ニジカジカ

Scientific Name / Alcichthys elongatus (Steindachner, 1881)

ニジカジカの形態写真

30cm SL前後になる。細長い紡錘形。赤い個体と黒い個体がいる。不定形の褐色斑文と円形の白い斑文があり、鰭には筋状の赤もしくは褐色の帯がある。頭部の皮弁はベロと同じく房状であったり単一形であったりする。前鰓蓋骨最上棘は2〜4叉する。
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30cm SL前後になる。細長い紡錘形。赤い個体と黒い個体がいる。不定形の褐色斑文と円形の白い斑文があり、鰭には筋状の赤もしくは褐色の帯がある。頭部の皮弁はベロと同じく房状であったり単一形であったりする。前鰓蓋骨最上棘は2〜4叉する。30cm SL前後になる。細長い紡錘形。赤い個体と黒い個体がいる。不定形の褐色斑文と円形の白い斑文があり、鰭には筋状の赤もしくは褐色の帯がある。頭部の皮弁はベロと同じく房状であったり単一形であったりする。前鰓蓋骨最上棘は2〜4叉する。30cm SL前後になる。細長い紡錘形。赤い個体と黒い個体がいる。不定形の褐色斑文と円形の白い斑文があり、鰭には筋状の赤もしくは褐色の帯がある。頭部の皮弁はベロと同じく房状であったり単一形であったりする。前鰓蓋骨最上棘は2〜4叉する。
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★
      少し努力すれば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★★
      一般的(流通量は普通)
    • 味の評価度

      ★★★
      美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カジカ亜目カジカ科ニジカジカ属

    外国名

    Elkhorn sculpin
    言語英名 

    学名

    Alcichthys elongatus (Steindachner, 1881)

    漢字・学名由来

    漢字 虹鰍、虹杜父魚 Nijikajika
    由来・語源 背鰭の文様が虹のように半円を描ききれいだからではないか。
    〈elongatus sive glaver, Std うみかじかのるい(海カジカの類)産地不明〉。『帝国博物館天産部魚類標本目録.帝国博物館』(石川千代松・松浦歓一郎 1897/明治30年)
    〈ベロ 倍呂 Bero elongatus Steindachner 北日本で是等の類(必ずしも本種だけではない)をベロと云ってゐるやうであるが、まだ明ではない。〉『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)
    〈頬甲族カジカ科ニジカジカ属 Alcichthys elongatus HERZENSTEIN〉。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)
    Steindachner
    Franz Steindachner (フランツ・シュタインダハナー/1834-1919)、オーストリア ウイーン生まれ。魚類学・動物学者。

    地方名・市場名

    生息域

    海水魚。水深15〜269mの岩礁域。
    山口県・茨城県以北、北海道全沿岸。
    朝鮮半島東岸〜沿海州、間宮海峡。

    生態

    産卵期は春。
    産卵後、交尾するものがある。
    産卵した卵は雄が保護する。

    基本情報

    本州日本海・茨城県以北の比較的浅い海域に普通。東北以北で「かじか」といえば本種を指すことが多いので流通の世界にいる人達には、単にカジカと呼ばれることが多い。また北海道で「べろ」と呼ばれることが多いので、見た目がそっくりな標準和名のベロとまぎらわしいこともある。
    海にいるカジカ類は関東ではあまり馴染みがないが、そんな中でもトゲカジカ(鍋こわし)とともに比較的入荷が多く、流通上でも見かける機会が少なくない。東北、北海道で普通の食用魚だが、海カジカ類の中では関東でも知られている方だと思う。安いために総菜、みそ汁などに多用されている。
    珍魚度 珍魚ではなく普通の食用魚だ。ただ日本海側や東北に多く、消費地である関東周辺、中部地方、関西、北九州ではなかなか手に入らない。

    水産基本情報

    市場での評価 関東にもまとまって入荷してくる。カジカ類中もっとも多い。値段は非常に安い。近年(2010年以降)釣り、活け締めをうたったものがある。
    漁法 釣り、刺し網
    主な産地 北海道、青森県、岩手県、宮城県、福島県

