ヒオドシ

Scientific Name / Pontinus macrocephalus (Sauvage,1882)

ヒオドシの形態写真

36cm SL 前後になる。赤くやや側へんし体の中央部がいちばん体高がある。眼上皮弁が長く伸びる。

    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★
      美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カサゴ亜目フサカサゴ科ヒオドシ属

    外国名

    学名

    Pontinus macrocephalus (Sauvage,1882)

    漢字・学名由来

    漢字 緋縅 Hiodoshi
    由来・語源 「緋縅」とは甲冑などの革と革を結び合わせたもの。または赤い紐のようなもので、目上皮がそのように見えるため。
    〈頬甲族カサゴ科ヒヲドシ屬ヒヲドシ Merinthe macrocephalus (SAUVAGE) [三崎、Hawaii 等から知られている]〉。『帝国博物館天産部魚類標本目録.帝国博物館』(石川千代松・松浦歓一郎 1897/明治30年)

    地方名・市場名

    フコーアファー
    場所沖縄 

    生息域

    海水魚。水深80-650m。
    小笠原諸島、茨城県〜宮崎県の太平洋沿岸、[鹿児島県]、沖縄本島、若狭湾、東シナ海大陸棚縁辺、九州〜パラオ海嶺。
    台湾、フィリピン諸島、マリアナ諸島、ジョンストン環礁、ハワイ諸島〜クレ環礁。

    生態

    基本情報

    ヒオドシ属は世界中に約19種。国内海域には本種のみ生息。暖かい海域にいるやや大型のカサゴで目立つ姿をしているが、まとまってとれない以上に珍しい魚のひとつだ。流通にのることはほどんどなく、主に産地などで消費される。
    けっして味のいい魚ではないので産地では値段が安く、大きくて色姿がよければ値をつける関東などでは高値となる。

    水産基本情報

    市場での評価 関東では入荷は希。高い。
    漁法 底引き網、釣り
    産地 静岡県、鹿児島県

    選び方

    張りがあり、眼が澄んでいるもの。赤みの強いもの。古くなると退色する。

    味わい

    旬は秋から冬。
    鱗は柔らかく取りやすく、皮はしっかりしている。骨は柔らかく下ろしやすい。
    身は水分が多く、繊維が細かく、つぶすとだんご状になる。
    骨、あらなどからはいい出しが出る。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    ヒオドシの料理・レシピ・食べ方/煮る(煮つけ)、汁(みそ汁)、生食(焼霜造り、皮霜造り)

    ヒオドシの煮つけ 水分が多いので焼くよりも液体を使った料理の方がうまい。水洗いして適当に切る。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、酒・砂糖・醤油・水を沸騰させた中に入れて煮る。くせのない上品な白身で嫌みがない味。

    ヒオドシのみそ汁 小型は丸のまま、大型はあらなどを使ってもいい。水洗いして適当に切る。湯通しして冷水に落とし残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり水から煮出してみそを溶く。身は柔らかいもののうまいだしが出る。
    ヒオドシの焼霜造り 水分の多い身で嫌みはないが味もない。皮を生かしてこその魚だと言えそう。水洗いして三枚に下ろして血合い骨・腹骨を取る。水分をよくきり、皮目をバーナーなどであぶって氷水に落とす。水分をよくきり、刺身状に切る。皮目があぶったことで香り立ち、皮下に味がある。
    ヒオドシの皮霜造り 水分が多く味わいに欠ける身なので皮を生かして造りたい。水洗いして三枚に下ろす。腹骨と血合い骨を取る。水分をよくペーパータオルにくるんで取って、皮目に湯を掛ける。氷水に落とし粗熱を取り、水分をよくきり刺身状に切る。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)
  • 主食材として「ヒオドシ」を使用したレシピ一覧

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