28cm SL 前後になる。頭頭が大きく前鰓蓋骨のいちばん上の棘は強く長く上にはノコギリ状の棘が並ぶ。側線には瘤のような板状突起がある。頭の後部にも強い棘があり、花魁の刺すかんざしに似ているので「花魁鰍」とも呼ばれている。
オニカジカの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★
美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カジカ亜目カジカ科オニカジカ属外国名
学名
Enophrys diceraus (Pallas,1783)漢字・学名由来
漢字 鬼杜父魚 Onikajika
由来・語源/頭部背面に1対の棘があり、鬼のようだから。また見た目の厳つさからも鬼なのだと思う。
〈頬甲族カジカ科ツノカジカ屬 オニカジカ Ceratocottus namiyei JORDAN et STARKS〉。Ceratocottus diceraus(現シノニム) ツノカジカという種がある。ツノカジカ、オニカジカがともにツノカジカ属であった時代は長い。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)
〈コビキカジカ 木挽杜父魚 Ceratocottus namiyei Jordan and Starks(カジカ科) 北海道水産試驗場室蘭支場の勝木重太郎氏によると、北海道砂村でコビキカジカ……〉。『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)Pallas
Peter Simon Pallas (ペーター・ジーモン・パラス 1741年〜1811年)。ドイツの動物・植物学者で、サンクトペテルブルク科学アカデミーの教授になり主にロシアで研究する。主に冷水域の魚を記載した。ホッケ類、アイナメ類など国内海域にいる多くの魚類を記載。地方名・市場名
生息域
海水魚。水深5-380m(通常100m以浅)の砂礫地、岩礁底。
北海道全沿岸、青森県全沿岸、宮城県・福島県沿岸、新潟県、京都府、島根県隠岐。
朝鮮半島東岸江原道から沿海州をへて間宮海峡、千島列島、オホーツク海北部、カムチャツカ南東岸、チュクチ海〜ベーリング海西部、アリューシャン列島、アラスカ湾。生態
カジカ科の魚は環形動物、甲殻類や小魚などをとらえて食べている。基本情報
山陰・福島県以北のやや深場に生息している。主に青森県、北海道の底曳き網、刺網に混ざる。味のいい魚ではあるが頭部が大きく、左右に大きく張り出す棘などで漁業的には迷惑な存在となっている。
棘が強く扱いにくい魚だが、がんばって下ろして食べるだけの価値がある。
珍魚度 珍しい魚ではないが、流通することはほぼない。産地である北海道などで探すしかない。水産基本情報
市場での評価/龍通常見かけたことはない。
漁法/刺網、底曳き網
産地/北海道選び方
触って張りのあるもの。粘液が出ていないもの。味わい
旬は不明。
棘が強く要注意だ。鱗部分的で気にならない。骨はあまり硬くない。
白身で熱を通すと少し硬く締まる。
とてもおいしい魚だが歩留まりが悪く、頭部が体の大方をしめる。基本的に液体を使った料理煮合う。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
オニカジカの料理・レシピ・食べ方/煮る(鍋、煮つけ)、汁(みそ汁、三平汁)クリックで閉じます
オニカジカの鍋 非常にいいだしが出る。また体幹部分よりも頭部の棘っぽい部分が大きいので、三枚下ろしなどには向かない。水洗いして適当に切る。湯通ししてぬめりなどをていねいに流す。水分をよくきり、昆布だし・酒・塩で煮ながら食べる。比較的よく似た方が、うま味豊かなだしがでて、身が柔らかくなっておいしい。
オニカジカの煮つけ 骨の間の筋肉や皮をほじくり出して食べるのは、少々煩わしいががんばって食べて欲しい味だ。水洗いして適当に切る。湯通しして冷水に落として表面のぬめりなどを流す。水分をよくきり、酒・砂糖・醤油・水を沸騰させた中で煮る。醤油は最初は控えめにして徐々に味を調える。甘さなどはお好みで。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/小池俊弘さん(北海道)、「まるとみ 渡辺水産」(北海道紋別市産)、野圭太さん(丸の野水産 北海道羅臼町 ■https://www.tabechoku.com/producers/27483)
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 2013年02月26日)、