体長63cm前後になり、水揚げ地などでは非常に大型を見かける機会が多い。側扁(左右に平たい)し、体高が高く卵形。口が厚い。銀色の体色にやや濃い帯があり、全体に黒い斑文が散らばっている。この斑紋やドット状の模様は大きくなると目立たなくなる。[新潟県佐渡産 24cm SL・427g]
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![体長63cm前後になり、水揚げ地などでは非常に大型を見かける機会が多い。側扁(左右に平たい)し、体高が高く卵形。口が厚い。銀色の体色にやや濃い帯があり、全体に黒い斑文が散らばっている。この斑紋やドット状の模様は大きくなると目立たなくなる。[新潟県佐渡産 24cm SL・427g]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/379/Thumb630/20241206703.jpg)
![体長63cm前後になり、水揚げ地などでは非常に大型を見かける機会が多い。側扁(左右に平たい)し、体高が高く卵形。口が厚い。銀色の体色にやや濃い帯があり、全体に黒い斑文が散らばっている。この斑紋やドット状の模様は大きくなると目立たなくなる。[静岡県舞阪産 41cm TL ・1.79kg]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/379/Thumb630/20230526911.jpg)

![体長63cm前後になり、水揚げ地などでは非常に大型を見かける機会が多い。側扁(左右に平たい)し、体高が高く卵形。口が厚い。銀色の体色にやや濃い帯があり、全体に黒い斑文が散らばっている。この斑紋やドット状の模様は大きくなると目立たなくなる。[SL17cm]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/379/Thumb630/koshoudai0.jpg)
![体長63cm前後になり、水揚げ地などでは非常に大型を見かける機会が多い。側扁(左右に平たい)し、体高が高く卵形。口が厚い。銀色の体色にやや濃い帯があり、全体に黒い斑文が散らばっている。この斑紋やドット状の模様は大きくなると目立たなくなる。[63cm SL ・5.4kg]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/379/Thumb630/20240608035.jpg)
![体長63cm前後になり、水揚げ地などでは非常に大型を見かける機会が多い。側扁(左右に平たい)し、体高が高く卵形。口が厚い。銀色の体色にやや濃い帯があり、全体に黒い斑文が散らばっている。この斑紋やドット状の模様は大きくなると目立たなくなる。[36cm TL ・0.946kg]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/379/Thumb630/20221015698.jpg)


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珍魚度・珍しさ
★★
少し努力すれば手に入る魚貝の物知り度
★★★
知っていたら通人級食べ物としての重要度
★★★
一般的(流通量は普通)味の評価度
★★★
美味
分類
顎口上綱硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目イサキ科コショウダイ属外国名
学名
Plectorhinchus cinctus (Temminck & Schlegel, 1843)漢字・学名由来
漢字 胡椒鯛、小正だい、鰭白魚、古世宇(京俗) Standard Japanese name / Koshoudai
由来・語源
江戸(東京)に江戸時代からある呼び名を標準和名にしたもの。2000年前後までの水揚げから考えても江戸時代に江戸湾(東京湾)に大型はほとんど生息していなかったと考えられる。むしろ斑点や斜めに背から腹に横切る帯が目立つ若魚、幼魚が多かっただろう。この若い個体に対してつけた呼び名だと思う。
黒く丸い斑紋からの「胡椒鯛」ではなく、小さい割りに目立つ柄をした「小姓鯛」だった可能性も捨てられない。
1938年の魚類検索では、旧仮名遣いではコセウダヒ属コセウダヒだった。
こしょうだひ 〈こしょうだひ 武蔵品川〉『帝国博物館天産部魚類標本目録.帝国博物館』(石川千代松・松浦歓一郎 1897/明治30年)
胡椒ダイ 栗本丹州『魚譜』。
小正だい 『魚鑑』(武井周作天保辛卯 1831)に「小正だい」。
胡椒鯛 田中茂穂、宇井縫蔵は〈神奈川県三崎、和歌山県和歌浦・湯浅・白崎でコショオダイ〉とある。地域を違えて言語があるということは、「こしょう(こしょお)」という言葉に国内共通の語彙があるはず。「胡椒」なのか「小姓」なのかは不明だが、田中茂穂は「胡椒」をあてている。
鰭白魚 〈身が扁く短首。繊せびれで鱗には白黒の文様がある〉。『和漢三才図会』Temminck
コンラート・ヤコブ・テミンク Coenraad Jacob Temminck(1778-1858 オランダ) シュレーゲルとともにシーボルトの持ち帰った脊椎動物を整理、記載。『Fauna Japonica』(日本動物誌)を執筆。
Schlegel
ヘルマン・シュレーゲル(Hermann Schlegel 1804-1884年)はドイツの動物学者。テミングとともにシーボルトの持ち帰った脊椎動物を整理、記載。『Fauna Japonica』(日本動物誌)を執筆。
栗本丹州
栗本丹洲(くりもと たんしゅう栗本 丹洲(くりもと たんしゅう 宝暦6年/1756年〜天保5年/1834年)。江戸神田紺屋町生まれ。奥医師、本草学者。『魚譜』、『千虫譜』、『異魚図賛』など多くの図譜を残す。地方名・市場名
生息域
海水魚。磯や沿岸近くに棲息している。
千葉県外房、東京湾、相模湾〜九州南岸の太平洋沿岸。
[青森県日本海側・津軽海峡]、新潟県、[富山県黒部港]〜九州南岸の日本海・東シナ海、瀬戸内海、屋久島。
