タチウオ

Scientific Name / Trichiurus lepturus Linnaeus, 1758

タチウオの形態写真

184cm TL 前後になる。銀白色で著しく側扁(左右に平たく)、細い帯状で細長い。鱗、尾鰭と腹鰭がなく、背鰭は長く、尻鰭は皮下に埋もれていて触ると棘のようなものを感じるが見えない。[84cm TL・重さ412g]
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184cm TL 前後になる。銀白色で著しく側扁(左右に平たく)、細い帯状で細長い。鱗、尾鰭と腹鰭がなく、背鰭は長く、尻鰭は皮下に埋もれていて触ると棘のようなものを感じるが見えない。[84cm TL・重さ412g]184cm TL 前後になる。銀白色で著しく側扁(左右に平たく)、細い帯状で細長い。鱗、尾鰭と腹鰭がなく、背鰭は長く、尻鰭は皮下に埋もれていて触ると棘のようなものを感じるが見えない。[84cm TL・重さ412g]184cm TL 前後になる。銀白色で著しく側扁(左右に平たく)、細い帯状で細長い。鱗、尾鰭と腹鰭がなく、背鰭は長く、尻鰭は皮下に埋もれていて触ると棘のようなものを感じるが見えない。[84cm TL・重さ412g]184cm TL 前後になる。銀白色で著しく側扁(左右に平たく)、細い帯状で細長い。鱗、尾鰭と腹鰭がなく、背鰭は長く、尻鰭は皮下に埋もれていて触ると棘のようなものを感じるが見えない。[いちばん頭部に近いところの体高(背鰭際から腹部正中線まで)15.3cm・184cm TL・重さ4.8kg]184cm TL 前後になる。銀白色で著しく側扁(左右に平たく)、細い帯状で細長い。鱗、尾鰭と腹鰭がなく、背鰭は長く、尻鰭は皮下に埋もれていて触ると棘のようなものを感じるが見えない。[いちばん頭部に近いところの体高(背鰭際から腹部正中線まで)12cm・120cm TL・重さ1.85kg]184cm TL 前後になる。銀白色で著しく側扁(左右に平たく)、細い帯状で細長い。鱗、尾鰭と腹鰭がなく、背鰭は長く、尻鰭は皮下に埋もれて見えない。184cm TL 前後になる。銀白色で著しく側扁(左右に平たく)、細い帯状で細長い。鱗、尾鰭と腹鰭がなく、背鰭は長く、尻鰭は皮下に埋もれて見えない。非常に犬歯が発達している。尾鰭がない。
    • 珍魚度・珍しさ


      いつでも手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★
      これは常識
    • 食べ物としての重要度

      ★★★★
      重要
    • 味の評価度

      ★★★★★
      究極の美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目サバ亜目タチウオ科タチウオ属

    外国名

    学名

    Trichiurus lepturus Linnaeus, 1758

    漢字・学名由来

    漢字 太刀魚、立魚 Standard Japanese name / Tatiuo
    由来・語源 関西、九州での呼び名。グラバー図譜にはタチウオ。太刀(たち)を思わせる外見から。
    頭を上にして上にいる獲物を探しながら泳ぐためで「立ち泳ぎする魚」のこと。
    Linnaeus
    Carl von Linné(カール・フォン・リンネ 1707-1778 スウェーデン)。二名法を確立。

    地方名・市場名

    生息域

    海水魚。大陸棚。
    北海道全沿岸〜九州南岸の日本海・東シナ海・太平洋、瀬戸内海、東シナ海大陸棚。
    渤海、黄海。
    [山形県鼠ヶ関]

    生態

    産卵期は海水温の影響で長く、春から秋と長い。旬も産卵期に重なる。
    体全体が銀色をしたグアニン層で覆われている。
    小型の時には甲殻類などをエサとしている。
    成魚は肉食で小魚、イカなどを襲う。
    雌の方が大きくなる。

