
体長16cm前後になる。背鰭棘は11、胸鰭腋部に小さな鱗の塊がある。鰓蓋膜の黒い部分は主鰓蓋骨棘の下にまで伸びる。
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魚貝の物知り度 |
食べ物としての重要度 |
味の評価度 |
★★★★★ 知っていたら学者級 |
★★ 地域的、嗜好品的なもの |
★★★★ 非常に美味 |
分類 |
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区正真骨下区棘鰭上目キンメダイ系キンメダイ目イットウダイ科アカマツカサ亜科アカマツカサ属
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外国名 |
ー
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学名 |
Myripristis kochiensis Randall and Yamakawa,1996
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漢字・学名由来 |
漢字 並松毬
由来・語源 もっとも頻繁に見かけるアカマツカサの仲間という意味合い。 |
地方名・市場名 [?] |
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生息域 |
海水魚。岩礁域。
八丈島、伊豆半島東岸〜鹿児島県内之浦湾の太平洋沿岸。 |
生態 |
ー |
基本情報 |
定置網などで水揚げされるが出荷されることはほとんどない。イットウダイ科アカマツカサ亜科の魚は同定が困難なので、種単位での評価はとてもできそうにないのが実情だ。
小魚であるし、鱗がすさまじく硬いので下ろすのが大変だが味のいい魚。面倒をいとわず料理すると安くてうまい魚である。 |
水産基本情報 |
市場での評価 関東ではまだ一度しか見ていない。安い。
漁法 定置網
産地 和歌山県、高知県など |
選び方 |
触って中身がつまって感じるもの。赤いもの。赤みの弱いのは古い。 |
味わい |
旬は不明。
鱗は非常に硬く、ガラスの破片を思わせる。皮はやや硬く丈夫。中骨は硬いが頭部の骨、腹骨などはあまり硬くない。背の部分に小骨がある。赤みを帯びた白身で熱を通しても硬く締まらない。頭部、中骨などから実に濃厚なだしが出る。身離れがいいのであら煮、あら汁などは非常に味がいい。 |
栄養 |
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寄生虫 |
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食べ方・料理法・作り方 |
料理法 生食(刺身)、焼く(塩焼き)、汁(みそ汁)、煮る(煮つけ)、揚げる(唐揚げ、皮素揚げ) ナミマツカサのまーす煮 面倒だが鱗をていねいに取り、水洗いする。水分をよくきっておく。鍋に入れて強めの塩水を魚体が被るくらいに満たし、火をつけて強めに火を通す。魚の中のうま味を適度に液体に放出する。豆腐は必須。身に煮汁をつけながら食べる。薬味はコーレーグス(島唐辛子の泡盛漬け)などが合う。
 ナミマツカサの丸焼き
ナミマツカサの丸焼き 持ち帰ったナミマツカサは軽く表面の汚れを取り去り、水分をよく切り、そのままじっくりと焼き上げる。焦げた鱗の着いた皮をはずすと中から美しい白身が出てくる。しっとりと甘味のある身でしょうゆをつけて食べる。  ナミマツカサのみそ汁
ナミマツカサのみそ汁 水洗いし、適宜に切る。湯通しして残った鱗やぬめりを流す。水から煮出してみそを溶く。とても濃厚なだしが出て、しかも後口がいい。豆腐やねぎ、白菜などお好みの野菜を加えるとまた別種のおいしさがある。ご飯に合う。  ナミマツカサの刺身
ナミマツカサの刺身 刺身にするなら鱗はそのままに背鰭際などから包丁を差し込み三枚に下ろしてもいい。皮を引き、血合い骨を抜く。これを刺身状に切る。キンメダイに似た身色だが、味はイサキなどに近い。美味である。  ナミマツカサの皮の素揚げ
ナミマツカサの皮の素揚げ 鱗を取らないで三枚に下ろしたら、そのまま皮を引く。この皮の水分をよくきり、素揚げにする。やや低温から揚げはじめて、高温で仕上げるとカリッと香ばしく揚がる。 |
好んで食べる地域・名物料理 |
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加工品・名産品 |
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釣り情報 |
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歴史・ことわざ・雑学など |
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参考文献・協力 |
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会) |
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