    選び方

    色、模様の鮮やかなもので、触って硬いもの。鰓が鮮やかな赤いもの。

    味わい

    旬は冬から春。白身で鮮度落ちが早く身の食感もなくなる。
    鱗は細かく取りやすい。皮は厚みがあり骨はあまり硬くない。
    白身で煮ても硬く締まらない。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    ニジカジカの料理・レシピ・食べ方/汁(三平汁、みそ汁、潮汁、鍋)、煮る(煮つけ)、揚げる(唐揚げ)、生食(刺身、焼き切り)

    ニジカジカの塩仕立て汁(塩三平汁) 水洗いしてぶつ切りにし、胃袋、肝などを総て湯通し、氷水に落として表面のぬめりを流す。水分をよくきる。これを昆布だしに酒・塩で煮る。これににんじん、玉ねぎ、ごぼう、じゃがいもなど具だくさんにしたものを北海道では「三平汁」ともいう。野菜を入れないで潮汁にしてもうまい。

    ニジカジカのみそ汁 汁物にすることの多い魚で、みそ汁は産地などでの定番料理だと思う。水洗いして卵巣、肝、胃袋などは取り分けておく。適当に切り、湯通しして冷水に落としてぬめりを流す。水分をよききり、水から卵巣、肝とともに煮出してみそを溶く。野菜を入れると「みそ三平」になる。
    ニジカジカの煮つけ 水洗い、肝や卵巣はそのままにして煮つけやすい大きさに切る。湯通しして冷水に落としてぬめりを流す。これを酒・砂糖・醤油・水の煮立った中に入れて煮上げる。カサゴなどと比べると身の緻密さに欠けるものの捨てがたい味だ。
    ニジカジカの唐揚げ 水洗いして紡錘形で油が行き渡りにくいので開く。水分をよく拭き取り、片栗粉をまぶしてじっくりと二度揚げにする。頭部は骨が硬いものの身は適度にしまり味わい深い。
    ニジカジカの焼き切り(焼霜造り) 近年活け締めにしたものの入荷がある。鮮度がいいので生食してもアニサキスの危険は少ない、と考えている。水洗いして三枚に下ろす、腹骨・血合い骨を取り、水分を拭き取って皮目、身の表面をあぶる。冷水に落とし粗熱をとって水分を拭き取り刺身状に切る。身にはあまり味がないものの皮と皮下に味がある。
    ニジカジカの刺身 近年函館などから活け締めの入荷を見る。これはうま味は少ないが刺身にもなる。水洗いして三枚に下ろす、血合い骨・腹骨を取り、皮を引いて薄く切る。薄く切った方が味がある。

    好んで食べる地域・名物料理

    青森県、北海道などでは野菜といっしょにみそ汁にする。定食などにつけることができる。1988年

    加工品・名産品


    切りカジカ ていねいに水洗いして、ぶつ切りにしたものをパック詰めしたもの。北海道などから入荷してくる。非常に便利なものなのでおすすめ。『ト印水産(北海道八雲町)』

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『日本の海水魚』(岡村収、尼岡邦夫編・監修 山と渓谷社)、『北日本の魚と海藻』(尼岡邦夫、仲谷一宏ほか 北日本海洋センター)

    地方名・市場名

    チャビ
    場所兵庫県香住 参考文献 
    ヌルヌルカジカ
    場所北海道伊達町 参考文献 
    ノロカジカ
    場所北海道虻田町・胆振 参考文献 
    タゴバツメ
    場所富山県氷見 参考文献 
    シスコ ススコ
    場所青森県佐井村牛滝 参考青森県水産技術センター 
    カジカ
    場所山形県鶴岡市由良漁港、福島県いわき市久ノ浜、富山県魚津・東岩瀬 
    ダラシンジョウ
    場所富山県氷見市藪田浦漁業協同組合 
    ベロ ベロカジカ
    場所北海道函館 
    ベロベロカジカ
    場所北海道虻田・函館 参考文献 
  • 主食材として「ニジカジカ」を使用したレシピ一覧

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