カジカ

Scientific Name / Cottus pollux Gunther

代表的な呼び名ゴリ

カジカの形態写真

体長20センチ前後になる。黒褐色で細長い紡錘形。ひれなどに棘がない。

    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★
      美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カジカ亜目カジカ科カジカ属

    外国名

    学名

    Cottus pollux Gunther

    漢字・学名由来

    漢字 鰍、杜父魚、河鹿
    由来・語源 東京での呼び名。
    古くは鳴くと思われていて、声が渓流に住む河鹿(カジカガエル)に似ているとされたため。
    〈かじ〉は瘡(かさ 皮膚がかさかさした皮膚病)のこと〈か〉は魚名語尾。
    「魚へんに秋」と書くのは季語歳時記が秋であるため。産卵から夏に荒食いし、脂がのった時期が秋であるため。
    「河鹿」は肉が鹿のように美味だから。

    地方名・市場名

    カブ
    場所岐阜県下呂市萩原 参考『萩原文庫6 萩原の風土と生きもの』(はぎわら文庫編集委員会 岐阜県益田郡萩原町 1984) 
    カブ
    場所岐阜県郡上市大和町 参考黒岩さん2021年12月29日81歳 
    カワフグ
    場所神奈川県相模川 参考『さかな異名抄』(内田恵太郎 朝日新聞社 1966) 
    ゴリ
    場所北陸金沢 備考ハゼ科のウキゴリなどとともに。 
    ビシ ゴリ
    場所福井県大野市川合 

    生息域

    淡水魚。河川陸封型で河川上流の石礫底。
    本州、四国、九州北西部。

    生態

    産卵期は3月〜6月。(大卵型)
    産卵後雄が卵を守る。
    小さな卵を産む「小卵型」と、中くらいの大きさの卵を産む「中卵型」、大きな卵を産む「大卵型」の3型がある。
    本種は大卵型で一生を淡水域で暮らす。
    雌の方がやや雄よりも大きい。

    基本情報

    主に淡水に生息する、小型のカサゴの仲間。
    きれいな河川に生息し、古くは山間部などでの重要なタンパク源であった、
    また焼いて干したものはだしなどにも利用されていた。
    比較的ローカルで地味な存在。

    水産基本情報

    市場での評価 ほとんど流通しない。希に焼いたものを見かけるくらい。
    漁法
    主な産地

    選び方

    原則的に生きているもの。

    味わい

    旬は秋から春
    淡泊でクセのない味わい。
    汁にするといいだしがでる。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    調理法
    焼き物、みそ汁、ごり酒(カジカ酒)、唐揚げ

    炭火などでじっくり焼いたものは、酒の肴としてなかなかよい。
    これを干すと、いいだしになる。
    また焼き枯らして、もう一度あぶって熱燗をそそいだものを「ごり酒」、「かじか酒」というが濃厚な旨み、風味があっていい。
    軽くあぶったものを白味噌仕立てにしたものもうまい。
    唐揚げも美味。
    骨酒
    ごり汁
    カジカの唐揚げ唐揚げ

    好んで食べる地域・名物料理

    石川県金沢市
    福井県福井市、九頭竜川中流域でアラレガコ。九頭竜川上流部にはカジカはほとんどいない。

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    鮴押し(ごりおし) 「ごり」がカジカなのか、ヨシノボリなのかは不明だが、ヨシノボリが群れをなして川を上るとき押し合いへし合いすることから来た言葉。先を争い上ることから強引にものごとを行うことにつながった。

    参考文献・協力

    『日本の淡水魚』(川那部浩哉、水野信彦 編・監修 山と渓谷社)、『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)
  • 主食材として「カジカ」を使用したレシピ一覧

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