福島県〜青森県でも少ないながら見られる。
朝鮮半島西岸・南岸、台湾、福建省・広東省、海南島、東沙諸島、タイランド湾、マナール湾、オマーン湾。生態
産卵期は5月から6月。基本情報
古くは本州中部以南に生息とあった。伊豆半島以西に多く、相模湾以東には少なかったが、近年では本州以南に生息する可能性が高い。また日本海でも増えている模様だ。相模湾には2010年以前は小型ばかりだったが、近年明らかに大型が増えている。
関東の市場ではあまり人気がないが、大型になり、歩留まりがいい上に上質の白身なのでもっと活用されてもいいと思う。
問題は寄生虫がついていることが多いことから毀誉褒貶半ばする魚である。 これさえなければ評価は4星。
珍魚度 珍魚度はゼロに近い。山陰・東京湾以南ではスーパーで売っていることがある。2000年以前はそれほどとれなかった魚だが、温暖化で水揚げ地が北上し、漁獲量が増えた。水産基本情報
市場での評価 西日本などから入荷してくるもので、量は少なめ。上質な白身であるわりにあまり高値で取引されていないのは、旬でもあまり脂がのらないためと、寄生虫を持っている個体が多いためだと思われる。
漁法 釣り、定置網
主な産地 日本各地選び方
鮮度が落ちるのが遅い。太っていて、触って張りのあるもの。斑文がくっきりしているもの。鰓が鮮紅色のもの。小さくてもおいしい魚で、むしろ大きくなりすぎるとおいしくない。味わい
旬は秋から初春。産卵後をのぞくと年間を通して味が落ちない。比較的小さく方が味がいい。特に産卵後の盛夏でも小型を選ぶべきだ。
鱗は細かく硬い。皮は厚くて強い。骨はあまり硬くない。
上質の白身で血合いがきれい。皮目などに微かに磯臭さが感じられる。熱を通すとやや硬く締まる。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
コショウダイの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身、セビチェ、カルパッチョ、づけ)、ソテー(ムニエル)、汁(みそ汁)、煮る(煮つけ)、焼く(塩焼き)クリックで閉じます
コショウダイの刺身 10月の成魚を水洗いし、三枚に下ろして、皮を引いて刺身にする。血合いを脂が覆い霜が降りたよう。脂は身にも混在して白濁させている。食感がありやや硬く感じるほどだが、脂の口溶け感があり。魚らしいうま味がほどよく感じられる。非常においしい。
コショウダイの若魚の刺身 本種などイサキ科の特徴は幼魚期から刺身にして味がいいことだ。水洗いして三枚に下ろして腹骨・血合い骨を取る。皮を引き刺身にする。鮮度がいいものは薄く切らないと硬く感じるほどだ。6月、小さいのに脂があり、噛むほどに味が出て非常に味わい深い。[全長24cm・重さ288g]クリックで閉じますコショウダイの若魚の焼霜造り 6月の若魚を使った。水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、水分をよく拭き取る。皮目をあぶって冷水に落として粗熱を取る。皮目が落ち着いていたら、刺身状に切る。皮周辺に独特の好ましい風味があり、身にはほどよい脂の甘さがある。[全長24cm・重さ288g]クリックで閉じますコショウダイの蒸魚(清蒸) 水洗いして二枚に下ろす。頭部でも切り身でもいいが、ここでは頭部(兜)を使った。皿に盛りてしょうが、ねぎを乗せて15分ほど蒸す。蒸し上がりにタレ(醤油・紹興酒・砂糖・魚醬を合わせて一煮立ちしたもの。もしくは甘い中華醤油)をかけ、ねぎ、香菜などをかざり、熱く熱した油をかける。クリックで閉じますコショウダイの塩焼き 小型はまるのまま、大型は切り身で焼き上げる。ここではかま(胸鰭まわり)を使った。振り塩をして1時間以上寝かせる。これをじっくりと焼く。イサキ科ならではの身のしまり方、皮目の香りなど絶品だ。クリックで閉じますコショウダイのあら煮 兜や中骨を煮た。兜は梨子割りにする。中骨は適当に切る。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。これを酒・醤油・水を煮立てた中で火を通す。みりん、砂糖で甘味をつけてもいい。身離れがよく、骨周りに味がある。残った作る骨湯(医者いらず)を作ってもいい。クリックで閉じますコショウダイのフライ あまり新しいものよりも、寝かせたものの方がおいしい。三枚に下ろし血合い骨・腹骨を取る。塩胡椒して小麦粉をまぶし、衣(小麦粉・卵・水・油。溶き卵でもいい)をからめパン粉をつけてかりっと揚げる。脂のある時季のものは柔らかく豊潤。その上、上品な味わいで美味。クリックで閉じますコショウダイのバター焼き 小型は丸のまま、大型は切り身を使う。水洗いして表面の水分をていねいに取る。塩コショウして1時間ほど寝かせる。フライパンに多めの油をいれてじっくり香ばしくソテーする。火が通ったら、マーガリン(バター)で風味づけする。身離れがよく、皮目に独特の好ましい風味がある。とてもご飯に合う。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
コタイ 大分県中津市では市内スーパーでも普通に切り身などで見られ、魚市場関係者も市内ではコショウダイを非常に好むという認識を持っている。料理法などは不明。
コタイの煮つけ 『聞書き 福岡の食事』に麦の穂が色づく頃にとれる、「まだいとくろだいの中間の鯛」はコショウダイである可能性が高い。豊前浜ではなぜかコショウダイを好む。加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/魚清(愛知県一色仲買店舗)、岩田昭人さん(三重県尾鷲市)、中田親さん(愛媛県南宇和郡愛南町城辺深浦)、出口典彦さん(熊本県上天草市大矢野町)
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)、『台湾 淡水及河口魚圖鑑』(高瑞鄕、周銘泰 辰星出版2011)、『魚介類に寄生する生物』(長澤和也 成山堂書店)