アカハタモドキ
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40cm SL 前後になる。尾鰭が截形(せっけい 湾入したり丸くなったりしないでまっすぐ裁ち落とした形)。背鰭の後端上部、尾鰭上部に暗色部分がある。[32.5cm SL・907g] 40cm SL 前後になる。尾鰭が截形(せっけい 湾入したり丸くなったりしないでまっすぐ裁ち落とした形)。背鰭の後端上部、尾鰭上部に暗色部分がある。 尾鰭が截形(せっけい 湾入したり丸くなったりしないでまっすぐ裁ち落とした形)。アカハタは尾鰭の後縁が後ろに向かって丸い。
珍魚度・珍しさ | ★★★ がんばって探せば手に入る |
魚貝の物知り度 |
★★★★★ 知っていたら学者級 |
食べ物としての重要度 |
★★ 地域的、嗜好品的なもの |
味の評価度 |
★★★★ 非常に美味 |
分類 |
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ハタ科ハタ亜科アカハタ属
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外国名 |
Red-tipped grouper, 雷拖氏石斑魚、石斑、過魚、鱠仔
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学名 |
Epinephelus retouti Bleeker,1868
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漢字・学名由来 |
漢字 赤羽太擬 Standard Japanese name / Akahatamodoki
由来・語源 アカハタモドキという和名は片山正夫が提唱。アカハタに似ているが別種の意味。古く、松原喜代松はセダカアカハタという和名だった。『薩南諸島から得られたハタ科魚類 2 種:アカハタモドキ Epinephelus retouti とヤマブキハタ Saloptia powelli』(畑 晴陵、本村浩之) Bleeker Pieter Bleeker(ピーター・ブリーカー 1819-1878 オランダ)。医師、魚類学者。『東インドオランダ領の魚類図鑑』(Atlas Ichtyologique des Indes Orientales Netherlandaises 1862-1878)。軍医としてバタビア(現インドネシアジャカルタ)に赴任。インド洋、西太平洋の魚を採取。 Katayama 片山正夫(1912~1989年 山口大学教授、山口県生まれ)。広島高等師範学校から農水省水産講習所(後の東京水産大学)。師範学校教師を経て、山口大学へ。特にスズキ科(当時はハタなども含んでいた)を研究。ヒラスズキ、アオダイを記載、和名をつけた。アカハタモドキ、ヤマブキハタなど、多くの和名をつけたものと思われる。
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地方名・市場名 |
オキアカバ[沖アカバ] 備考アカバ(アカハタ)よりも沖合にいて、姿が似ているという意味。 場所東京都小笠原諸島 ハンゴーミーバイ 参考『原色 沖縄の魚』(具志堅宗弘 タイガー印刷 1972) 場所沖縄県 メバル 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 場所鹿児島県種子島 |
概要
生息域
海水魚。沿岸の浅い岩場、サンゴ礁外縁。水深20-220m。アカハタよりも深い場所にいる。
鳥島、小笠原諸島、トカラ列島、奄美大島、沖縄諸島。
台湾南部、西沙諸島、インド-太平洋域。
生態
基本情報
インド洋、太平洋の熱帯域〜亜熱帯域に広く生息している小型のハタ。国内では小笠原、鹿児島県から入荷してくる。アカハタと区別しない人が多く単に「あかはた」で流通することも多い。
珍魚度 珍しい魚とまではいえないが、水揚げ量がとても少ないので手に入れるのは難しい。
水産基本情報
市場での評価 関東には小笠原諸島、鹿児島県などから入荷してくる。量的には多くはないが、築地場内などを歩く限り平凡な存在。やや高価。
漁法 釣り
産地 東京都、鹿児島県
選び方・食べ方・その他
選び方
触って張りのあるもの。赤いもの(退色していない)。
味わい
旬は春から夏だと思うが、年間を通してあまり味が落ちない。産卵後の回復が早いのではないか。
鱗は細かく取りにくい。大型はすき引きした方がやりやすい。皮は厚くて硬い。骨はやや硬い。
白い色味でやや透明感がある。熱を通すと適度に締まる。
栄養
危険性など
食べ方・料理法・作り方
アカハタモドキの料理・レシピ・食べ方/蒸す(蒸し魚、剁辣魚頭蒸)、汁(みそ汁)、煮る(まーす煮、煮つけ、鍋)、生食(刺身、セビチェ)
アカハタモドキの蒸し魚(清蒸) 水洗いし、蒸し器に入る大きさに切る。皿に割り箸などを渡して、浮かせるように切り身を乗せる。上にネギ、ショウガなどを乗せて10分から15分強火で蒸す。タレを作っておく、紹興酒、中国醤油(国内のものでもいい)、海鮮スープ少量、ニンニク、ショウガなどを合わせて一煮立ちさせておく。蒸し上がったら割り箸と蒸すときにのせたネギ、ショウガを取り、ネギや香菜を新にのせてタレをかけ、煙が出るくらいに熱した油をかけ回す。酒にも合うがとてもご飯がすすむおかずになる。
アカハタモドキのみそ汁 小笠原での「あかば汁」、沖縄の「みーばい汁」にあたる。ここでは刺身にしたあらを使ったが、丸のままを適当に切り作ってもいい。これを湯通しし、冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、水から煮出してみそをとく。実にうま味豊かなおいしい汁になり、ご飯にも合う。
アカハタモドキの塩煮(まーす煮) 水洗いして、水分をよくきる。鍋に強めの塩水を入れて短時間に水分を飛ばすように煮上げる。このとき豆腐を加えると本体以上においしい。皮、皮下にうま味があり、身はあまり硬く締まらず甘味が感じられる。煮汁もやたらにうまい。
アカハタモドキの煮つけ なによりも皮に味がある。皮と皮直下にうま味があり、こくのある味だ。身はほどよく繊維質で身離れがいい。甘味がある。兜の煮つけは御馳走そのものだ。水洗いして頭部を梨子割りにする。湯通しして冷水に落として残った鱗とヌメリを流す。水分をよくきり、酒・砂糖・醤油・水で煮る。
マハタモドキのちり(水炊き) 骨のある頭部やかまなどを入れるとよりいいだしが出る。上品な白身だが、煮るとほどよく締まる。煮るほどに軟らかくなるが、自分の食べ頃を選べるのが鍋のいいところだ。水洗いして適当に切る。湯通しして冷水に落として、残った鱗、表面のぬめりを流す。水分をよくきり昆布だし・酒・塩で煮ながら食べる。野菜などはお好みで。
アカハタモドキの刺身 比較的鮮度がよければ刺身にしてとても味わい深い。この固体はやや赤みがかっていたが、白い身のものもある。鮮度がいいと身が硬いので薄造りにしてみた。淡泊で上品な味わいのなかにうま味と甘味が感じられる。水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、皮を引いて刺身状に切る。薄めに切らないと硬い。
アカハタモドキのセビチェ 小さな魚なので刺身にするとどうしても無駄がでる。こんなときはセビチェを作るといい。小さめに切り、塩・辛い唐辛子・ライム(柑橘類ならなんでもいい)、紫玉ねぎ(普通の玉ねぎでもいい)、この身の野菜などと和える。さっぱりとして爽やかな辛味がスピリッツに合う。
好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
釣り情報
歴史・ことわざなど