25cm SL 前後になる。体高があり、赤字に黄土色の斑紋がある。胸鰭はよく分枝する。
イズハナダイの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★
美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ハナダイ科ハナダイ亜科イズハナダイ属外国名
学名
Plectranthias kamii Randall,1980漢字・学名由来
漢字 伊豆花鯛 Izuhanadai
由来・語源 伊豆大島の個体をもとに和名を提唱したため。
片山正夫(1957) は伊豆大島から得られた1標本を Plectranthias anthioides に同定し、後に和名イズハナダイが提唱された。その後、ジョン・アーネスト・ランドール(1980)は琉球列島産の標本をホロタイプとして Plectranthias kamii を新種として記載 し、片山正夫の標本について疑問符を付して P. kamii と同定した。和名に関しては片山正夫の提唱したものを採用。
『ハタ科イズハナダイ属魚類 Plectranthias sheni の日本からの記録と適用すべき標準和名の検討』 (藤原恭司 、田代郷国 、高山真由美 、瀬能 宏、本村浩之)より要約。
Randall
John Ernest Randall (ジョン・アーネスト・ランドール 1924-2020年)はアメリカの魚類学者。
Katayama
片山正夫(1912~1989年 山口大学教授、山口県生まれ)。広島高等師範学校から農水省水産講習所(後の東京水産大学)。師範学校教師を経て、山口大学へ。特にスズキ科(当時はハタなども含んでいた)を研究。ヒラスズキ、アオダイを記載、和名をつけた。アカハタモドキ、ヤマブキハタなど、多くの和名をつけたものと思われる。地方名・市場名 ?
生息域
海水魚。水深100〜300mの岩礁域。
相模湾、石廊崎沖、和歌山県沖、室戸沖、屋久島沖、沖縄島、与那国島。
台湾南部。生態
ー基本情報
どちらかというと珍魚のひとつ。
産地もまばらなら、とれる量も少なく、ほとんど流通していない。水産基本情報
市場での評価 入荷は希。値段はやや安め。
漁法 釣り
産地 鹿児島県選び方
色が鮮やかなもので触って張りのあるもの。味わい
旬は不明。
鱗は薄くて大きくて獲りやすい。皮は厚くしっかりしている。
中骨は細いが硬い、頭部は硬い。
白身で血合いが弱い。ほどよく繊維質で身離れがいい。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
イズハナダイの料理法・レシピ・食べ方/生食(皮霜造り、刺身)、煮つけ(煮つけ)、汁(みそ汁、潮汁)、焼く(塩焼き)、ソテー(ポワレ、バター焼き)、揚げる(唐揚げ)クリックで閉じます
イズハナダイの皮霜造 料理店などでは皮霜造だが、日本各地で「湯がけ」などさまざまな呼び名があるので、地元の呼び名で読んで戴きたい。水洗いして三枚に下ろす。血合い骨・腹骨を取り、水分をよくきっておく。皮目を上に、ぬれ布巾をかけて湯をかける。布巾は必ずしも必要ではないが、皮が不必要に反り返るのをふせぐ。これを氷水に落とし粗熱をとって水分をよくきる。刺身状に切って食べるのだけど、酢みそ、一味唐辛子に醤油なども合う。
イズハナダイのあら煮(煮つけ) あらなどを集めて置く。小さいものは丸のままでもいい。湯通しして氷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、酒・砂糖・醤油(控えめに)・水が沸騰した中に入れる。砂糖などは好みで。みりんを使ってもいい。身離れがよく皮においしさがある。クリックで閉じますイズハナダイのみそ汁 沖縄ではこの鮮魚のみそ汁が郷土料理となっている。材料が少なくてすみ、その上、豪華な味わいになる。あらなどを集めて置く。小型なら水洗いしてぶつ切りに。湯通しして冷水に落として残った鱗とぬめりを流す。水分をよくきり水から煮出してみそを溶く。実に味わい深く、あらなどに付着している皮や身もうまい。クリックで閉じますイズハナダイの塩焼き 水洗いして二枚に下ろす。骨つきの方に振り塩をする。1時間以上寝かせてじっくり焼き上げる。水なしで熱を通すと少し硬く締まるが、皮目に独特の風味があり、見に甘みがある。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/田中水産 鹿児島県鹿児島市
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)