロイダイと・・・ 続きを開く

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/磯多紀(東京都豊洲市場)、田中水産(鹿児島県鹿児島市 ■http://tanakasuisan-kagoshima.com/)、恵水産(鹿児島県鹿児島市)
    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)
  • 主食材として「カイエビス」を使用したレシピ一覧

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