全長3m前後になる世界最大のタコ。胴(頭に見える部分)の表皮は透明感があり、たるむ。腕は全長の70-80%の長さで、8本が同じくらいの長さをしている。腕の先が非常に細くなる。
ミズダコの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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魚貝の物知り度
★★★
知っていたら通人級食べ物としての重要度
★★★
一般的(流通量は普通)味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
動物界軟体動物門頭足綱八腕目無触毛亜目マダコ超科マダコ科Paroctopus属外国名
学名
Enteroctopus dofleini (Wülker, 1910)漢字・学名由来
漢字 水鮹(Mizudako)
由来・語源 マダコよりも水分が多いため。地方名・市場名 ?
生息域
海水生。潮間帯〜水深200メートル。
五島列島以北の日本海、駿河湾以北の太平洋。北部太平洋、サハリン、千島列島、カムチャッカ半島、アリューシャン列島、アラスカ湾からカリフォルニア州。土佐湾でもあがっている。生態
一生に一度だけ産卵する。寿命は2年〜3年。雄で4.5歳、雌で5年の記録がある。
北海道では11月〜12月に雄が精莢(せいきょう)という精子の入ったカプセルを雌に受け渡し、交接後翌年6月〜7月に死ぬ。
産卵は6〜7月。2週間かけて50000粒前後産み、孵化まで守る。孵化後2ヶ月ほどで死ぬ。基本情報
ミズダコは北太平洋に広く分布している世界最大のタコである。国内で水揚げされるタコのなかでもっとも水揚げ量が多い。
非常に大型になり、水っぽいと評価の低いタコだったが、最近では様々な料理法などが生まれ人気がある。
またマダコの減少からタコの代表的な加工品である酢だこなども本種が主流。マダコ同様にゆでたものも出回っている。
また軟体部分以外にも卵巣、白子、鰓、烏トンビ(口)などが流通している。水産基本情報
選び方
ほとんどが足(腕)だけになっている。軽くたたいて動くもので、見た目に透明感のあるもの。雌の方が味がいいとされているが、違いがよくわからない。味わい
栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
ミズダコの料理法・調理法・食べ方/煮る(塩ゆで、煮つけ)、焼く(あぶり)、揚げる(唐揚げ、天ぷら)クリックで閉じます
ミズダコの塩ゆで(ゆでだこ) 完全な生でも食べられるが、少し火を通した方がおいしいと思う。ここでは無駄な皮を取り、約2分ほど塩ゆでにしたもの。ゆで上がりを氷水に取り、水分をよく切り、薄切りにする。水分が多いもののタコらしい風味と甘味があってとてもうまい。
ミズダコの吸盤 吸盤の部分を30秒間塩ゆでにしてもの。吸盤は裏側に筋肉が盛り上がるようについている。これがコリコリして、独特のうま味があってとてもおいしい。大型個体の特に雄の大きな吸盤は吸盤だけでも実においしい。クリックで閉じますミズダコのあぶり(焼き蛸) 足(腕)の吸盤と皮を取り去る。表面を強火で焼き目がつくくらい焼き上げる。氷水に落として粗熱をとり、薄切りにしたもの。焼いた表面にタコらしい香りがして、中の生の部分と対照的な味わいがする。クリックで閉じますミズダコの頭の塩ゆで 頭部の塩ゆでは単独でも流通する。活を買った場合は頭部は別に数分かけて塩ゆでする。粗熱をとり水分を飛ばす。皮を剥いて食べると柔らかく、タコらしい風味には乏しいがイヤミがない。クリックで閉じます
ミズダコのガリシア風 3分ほど塩ゆでして、薄くスライスする。皿に並べてカイエンヌペッパーを振り、オリーブオイルを回しかける。単純な料理ではあるが、オリーブオイルの香り、カイエンヌペッパーの風味があいまってとてもうまい。クリックで閉じます
ミズダコのしゃぶしゃぶ 腕は冷凍庫で半分凍らせる。これをできるだけ薄くスライス。昆布だしのなかで自分の好みの火の通し加減で食べる。ほとんど生で食べるのと、しっかり火を通すのとで味は大いに違う。その違いを楽しむ。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
たこ焼き 島根県浜田市長浜ではミズダコのたこ焼きが作られている。タコざんぎ(ミズダコの唐揚げ) 足(腕)を食べやすい大きさに切り、唐揚げにしたもの。タコ足(腕)は軽く塩ゆでにする。切れ目を入れながら適当に切り、酒・みりん・しょうゆで下地をつける。水分をよく拭き取り、片栗粉をまぶして高温で短時間揚げる。[北海道]クリックで閉じます加工品・名産品
釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
『新北のさかなたち』(水島敏博、鳥澤雅他 北海道新聞社)、『聞書き 北海道の食事』(農文協)