ヒメコダイ

Scientific Name / Chelidoperca hirundinacea (Valenciennes,1831)

ヒメコダイの形態写真

20cm SL 前後になる。紡錘形で全体に赤く細長い。体中央部分に薄い褐色の斑紋がある。尾鰭は湾入形し上部がヒモ状に伸びる。
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20cm SL 前後になる。紡錘形で全体に赤く細長い。体中央部分に薄い褐色の斑紋がある。尾鰭は湾入形し上部がヒモ状に伸びる。20cm SL 前後になる。紡錘形で全体に赤く細長い。体中央部分に薄い褐色の斑紋がある。尾鰭は湾入形し上部がヒモ状に伸びる。20cm SL 前後になる。紡錘形で全体に赤く細長い。体中央部分に薄い褐色の斑紋がある。尾鰭は湾入形し上部がヒモ状に伸びる。
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★
      少し努力すれば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ハナダイ科ヒメコダイ亜科ヒメコダイ属

    外国名

    学名

    Chelidoperca hirundinacea (Valenciennes,1831)

    漢字・学名由来

    漢字 姫小鯛 Himekodai
    由来・語源 東京での呼び名。辞書などを見ると「姫小」というのは“ちいさい”、“可愛らしい”の意味。鯛は赤いためだろう。
    〈ひめこだひ 東京市場〉。『帝国博物館天産部魚類標本目録.帝国博物館』(石川千代松・松浦歓一郎 1897/明治30年)
    Valenciennes
    アシル・バランシエンヌ(Achille Valencienne 1794-1865)はフランスの動物学者。ジョルジュ・キュビエとともに『魚類の自然誌』を刊行。国内で水揚げされる多くの魚を記載。

    地方名・市場名

    生息域

    海水魚。水深主に90〜130。
    若狭湾〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、千葉県鴨川沖・館山・内房南部、相模湾〜九州南岸の太平洋沿岸、瀬戸内海、東シナ海大陸棚縁辺〜斜面。
    朝鮮半島南岸、済州島、台湾南部、トンキン湾、南沙諸島、南シナ海南部。

    生態

    基本情報

    相模湾・若狭湾以南の沿岸域の砂地などにいる非常に美しい小魚である。底曳き網などでときにまとまってとれる。
    非常に味のいい魚であるが小型魚なので、さほど値が高くはない。ただ近年天ぷら種などに使われるようになりやや値を上げてきている。
    珍魚度 比較的流通の場で見かける機会の多い魚である。ただし流通量は少なく、プロ向きの魚である。

    水産基本情報

    市場での評価 入荷量は少なく、安定しない。やや高値となることも。
    漁法 底曳き網
    産地 長崎県、愛知県、静岡県など

    選び方

    身体は赤く、鰭は黄色味の強いもの。触って張りのあるもの。

    味わい

    旬は夏から冬で、年間を通してあまり味が落ちない。
    鱗は硬く、皮はしっかりしている。骨はあまり硬くない。小骨がない。
    透明感のある白身で時間が経つと乳白色に濁る。皮に独特の風味があり、熱を通すとほどよくしまる。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    ヒメコダイの料理・レシピ・食べ方/揚げる(天ぷら、唐揚げ)、刺身(刺身、皮霜造り、焼霜造り)、煮る(煮つけ)、焼く(干物)

    ヒメコダイのフライ 水洗いして開き、腹骨と血合い骨を取る。臀鰭を取り去り、水分をていねいにとる。塩胡椒して小麦粉をまぶして溶き卵をくぐらせてパン粉をつけて高温で短時間で揚げる。パン粉をまとって揚げた身はふんわりふくらみ甘味がある。皮目に独特の風味があるのも魅力的だ。ついつい食べすぎてしまう味で、多めに揚げておくことが肝心。

    ヒメコダイの天ぷら 近年は天だねとして人気が高い。好んで使う職人もいて豊洲市場などの天ダネ専門店でも定番となっている。水洗いして開いて背鰭・腹骨・血合い骨を抜く。水分をよく切り、小麦粉をまぶして、衣をつけて高温で揚げる。皮目に甘みがあり、香りがいい。非常に美味である。
    ヒメコダイの唐揚げ 水洗いして背開きにして、水分をよくきる。片栗粉をまぶしてじっくりと二度揚げする。骨があまり硬くないので二度揚げすることで、中骨までさくっと食べることができる。揚げても身に甘みがありとてもおいしい。
    ヒメコダイの湯がけ(皮霜造り) 生食としてもっとも基本的な食べ方だと考えている。水洗いして三枚に下ろして、腹骨・血合い骨を取る。水分をよく拭き取る。まな板などに並べて上から湯をかけて、氷水に落とす。ただちに引き上げてペーパータオルにくるんでていねいに水をきる。皮目の甘味を楽しめ、身にも完全な生よりもうま味がます。
    ヒメコダイの刺身 旬の春から初夏には身に張りがあり、ほどよい食感がある。皮目を生かさなくても十分うまい。三枚に下ろして皮を引いて刺身にする。身に甘みがあり、食感が心地よい。実に味わい深い。
    ヒメコダイの焼霜造り 甘味と独特の風味がある皮目の風味を生かして造る。ただ問題となるのは皮の厚みと硬さだ。湯をかけるよりも表面をあぶって切りつける方がいい。皮目に香りと甘味があってとてもうまい。
    ヒメコダイの塩焼き 水洗いして水分をよく拭き取り、振り塩をして1時間以上寝かせる。この状態で数日保存できる。また冷凍するなら塩が馴染んだ状態で密閉して冷凍庫へ。これをじっくり焼き上げる。皮目の風味のよさは無類だ。身にも甘味があり非常に味わい深い。
    ヒメコダイの干もの 小振りのものは数がまとまれば水洗いして開いて、塩水につけて干すといい。立て塩が面倒なら振り塩にしてもいいだろう。半日干して、焼いて食べると皮の甘味と風味、身の甘さがあった非常においしい。丸干しにしてもうまい。
    ヒメコダイの煮つけ 白身でほどよく繊維質で口に中でのほぐれ感が心地よい。皮目にうま味があり、しょうゆ味との相性もいい。水洗いしてずぼ抜きして内臓を取る。これを湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。これを酒・しょうゆで煮た。砂糖やみりんで甘味をつけてもいい。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    相模湾ではオキアミエサ、コマセ釣りのマダイに混ざる。

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/田中水産(鹿児島県鹿児島市)、マルコウ水産(東京都八王子市) 和田英敏さん(神奈川県立生命の星・地球博物館)
    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)

    地方名・市場名

    アカハゼ
    場所山口県宇部市、高知県御畳瀬、長崎 参考青山時彦さん(宇部市青山鮮魚)、文献 
    ヒメコダイ
    場所東京 参考文献 
    セモン
    場所福岡県志賀島 参考文献 
    イワシガンジ イワシガンジイ
    場所静岡県静浦 参考文献 
    エレレンス
    場所高知県高知・須崎 参考文献 
    エレベエス
    場所高知県高知市 参考文献 
    アカボラ
    場所神奈川県相模湾 
    アカラサ
    場所静岡県沼津市 
    アカアジ[赤鰺]
    場所三重県尾鷲市 
    ナダイトヨリ
    場所長崎 参考文献 
  • 主食材として「ヒメコダイ」を使用したレシピ一覧

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