    タチウオ 市場に入荷して「タチウオ」として売られるほとんどが本種。背ビレ、目の色合いは透明。


    テンジクタチ 背ビレ、目の色合いは黄緑がかっている。輸入ものもあるが、宮崎、鹿児島などから入荷してくる。量的には少ないが紛らわしい。

    タチウオ 口床(口の下の部分、舌のようなところ)が黒っぽい。

    テンジクタチ 口床(口の下の部分、舌のようなところ)が淡い色合い。

    基本情報

    太平洋側でいえば古く(2000年以前)は伊豆半島以西に多く、東日本では水揚げは少なかった。関東ではあまり一般的な魚ではなかった。近年相模湾でも増え、ほとんどとれなかった東京湾でも年間を通して大型が揚がる。三陸でもいたって普通で北上傾向が強い。
    今現在、生息域は北海道から九州までの国内、朝鮮半島、中国沿岸などにいて、日本各地年間を通してとれ、もはや旬はないといった感がある。
    韓国などでは国内以上の値が高く、人気がある。韓国の国民食といった感がある。韓国での食文化はとても興味深く、小振りのタチウオの利用に活用できると思う。
    年間を通して味がよく、流通上でも人気の高い魚。ただし小さな個体はとれすぎると飼料などにしかならず、未利用魚のひとつともなっている。
    小売店、スーパーでも切り身でパック詰めされて売られていて、塩焼きに、煮つけに、ムニエルにと一般家庭でもよく利用されている。この人気からか東南アジアなどから近縁種を冷凍輸入している。
    珍魚度 まったく在り来たりな魚である。古くは伊豆半島以西の太平洋側に多かったが、今や北上中で産地も漁獲量も増えている。

    水産基本情報

    市場での評価 年間を通して東北以南から入荷がある。釣りもの、大型のものは高級。小さなものは安い。
    漁法 釣り、底曳き網
    主な産地 大分県、和歌山県、千葉県、神奈川県、愛媛県、長崎県、徳島県、広島県

    選び方

    味わい

    旬は長く、複雑になってきている。産卵期で生殖巣が大きくなっても味がいい。比較的夏に安定、脂がのっている固体が多い。
    鱗はなく体表をグアニン(銀色)が覆い、これは無味無臭。骨は軟らかい。
    白身で身離れがいいが、やや水っぽく繊維質ではないので鮮度が悪いと少しボロボロする。熱を通すと適度に締まる。味の点からすると、液体を使った料理よりも焼く、ソテーするなどの方がいい。
    大型魚の卵巣は非常においしい。

    栄養

    多価不飽和脂肪酸のイコサペンタエン酸(EPA)は血小板のかたまる物質を作り出さないようにし、血液をサラサラにする。血中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす。善玉コレステロールを増やす。動脈硬化、脳梗塞、高血圧、高血圧を予防する。体内では生成できないドコサヘキサエン酸(DHA)が豊富。DHAは脳の発達、老化予防に重要。また血液をサラサラにし、動脈硬化などの成人病を予防する。
    ビタミンDも豊かで、カルシウムの吸収を促進し、骨粗鬆症を防ぐ。
    ナイアシンは血行をよくし、肌を健康に保つ。アルコールが分解されてできるアセトアルデヒドを分解して二日酔いの予防にも。

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    タチウオの料理・レシピ・食べ方/蒸す(蒸し魚)、、生食(刺身、たたき、酢じめ、なめろう、酢のもの、カルパッチョ、セビチェ)、焼く(塩焼き、干もの、つけ焼き、西京漬け、幽庵焼き) 、揚げる(天ぷら、フライ、唐揚げ)、汁(潮汁、みそ汁など)、ソテー(ムニエル)、煮る(鍋、煮つけ)、汁(潮汁、みそ汁)、卵巣(醤油漬け、塩焼き)

