SL(体長)18cm前後になる。頭部目の後ろから背鰭にかけて盛り上がる。胸鰭内側はつけ根に小さな褐色の斑紋があり、周辺部に褐色の斑紋がある。鼻棘は鋸歯状。
サツマカサゴの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)






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魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カサゴ亜目フサカサゴ科オニカサゴ属外国名
学名
Scorpaenopsis neglecta Heckel,1837漢字・学名由来
漢字 薩摩笠子、薩摩瘡子 Satumakasago
由来・語源 国内で研究された標本が鹿児島県産だったのだと思われる。
〈カサゴ科オニカサゴ属サツマカサゴ Scorpaenopsis gibbosa (BLOCH et SCHNEIDER)〉。Scorpaenopsis gibbosa (Bloch & Schneider, 1801) はインド洋にいる、Humpbacked scorpionfishにあたる。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)
「瘡魚」、「笠子」。について由来
■ 「瘡(皮膚病)を煩ったようにザラザラカサカサした体表から」。
■ 「瘡をわずらったように醜いから」。地方名・市場名 ?
生息域
海水魚。水深3-30mの岩礁域。転石帯、砂底。
千葉県外房〜九州南岸の太平洋沿岸、大阪湾、山口県日本海側、九州北西岸、屋久島、奄美大島、沖縄諸島。
台湾西部・南部、澎湖諸島、中国・ベトナムの南シナ海沿岸、フィリピン諸島、タイランド湾、インドネシア(アンボン、バリ)、オーストラリア西岸、スリランカ、インド南東岸。生態
■ 比較的穏やかな湾内の浅い岩礁地帯に棲息。基本情報
浅場にいる小型で棘の多いカサゴ。個体数が少ないためか、まとまって揚がることは少ない上に小さいために食用魚としての価値は低い。ある意味、安くておいしい魚なので、見つけたら買い、そんな魚かも。水産基本情報
市場での評価/稀に入荷するが一定の評価はない。
漁法/刺し網、定置網
産地/選び方
模様などはっきりしているもの。張りのあるもの。味わい
旬は不明。
棘が多く強いために扱いにくい。背鰭などに刺されると痛む。鱗は細かく取りやすい。骨はあまり硬くない。
透明感のある白身で熱を通すとやや締まる。
サツマカサゴの料理の方向性基本的に液体を使った煮つけ、汁ものなどの料理法に向く。この煮る、汁の味わいだけでも、本種の価値は高いと思う。
焼くと締まり固くなる。刺身などの歩留まりは著しく悪い。唐揚げなどは骨が硬いので可食部分が少ないので向かない。栄養
ー危険性など
背ビレには毒があるとされていて、漁師さんなどが刺されると痛みが長く続くのだという。食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
サツマカサゴの料理法・レシピ・食べ方/煮る(煮つけ)、汁(潮汁、みそ汁)、焼く(干もの、塩焼き)、揚げる(唐揚げ)クリックで閉じます
サツマカサゴの煮つけ 水洗いして、水分をよくきる。湯通しして冷水に落とし、残った鱗やぬめりを流す。これを酒・塩・醤油で煮る。砂糖やみりんを加えてこってりした味つけにしてもおいしい。小型種なので少々煩わしいが皮目、身にうま味がある。食べた後には必ず骨湯にして欲しい。
サツマカサゴの塩焼き 水洗いして水分をよくきる。振り塩をして1時間以上寝かせて焼き上げる。焼いた香りが非常にいい。香だけで値千金である。皮目のうま味、身の甘味とも非常にいい。食べた後の骨湯もおいしい。クリックで閉じますサツマカサゴの干もの 水洗いして開く。振り塩か立て塩にして塩を添加する。水分をよくきり、一夜干しにする。これを焼き上げる。身はふっくらと柔らかく、皮目の風味がいい。食べた後は骨湯にして欲しい。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/石田拓治さん(長崎県長崎市) 魚國(神奈川県小田原市)
論文『日本産フサカサゴ科オニカサゴ属魚類の分類学的検討』(本村浩之、吉野哲夫、高村直人 魚類学雑誌)、『日本近海産 魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)