クエ
代表的な呼び名アラ
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料理法・レシピ
居眠り前の軽い食事にクエのグリエを作る料理法・レシピ
長崎県産クエをローストに
珍魚度・珍しさ | ★★ 少し努力すれば手に入る |
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魚貝の物知り度 | ★★★ 知っていたら通人級 |
食べ物としての重要度 | ★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 | ★★★★★ 究極の美味 |
分類 | 顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ハタ科ハタ亜科アカハタ属
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外国名 | Longtooth grouper
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学名 | Epinephelus bruneus Bloch, 1793
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漢字・学名由来 | 漢字 九絵、垢穢 Standard Japanese name / Kue Bloch Marcus Élieser Bloch(マルクス・エリエゼル・ブロッホ 1723-1799 ドイツ)。医師、博物学者。ヨハン・ゴットロープ・テアエヌス・シュナイダー(Johann Gottlob Theaenus Schneider)とともに『110の画像付分類魚類学』を刊行。 |
地方名・市場名 |
概要
生息域
海水魚。沿岸や大陸棚周辺の岩礁域、アマモ場。
青森県牛滝、新潟県佐渡・糸魚川〜島根県、山口県〜九州北西岸、九州東シナ海沿岸、伊豆諸島、[岩手県普代]、千葉県興津〜屋久島の太平洋沿岸、瀬戸内海の外海周辺の水道、トカラ列島、沖縄島。
朝鮮半島南岸、台湾、浙江省〜トンキン湾の中国沿岸、海南島。
生態
産卵期は夏、6月〜8月頃。
雌から雄に性転換する可能性がありと予想されている。
基本情報
クエよりも九州の「あら」の方が有名だろう。
本州以南の100m以浅に生息している。古くは西日本の魚であったが、生息域が北上傾向にあることなどで関東でも水揚げが増えている。今や全国的な魚、全国的な超高級魚となっている。しばしば偽装事件が起こっていることでも有名だった。
また、チャイロマルハタやヤイトハタ、マハタモドキなどハタ科の大型種が増えてきているので、じょじょにプロの間ではあるがクエ信仰が衰退してきている。
このような状況から、いまだに行われている稚魚放流の意味があるのかというのもわからない。
九州では「あら」といい、九州場所のある冬場に鍋などで供され、非常に人気が高い。また、三重県、和歌山県などでも観光資源となっている。
天然ものは少なく、高価であるため養殖されるようになっているが、天然ものの値段は一向に下がらない。
一般家庭の食卓に上る魚ではなく、高級料理店でのみ楽しめるものだ。
珍魚度 普通の食用だが非常に高額である。お金さえ出せば手に入る。
水産基本情報
市場での評価 九州など日本各地から天然物がくる。基本的に活魚、活け締めで流通する。2㎏を超えると超高級魚。それ以下でも非常に高い。キロあたり1万円以上は当たり前である。まれに野締めも入荷してくるが、これですら高値がつく。
養殖ものの入荷も多いが、価格は安定してキロあたり3000円前後。
漁法 釣り、定置網
近年養殖されたものが目立つ。
主な産地 長崎県、三重県、和歌山県などとれる量は少ない
養殖は和歌山県
選び方・食べ方・その他
選び方
活け締め、活けがおすすめ。刺身にしたときに美しい。目が澄んでいるもの。鰓が鮮紅色のもの。
味わい
旬は秋から夏。産卵後の夏から初秋以外は安定的に味がいい。
鱗は皮に埋もれていて取りにくいのですき引きする。皮は厚みがあって強い。骨は硬い。
透明感のある白身で血合いは弱い。熱を通しても硬く締まらず、皮はゼラチン質になる。
本種が高級魚であるのは、身質のよさ、鮮度落ちが遅いなどからだ。
栄養
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危険性など
歯が非常に鋭く、うかつに触ると傷を負う。鰓も強い棘がある。また背鰭・腹鰭などの刺も鋭く刺さると大けがをする。
食べ方・料理法・作り方
クエなどハタ科の魚は仕立てでの味の違いが大きいということがわかる。
好んで食べる地域・名物料理
アラ鍋(あら鍋) 福岡県福岡市(博多)ではアラ鍋が有名。紀伊半島、和歌山県、三重県
頭料理 大分県竹田市の郷土料理。「あら(大型のハタのことで、クエと考えていい)」の頭部の鰓や頬など部分ごとに阿蘇山系のきれいな水で臭味を抜き、ゆでて二杯酢などで食べるもの。大分県臼杵などの漁港で揚がった、大型の魚を山間部に運び、体幹部分などは地位のある武家やお金持ちが食べ、残りのあらを庶民が食べた。『サライ 1999年2/4』(小学館)ほか
加工品・名産品
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釣り情報
伊豆諸島では活きエサのモロコ(クエ)釣りが有名。
歴史・ことわざなど
クエの偽装 アブラボウズをクエと偽って福岡市や大阪府堺市の業者が販売していた。(2008年)
地方名・市場名
参考文献 場所三重県二木島
参考文献 場所和歌山県
参考文献 場所沖縄県
参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 場所沖縄県南城市知念漁協
参考長浜鮮魚市場20181122、『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所福岡県福岡市、鹿児島県種子島
参考文献 場所紀州(三重県西部、和歌山県)
参考文献 場所高知市
参考文献 場所高知県浦戸
参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所鹿児島県種子島
備考マハタやマハタモドキと区別しての呼び名。 参考タカスイ久保さん 場所鹿児島県鹿児島市鹿児島魚市場
参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所山口県下関・豊北・長門・仙崎、長崎県雲仙市小浜、佐賀県、福岡県、鹿児島県種子島
備考相模湾北部では2015年前後から珍しい魚ではなくなっている。 場所神奈川県江ノ島・小田原、新潟県寺泊、和歌山県、大阪、徳島県、高知県宿毛市田ノ浦すくも湾漁協
場所愛知県知多、三重県
場所山口県萩
備考釣りの世界では。 場所伊豆諸島
参考文献