    タチウオの蒸し魚(清蒸鮮魚) 酒蒸しにしてもいいが、中華風に蒸した方がご飯にも、酒にも相性がいい。水洗いして水分を切り、皿に割り箸などを渡して浮かせるように切り身を置く。10前後蒸し、タレ(中華系しょうゆ、なかったら日本のしょうゆでも)・紹興酒・魚醬・鶏ガラスープ(なくてもいい)・砂糖を合わせて一煮立ちしたもの)をかけ、ねぎなどをのせて煙が出るほど熱した油をかける。

    タチウオの刺身 水洗いして三枚に下ろす。これを薄く造る。皮は少し硬いので引いてもいいし、そのままでもいい。うま味は皮付近にあるので、皮の固ささえ嫌でなければうまい。身には甘みがあり、食感もほどよい。
    タチウオの焼霜造りタチウオの焼霜造り 水洗いして三枚に下ろす。皮目をあぶって、冷凍庫などで急速に冷やす。あまり冷やしすぎないこと。これで溶けてもろくなった皮がしっかりする。これを刺身状に切る。あぶった皮目が香ばしく、身にうま味と甘味がある。
    タチウオの背ごしタチウオの背ごし タチウオは水洗いして背鰭を取る。これを出来るだけ薄く切り離す。中骨が気にならないくらいの厚みに切るのがコツ。これを氷水で洗ってもいいが、鮮度のいいものはそのままで大丈夫だ。酢みそやしょうゆとわさびで食べてもうまい。
    タチウオのカルパッチョ 水洗いして三枚に下ろす。できるだけ薄く切り、ニンニク・オリーブオイルを敷いた上にすだち(柑橘類)と虎の尾(三重県尾鷲市の唐辛子)をはさみ並べて行く。上から減塩を振り、オリーブオイルを再度かける。少し馴染ませて食べるといい。
    タチウオのセビチェ 水洗いして三枚に下ろす。これを細かく切る。ライムと塩でしめる。少し寝かせて、青唐辛子、紫玉ねぎと合わせる。今回はアマランサスを使ったが好みの野菜を使ってもいい。さっぱりした中にうま味があり、スピリッツに合う。
    タチウオのなめろうタチウオのみそたたき(なめろう) タチウオは水洗いして三枚に下ろす。これを小さく切り、みそ、ねぎ、みょうがやしょうがの搾り汁などと合わせてよく切れる包丁でたたく。好みでタマネギ煮したり、ニンニクを入れてもうまい。
    タチウオの塩焼きタチウオの塩焼き スーパーや魚屋さんなどでもよく見かけるタチウオの切り身を塩焼きにしたもの。タチウオ料理は塩焼きから始めるといい。切り身に振り塩をして1時間以上置く。これをじっくりと焼き上げる。皮目が内側から染み出した脂で揚げたようになり、香ばしく身に甘みがあってとてもおいしい。ご飯にも合う。また子持ちの味もいい。
    タチウオ尾の干もの 尾の部分は身が薄く三枚に下ろすのも煩わしいので、そのまま切り放す。立て塩に15分前後漬け込んで、水分をよくきり干し上げる。これをじっくりと焼き上げる。タチウオは尾の身が締まっており、脂もほどほどにある。焼くと表面が揚げたようになりやたらにうまい。
    タチウオの醤油焼きタチウオのしょうゆ焼き 水洗いして背鰭を取る。三枚に下ろして素焼きにする。焼き上がりにみりん、しょうゆを半割にしたタレを塗りながら仕上げる。単に塩焼きにしてもいいが、このしょうゆのうま味を足し算するのもよい。山椒がとても合う。
