サツマカサゴ

Scientific Name / Scorpaenopsis neglecta Heckel,1837

サツマカサゴの形態写真

SL(体長)18cm前後になる。頭部目の後ろから背鰭にかけて盛り上がる。胸鰭内側はつけ根に小さな褐色の斑紋があり、周辺部に褐色の斑紋がある。鼻棘は鋸歯状。
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SL(体長)18cm前後になる。頭部目の後ろから背鰭にかけて盛り上がる。胸鰭内側はつけ根に小さな褐色の斑紋があり、周辺部に褐色の斑紋がある。鼻棘は鋸歯状。SL(体長)18cm前後になる。頭部目の後ろから背鰭にかけて盛り上がる。胸鰭内側はつけ根に小さな褐色の斑紋があり、周辺部に褐色の斑紋がある。鼻棘は鋸歯状。SL(体長)18cm前後になる。頭部目の後ろから背鰭にかけて盛り上がる。胸鰭内側はつけ根に小さな褐色の斑紋があり、周辺部に褐色の斑紋がある。鼻棘は鋸歯状。SL(体長)18cm前後になる。頭部目の後ろから背鰭にかけて盛り上がる。胸鰭内側はつけ根に小さな褐色の斑紋があり、周辺部に褐色の斑紋がある。鼻棘は鋸歯状。鼻棘(眼の後ろの棘)は鋸歯状。胸鰭内側はつけ根に小さな褐色の斑紋があり、周辺部に褐色の斑紋がある。口が大きく歯は小さい割りに鋭い。
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★
      がんばって探せば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カサゴ亜目フサカサゴ科オニカサゴ属

    外国名

    学名

    Scorpaenopsis neglecta Heckel,1837

    漢字・学名由来

    漢字 薩摩笠子、薩摩瘡子 Satsumakasago
    由来・語源 国内で研究された標本が鹿児島県産だったのだと思われる。
    〈Scorpaenopsis kagoshimana (Steindachner & Döderlein)  サツマカサゴとは曾て私の命名したものである〉。現在、Scorpaenopsis kagoshimana はシノニム。ルートヴィヒ・デーデルラインとフランツ・シュタインダハナーが記載したときのタイプ標本が鹿児島産だったために薩摩笠子とした。『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)
    〈カサゴ科オニカサゴ属 サツマカサゴ Scorpaenopsis gibbosa (BLOCH et SCHNEIDER)〉。Scorpaenopsis gibbosa (Bloch & Schneider, 1801) は間違いで、インド洋にいる、Humpbacked scorpionfishにあたる。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)
    「瘡魚」、「笠子」。について由来
    ■ 「瘡(皮膚病)を煩ったようにザラザラカサカサした体表から」。
    ■ 「瘡をわずらったように醜いから」。

    地方名・市場名

    ツチオコゼ
    場所愛媛県(伊予) 参考文献 
    オコゼ
    場所三重県尾鷲市 

    生息域

    海水魚。水深3-30mの岩礁域。転石帯、砂底。
    千葉県外房〜九州南岸の太平洋沿岸、大阪湾、山口県日本海側、九州北西岸、屋久島、奄美大島、沖縄諸島。
    台湾西部・南部、澎湖諸島、中国・ベトナムの南シナ海沿岸、フィリピン諸島、タイランド湾、インドネシア(アンボン、バリ)、オーストラリア西岸、スリランカ、インド南東岸。

    生態

    ■ 比較的穏やかな湾内の浅い岩礁地帯に棲息。

    基本情報

    比較的暖かい海域の浅場にいる小型で棘の多いカサゴだ。個体数が少ないためか、まとまって揚がることは少ない。小型なので食用魚としての価値が低く、ときどき競りなどで残ることもある。背鰭の棘が強いので漁業者にもあまり評判がよくない。
    珍魚度 比較的珍しいが珍魚とはいえない。めったに揚がらないので手に入れるのは非常に難しい。

    水産基本情報

    市場での評価/稀に入荷するが一定の評価はない。
    漁法/刺し網、定置網
    産地/

    選び方

    模様などはっきりしているもの。張りのあるもの。

    味わい

    旬は不明。
    棘が多く強いために扱いにくい。背鰭などに刺されると痛む。鱗は細かく取りやすい。骨はあまり硬くない。
    透明感のある白身で熱を通すとやや締まる。
    サツマカサゴの料理の方向性
    基本的に液体を使った煮つけ、汁ものなどの料理法に向く。この煮る、汁の味わいだけでも、本種の価値は高いと思う。
    焼くと締まり固くなる。刺身などの歩留まりは著しく悪い。唐揚げなどは骨が硬いので可食部分が少ないので向かない。

    栄養

    危険性など

    背ビレには毒があるとされていて、漁師さんなどが刺されると痛みが長く続くのだという。実際に刺されてみると先端はやや鈍なので、強く押しつけないと刺さらない。刺されると痛みがやや長く続くが、個人差があるためか数時間で治まった。

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    サツマカサゴの料理法・レシピ・食べ方/煮る(煮つけ)、生食(焼霜造り)、汁(潮汁、みそ汁)、焼く(干もの、塩焼き)、揚げる(唐揚げ)

    サツマカサゴの煮つけ 三枚に下ろすなどして、あれこれ料理を作るにはあまりにも小さすぎる。基本的にはそのままか、適当に切って煮つけるのがいちばん無駄なく食べられる。
    水洗いして、水分をよくきる。湯通しして冷水に落とし、残った鱗やぬめりを流す。これを酒・塩・醤油で煮る。砂糖やみりんを加えてこってりした味つけにしてもおいしい。
    小型種なので少々煩わしいが皮目、身にうま味がある。食べた後には必ず骨湯にして欲しい。

    サツマカサゴのみそ汁 刺身やあぶりなど生食したときには汁とセットでと考えるべきだ。刺身などになる部分以外は取って置く。湯通しして冷水に落とし、ぬめりや残った鱗などを取る。水分をよくきり、水から煮出してみそを溶く。あらが少なくもの足りないときは化学調味料を加えるといい。
    サツマカサゴの焼霜造 水洗いして三枚に下ろす。中骨・腹骨を取り、皮目をあぶって氷水に落とす。水分をよくきり刺身状に切る。1個体でわずかしかとれないが皮のうま味と、身の甘味が感じられ、心地よい食感が楽しめる。あらはみそ汁などにするといい。
    サツマカサゴの干もの 水洗いして開く。振り塩か立て塩にして塩を添加する。水分をよくきり、一夜干しにする。これを焼き上げる。身はふっくらと柔らかく、皮目の風味がいい。食べた後は骨湯にして欲しい。
    サツマカサゴの塩焼き 水洗いして水分をよくきる。振り塩をして1時間以上寝かせて焼き上げる。焼いた香りが非常にいい。香だけで値千金である。皮目のうま味、身の甘味とも非常にいい。食べた後の骨湯もおいしい。
    サツマカサゴの唐揚げ 水洗いして水分をよく拭き取る。背中から割り、片栗粉をまぶしてじっくりと二度揚げにする。やや硬いところは残るものの、ほとんど食べ尽くすことができる。香ばしく、身や皮に味がある。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/石田拓治さん(長崎県長崎市)、魚國(神奈川県小田原市)、さんの水産(東京都)
    論文『日本産フサカサゴ科オニカサゴ属魚類の分類学的検討』(本村浩之、吉野哲夫、高村直人 魚類学雑誌)、『日本近海産 魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)
  • 主食材として「サツマカサゴ」を使用したレシピ一覧

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