オシャレコショウダイ

Scientific Name / Plectorhinchus flavomaculatus (Cuvier, 1830)

オシャレコショウダイの形態写真

SL 50cm前後になる。背鰭棘は12-13。頭部のオレンジ色の波線が無数に縦に走る。背部から腹部にかけて斜めに並ぶオレンジ色の斑紋がある。[45cm SL]
オシャレコショウダイの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
SL 50cm前後になる。背鰭棘は12-13。頭部のオレンジ色の波線が無数に縦に走る。背部から腹部にかけて斜めに並ぶオレンジ色の斑紋がある。[45cm SL]頭部のオレンジ色の波線が無数に縦に走る。SL 50cm前後になる。背鰭棘は12-13。頭部のオレンジ色の波線が無数に縦に走る。背部から腹部にかけて斜めに並ぶオレンジ色の斑紋がある。[35cm SL・重1.065kg]
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★
      がんばって探せば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★★
      究極の美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目イサキ科コショウダイ属

    外国名

    学名

    Plectorhinchus flavomaculatus (Cuvier, 1830)

    漢字・学名由来

    漢字 お洒落胡椒鯛、お洒落小姓鯛 Osharekoshoudai
    由来・語源 色合いが鮮やかなためか。『原色 沖縄の魚』(具志堅宗弘 タイガー印刷 1972)が初出かも知れない。『魚類大図鑑 南日本の沿岸魚』(益田一、荒賀忠一、吉野哲夫 東海大学出版会 1975)にもオシャレコショウダイ。具志堅宗弘、篠原士郎、吉野哲夫などが提唱したのではないかと思う。なぜ「おしゃれ」なのかは不明。
    Cuvier
    バロン・ジョルジュ・レオポルド・クレティアン・フレデリック・ダゴベール・キュヴィエ(Baron Georges Léopold Chrétien Frédéric Dagobert Cuvier 1769-1832)。フランスの分類学者。キュビエとされることが多い。スエーデンのリンネ、フランスのビュフォンの分類体系に解剖学や古生物学などを加味して現在の形の礎を作った巨人のひとり。

    地方名・市場名

    ジューグワークレー
    場所沖縄県 参考『原色 沖縄の魚』(具志堅宗弘 タイガー印刷 1972) 

    生息域

    海水魚。浅い岩礁域。
    [千葉県内房岩井袋]、八丈島、小笠原諸島、[三重県南勢町・熊野市]、紀伊半島、徳島県日和佐、宮崎県日南市目井津、鹿児島県笠沙、屋久島、琉球列島、南大東島。
    台湾、南沙諸島、インド・太平洋域、紅海。

    生態

    基本情報

    イサキ科の体高のあるタイプ。琉球列島が主な産地だが、少ないながら小笠原諸島や紀伊半島、九州南部などで水揚げされている。コショウダイ属は国内水揚げが増えてきているが、本種は今でもあまりとれない。
    大型になり、身質はコショウダイ属のなかでもトップクラスだ。味のよさがじょじょにではあるが知られ始めており、今現在明らかに高級魚とみなされている。
    珍魚度 明らかに珍魚ではある。ただ九州南部以南で探せば多少時間がかかるとは思うものの手に入る。

    水産基本情報

    市場での評価/関東には希に入荷する。値上がりが始まっている。先進的な産地である鹿児島県などでは明らかに高い。
    漁法/定置網
    産地/鹿児島県、沖縄県、三重県

    選び方

    味わい

    旬は琉球列島などと本州紀伊半島などでは違うのではないかと感じている。紀伊半島では晩秋〜冬。
    鱗は細かくとても硬い。皮は厚みがあって強い。骨はやや硬め。
    血合いの赤い白身で脂は皮下と筋肉に混ざる込む。熱を通しても硬く締まらない。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    オシャレコショウダイの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身、焼霜造、セビチェ、ポキ)、焼く(塩焼き)、煮る(煮つけ)、汁(みそ汁、潮汁、スープ)、蒸す(清蒸)、揚げる(唐揚げ)

    オシャレコショウダイの刺身(背) 皮が硬いので素直に皮を引き、刺身にするべきかも。皮を引くと血合いが美しく、脂は筋肉層の間に溜まる。背の部分の食感はやや強めで、脂がとろけるときに、甘味を感じる。魚らしいうま味も豊かで実に味わい深い。時間が経つと軟らかくなるものの、血合いがにぶくなる。

    オシャレコショウダイ刺身(小型腹身) 12月の個体は小さくても脂がたっぷりのっていた。特に腹の部分は食感も豊かだし、脂の口溶け感もある。
    オシャレコショウダイの焼霜造り 皮は厚みがあり硬い。水洗いをして三枚に下ろす。中途半端にあぶると硬いので強めに炙る。氷水に落として粗熱を取り切りつける。寒い時期は身の部分も脂が豊かでうまいが、それ以上に皮が味わい深い。
    オシャレコショウダイのマリネ(ポケ、セビチェ) 刺身にしたときの尾に近い部分や、切れっ端などを余すところなく使うには、しょうゆもしくは塩に、酢、柑橘類などでマリネして食べるといい。ここでは細かく切り、ねぎ、トマト、好みの野菜などとしょうゆ、ごま油で和えたものを作る。

    オシャレコショウダイの塩焼き 見た目は大いに違うが、イサキ同様に焼くと皮目に独特の風味がある。切り身にして振り塩、少し寝かせてからじっくりと焼き上げる。焼いているそばからいい匂いがして、適度にしまった身にうま味がある。

    オシャレコショウダイの兜煮(煮つけ) 大型だったので兜だけで煮上げてみた。小型なら適当に切り、煮てもいい。頭部は一度湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。これを酒・しょうゆ味で煮つけた。みりん、砂糖で甘味を漬けてもいい。煮るとやや硬く締まるが、上品ななかに味わいがある。食べた後にはぜひ「骨湯(医者殺し)」にして欲しい。

    オシャレコショウダイのみそ汁 中骨、かまの部分、胃袋、肝、腹腔膜、腸管などを集めて置く。湯通しして冷水に落としてぬめりや残った鱗を流す。水分をよくきり、水から煮出してみそを溶く。上品で位ながらうま味豊かな汁になる。後味がよくご飯に合う。

    オシャレコショウダイのスープ あらなどを集めて置き、湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。これを水、少量の紹興酒、コブミカンの葉、粒コショウ、唐辛子とじっくり煮る。仕上げに塩味をつけるとあっさりして癒やしを感じる味。

    オシャレコショウダイの清蒸 中華しょうゆ、少量の魚醬(ナンプラーなど)、紹興酒を合わせて煮立てタレを作る。切身を皿に盛り、上にねぎ、しょうがを乗せて蒸す。蒸し上がったら、タレに蒸したときの汁を合わせて煮立てる。切身にねぎや香菜などを乗せて、タレをかけて煙が出るほど熱した油をかける。蒸すと硬く締まらずふんわりと膨らみ甘味がある。

    オシャレコショウダイの唐揚げ 頭部やかま、尾に近い部分などを集めて置く。片栗粉をまぶしてじっくり二度揚げする。揚げ上がりに塩と香辛料(ヒバーツ、コショウなど)を振る。皮目が香ばしく、身は鶏肉のようにしまってとてもおいしい。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/郡山水産(福島県郡山市 http://www.ko-suisan.co.jp/)、海辺のかわべ屋(三重県度会郡南伊勢町 ■https://fril.jp/shop/kawabeya)
    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)
  • 主食材として「オシャレコショウダイ」を使用したレシピ一覧

関連コンテンツ