    タチウオのフライタチウオのフライ 愛知県蒲郡市「三忠」の「タチ結び」をフライにしたもの。丸い棒状にあがるのだけど、さくっとしたパン粉の中がしっとりとジューシーに仕上げる。身に甘みとうま味が豊かにあってとてもうまい。
    タチウオの素揚げ 尾の部分は素揚げがいちばん簡単だと思っている。身の薄いところを切り落とし、水分をよくきる。これを低温で時間をかけてじっくりと揚げる。前方に行くほど中骨は硬くなるが尾に近い部分はまるごとさくさく食べられる。
    タチウオの天ぷらタチウオの天ぷら 小振りのタチウオを三枚に下ろして揚げたもの。タチウオは皮にうま味があり身に甘みがある。揚げることで表面は香ばしく、なかはしっとりとして軟らかい。天ぷら種としてもとても優秀である。
    タチウオの骨せんべい 比較的小振りのタチウオの中骨はとても柔らかい。骨せんべいにするとさくさくとしておいしい。中骨は水分をよくきる。片栗粉をまぶしてじっくり二度揚げにする。
    タチウオのムニエル 大型は水洗いして三枚に下ろして適宜に切り、塩コショウして小麦粉をまぶす。これをバターなどでソテーする。小型は三枚に下ろして数枚合わせて巻き込んで一枚にして塩コショウし、小麦粉をまぶしてソテーする。バターとの相性がよくてとても味がいい。
    タチウオの蒲焼き風(フライパン蒲焼き・フライパン照焼) 焼くのではなくソテーして照焼風に蒲焼き風に作るもの。タチウオのように脂ののり安い魚に向いている。三枚に下ろし、腹骨や血合い骨を取る。適当に切り、水分をよくきり、小麦粉をまぶす。これを多めの油でソテーする。仕上げに火を止めて、タレ(みりん・醤油を合わせて一煮立ちさせたもの)をかけ回す。
    タチウオの煮つけタチウオの煮つけ 水洗いして適宜に切り、酒、砂糖、しょうゆでこってりおかず風に煮たもの。酒、塩のみの味つけも、酒、みりん、しょうゆだけのあっさりした味つけで煮てもおいしい。真子の味も上々である。
    タチウオの酒塩鍋(ちり、水炊き) あらを使ってもいいし、切身を使ってもいい。湯通しして氷水に落として粗熱とぬめりを流す。昆布だしに酒・塩の味つけの汁の中で煮ながら食べる。夏は青い唐辛子(ここでは三重県尾鷲の虎の尾)などを一緒に煮て、食べるとき皿に取り、辛味をつぶしながら加減して食べるとうまい。
    タチウオの魚すき 島根県では「へか焼き」、「煮食い」、長崎県では「いり焼き」などという。要するに魚のすき焼きである。
    骨が煩わしいので三枚に下ろす。適当に切り、酒・砂糖・醤油・水の地で野菜や豆腐、麩などと一緒に煮る。玉ねぎを入れると甘くておいしい。
    タチウオの潮汁タチウオの潮汁 水洗いして刺身などにしたあらや胃袋などの内臓を湯に通して冷水に落とす。滑りなどを流し、水分をよく切る。これを昆布だしで煮て酒、塩で味つけする。実にうま味豊かなだしがとれて滋味である。

