20cm SL 前後になる。紡錘形で全体に赤い。尾鰭は湾入形し上部がヒモ状に伸びる。
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魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ハタ科ヒメコダイ亜科ヒメコダイ属外国名
Sea-perch学名
Chelidoperca hirundinacea (Valenciennes,1831)漢字・学名由来
漢字 姫小鯛
由来・語源 東京での呼び名。辞書などを見ると「姫小」というのは“ちいさい”、“可愛らしい”の意味。鯛は赤いためだろう。地方名・市場名
生息域
海水魚。水深主に90〜130。
若狭湾〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、相模湾〜九州南岸の太平洋沿岸、瀬戸内海。東シナ海大陸棚縁辺〜斜面、朝鮮半島南岸、済州島、台湾南部、トンキン湾、南沙諸島、南シナ海南部。生態
産卵期は夏ではないか。基本情報
相模湾・若狭湾以南の沿岸域の砂地などにいる小魚。
底曳き網などでときにまとまってとれる。
非常に味がいいのに小魚なので値段は安く、料理がめんどうなのでどちらかというと料理店が扱う魚となっている。産地以外では一般的に流通することはほとんどない。
意外に料理法を選ばない魚だが、産地周辺などでは煮つけに、最近関東では主に天ぷらなどのタネとして人気上昇中である。水産基本情報
市場での評価 入荷量は少なく、安定しない。やや高値となることも。
漁法 底曳き網
産地 長崎県、愛知県、静岡県など選び方
身体は赤く、鰭は黄色味の強いもの。触って張りのあるもの。味わい
旬は春〜夏
鱗は硬く、皮はしっかりしている。骨はあまり硬くない。小骨がない。
透明感のある白身で時間が経つと乳白色に濁る。
皮に独特の風味があり、熱を通すとほどよくしまる。栄養
ー寄生虫
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
ヒメコダイの料理法・調理法・食べ方/揚げる(天ぷら、唐揚げ)、刺身(刺身、皮霜造り、焼霜造り)、煮る(煮つけ)、焼く(干物)クリックで閉じます
ヒメコダイの天ぷら 近年は天だねとして人気が高い。好んで使う職人もいて豊洲市場などの天ダネ専門店でも定番となっている。水洗いして開いて背鰭・腹骨・血合い骨を抜く。水分をよく切り、小麦粉をまぶして、衣をつけて高温で揚げる。皮目に甘みがあり、香りがいい。非常に美味である。水洗いして開き、水分をよく切り、衣をつけて揚げる。
ヒメコダイの唐揚げ 水洗いして背開きにして、水分をよくきる。片栗粉をまぶしてじっくりと二度揚げする。骨があまり硬くないので二度揚げすることで、中骨までさくっと食べることができる。揚げても身に甘みがありとてもおいしい。クリックで閉じますヒメコダイの湯がけ(皮霜造り) 生食としてもっとも基本的な食べ方だと考えている。水洗いして三枚に下ろして、腹骨・血合い骨を取る。水分をよく拭き取る。まな板などに並べて上から湯をかけて、氷水に落とす。ただちに引き上げてペーパータオルにくるんでていねいに水をきる。皮目の甘味を楽しめ、身にも完全な生よりもうま味がます。クリックで閉じますヒメコダイの刺身 旬の春から初夏には身に張りがあり、ほどよい食感がある。皮目を生かさなくても十分うまい。三枚に下ろして皮を引いて刺身にする。身に甘みがあり、食感が心地よい。実に味わい深い。クリックで閉じますヒメコダイの焼霜造り 甘味と独特の風味がある皮目の風味を生かして造る。ただ問題となるのは皮の厚みと硬さだ。湯をかけるよりも表面をあぶって切りつける方がいい。皮目に香りと甘味があってとてもうまい。クリックで閉じますヒメコダイの煮つけ 白身でほどよく繊維質で口に中でのほぐれ感が心地よい。皮目にうま味があり、しょうゆ味との相性もいい。水洗いしてずぼ抜きして内臓を取る。これを湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。これを酒・しょうゆで煮た。砂糖やみりんで甘味をつけてもいい。クリックで閉じますヒメコダイの干もの 数がまとまれば水洗いして開いて、塩水につけて干すといい。立て塩が面倒なら振り塩にしてもいいだろう。半日干して、焼いて食べると皮の甘味と風味、身の甘さがあった非常においしい。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
相模湾ではオキアミエサ、コマセ釣りのマダイに混ざる。歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/田中水産(鹿児島県鹿児島市)、マルコウ水産(東京都八王子市)
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)