
非常に大型になり、殻経20cm、2kg前後にもなる。貝殻は厚く、硬い。殻口は広く、蓋は陶器状で厚みがある。
ヤコウガイの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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魚貝の物知り度 |
食べ物としての重要度 |
味の評価度 |
★★★★ 知っていたら達人級 |
★★ 地域的、嗜好品的なもの |
★★★ 美味 |
分類 |
軟体動物門腹足綱前鰓亜綱古腹足目サザエ科リュウテン亜科リュウテン属ヤコウガイ亜属
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外国名 |
Green turban
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学名 |
Turbo marmoratus
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漢字・学名由来 |
漢字 夜光貝、屋久貝
由来・語源 『六百介品』より。漢字は「夜光」だが、暗闇で蛍光することはなく、屋久島でとれる貝で「屋久貝(やくがい)」が転訛したともされる。また屋久島からの献上品であったので「屋久貝(やくがい)」と呼ばれていたのが「夜光貝」になった。
「やこうのかい」。「夜久貝(やくがい)」「屋久(夜久)の貝」の転訛。
「大隅國ノ屋久島にに産ズル錦貝」。『大言海』(大槻文彦 冨山房)
屋久島から献上されたのでヤクガイという。 |
地方名・市場名 [?] |
ヤクゲー 場所沖縄県 ヤクガイ ヤクノマダラガイ 備考別名。 参考『大言海』(大槻文彦 冨山房) ホンサザエ ヤク ヤクグ ヤクゲ ヤクゲー ヤクンガイ ヤッコゲ ヤフンガイ 参考文献より。 |
生息域 |
海水生。鹿児島県種子島以南の熱帯。インド・西太平洋域。 |
生態 |
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基本情報 |
鹿児島県、沖縄県が産地で、よく食べる。食用貝として、また装飾(螺鈿細工や貝ボタン)などの材料として熱帯域では重要である。
ヤコウガイを使った螺鈿細工が東大寺正倉院に残るなど、国内の工芸に欠かすことが出来ない。 |
水産基本情報 |
市場での評価 熱帯、亜熱帯などで流通するもの。関東にも少ないながら入荷を見る。値段は関東では高値となる。
漁法 採取
主な産地 沖縄県、鹿児島県  市場でのヤコウガイ
市場では、ごろんとして置かれている感じがする。1個で1キロ以上もある。 |
選び方 |
原則的に生きているもの。 |
味わい |
旬は不明。
貝殻は非常に厚みがあり、硬く堅牢。ハンマーなどでも割るのは大変。ふたさえ取り、少し奥の貝殻と筋肉のついている部分を切り離すと簡単に出る。
足の部分はやや硬く、熱と通すと非常に硬く締まる。ワタは甘味がありうまい。 |
栄養 |
ー |
寄生虫 |
ー |
食べ方・料理法・作り方 |
生食(刺身)、ゆでる・熱を通す(ガリシア風)、ソテー(バター焼き)  ヤコウガイの刺身
刺身 本種の基本的な食べ方は生食である。足の部分は薄く切り、ワタはゆでて添える。足はサザエほど磯の香りが強くないのが残念に思えるが、うま味豊かで食感もよく美味。ワタは甘くうま味豊か。  ヤコウガイのバター焼き
バター焼き ヤコウガイの切り身、ワタを熱したバターをからめるようにソテーした。味つけは塩コショウのみ。この単純な料理法がヤコウガイが持つうま味や甘味を引き出す。  ヤコウガイのガリシア風
ヤコウガイのガリシア風 ヤコウガイを薄切りする。ワタはゆでる。これを合わせて器に入れて電子レンジで1分加熱。上からニンニクを混ぜたオリーブオイルをかけてカイエンヌペッパーをふり出来上がり。 |
好んで食べる地域・名物料理 |
沖縄。 |
加工品・名産品 |
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釣り情報 |
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歴史・ことわざ・雑学など |
ー 螺鈿・装飾 古代から螺鈿、貝細工などに使われた。正倉院御物にもヤコウガイを使った螺鈿・工芸品がある。 |
参考文献・協力 |
協力/沖縄県水産海洋研究センター石垣支所の久保弘文さん
『日本及び周辺地域産軟体動物総目録』(肥後俊一、後藤芳央 エル貝類出版局)、『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『大言海』(大槻文彦 冨山房)、『水産無脊椎動物Ⅱ 有用・有害種各論』(奥谷喬 恒星社厚生閣) |
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