    タチウオ真子の醤油漬け 産卵期が長くなっているので、大型(ほぼ雌)が手に入ったら有り無しをみて、ていねいに真子を取り出す。これを醤油・みりんの中でほぐして1日以上寝かせる。1週間以上保つので醤油の漬かり具合をみながら食べ繋ぐといい。卵粒が小さく、しかも柔らかい。うま味も豊かで非常においしい。

    タチウオ真子の塩焼き 真子をていねいに取りだし、表面の汚れや内臓などを取り除く。振り塩をして1日程度寝かせてじっくり焼き上げる。口に入れるとほくほくと甘く、ほどよい渋味とうま味が感じられて非常に美味。ご飯にとても合う。
    タチウオの真子の煮つけタチウオの真子煮つけ 真子だけで流通することも鮮魚店などではある。これをあっさりと煮てみた。真子は表面の汚れや内臓を取り除く。鍋に酒・醤油・水を煮立たせて短時間煮る。真子自体にも甘みがあり、とてもおいしい。甘辛く煮つけると「おかず」になる。

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    好んで食べる地域・名物料理


    タチウオの背ごし背ごし 小振りのタチウオの鰭を落として三枚に下ろさないで薄く切り落としていく。これを酢に漬け込んで骨が軟らかくなったら食べる。食べるときに塩、しょうゆなどで味つけ。また味の素などのうま味調味料をかけてもいい。[金栄丸 和歌山県和歌山市雑賀崎]
    タチウオの刺身せごし 田辺市など和歌山県南部。三枚に下ろして端から切り離したもの。ポン酢などで食べる。
    タチウオのお吸いものタチウオのお吸いもの お吸いもののだしでタチウオの切り身(結ぶこともある)と豆腐を煮て、薄口しょうゆ、酒で味つけしたもの。だしがきいた汁の味がすこぶるつきにうまい。[竹ヶ島のみなさん 徳島県海部郡海陽町宍喰・竹ヶ島]
    タチウオの冷や汁 タチウオ、トビウオなど焼いておいしい魚を使う。焼いてほぐしておく、ゴマと麦みそをすり鉢ですり、焼いた魚を加えてする。少しずつ水を加えて、キュウリ、夏の香辛野菜であるネギ、みょうが、青じそなどを混ぜる。麦みそが非常に合う。これをご飯にかけて食べるのだが、箸が止まらなくなる。協力/佐藤厚さん(長崎県雲仙市)

    韓国
    갈치조림(カルチ ジョリムorカルチ チョリム タチウオの煮つけ) 済州島(제주도/チェジュド)の名物料理。タチウオを煮汁(にんにく・しょうが・唐辛子・しょうゆ・酒・水・砂糖・だし)で煮たもの。かなりの辛さだが、煮汁のうまさとタチウオのたんぱくな味わいが相まってとてもうまい。ご飯に合う。ソウル南大門市場周辺では名物となっている。

    韓国
    갈치구이(カルチ クイ タチウオの塩焼き) 焼くとあるが、ソテーしている。ムニエルといったもいいだろう。ただしごま油を使いにんにく風味も効かせている。これをコチュジャン酢などをつけて食べてもいいようだ。

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    加工品・名産品

    基本的な加工品は干もの。塩干し、みりん干しなど多種多彩。総菜なども少ないながら見受けられる。
    タチウオの干もの小タチウオの干もの 小振りのタチウオを強く干し上げたもの。軽くあぶって食べるのだが、実に味わい深い。[志賀屋 京都府宮津市]
    タチ結びタチ結び 小振りのタチウオを巻き結んだもの。実に丁寧な造りでよくできている。フライなどの揚げもの、吸いもの、煮つけなど用途も広い。[三忠 愛知県蒲郡市三谷町]
    タチウオのハラスの干ものハラス干もの 内臓を抱き込んでいる身の薄い部分を干し上げたもの。脂がのっている割りにあっさりと食べやすく、ビールなどに合う。[北村商店 三重県尾鷲市瀬木山町]
    タチウオのみりん干し太刀魚ミリン干し 甘みがほどよく、なかなかの銘品。[西野商店 三重県尾鷲市天満浦]
    漁師が作った太刀魚の旨煮 佃煮風にたきあげたもの。見た目よりもあっさりしてご飯などによく合う。[伍魚福 兵庫県神戸市長田区海運町]
    タチウオのみりん干し太刀魚みりん干 小振りのタチウオをみりん干しにしたもの。硬く干し上げたもので味がいい。[泉源 徳島県海部郡牟岐町]
    タチウオのみりん干し太刀みりん干し 味つけが濃いめで甘みが強い。[串木野市島平漁協加工センター 鹿児島県串木野市西島平]
    釜揚げたち魚釜揚げたち魚 本来は廃棄されてしまいそうな小さなタチウオをあぶった珍味。[四国特産センター 香川県高松市香川町浅野]
    太刀魚開き天日干し太刀魚開き天日干し やや大振りのタチウオを開いて天日干ししたもの。まるで塩焼きのようでいながら、うま味は凝縮されている。[シーボーン昭徳 佐賀県唐津市中ノ瀬通り]

    釣り情報

    関東では三浦半島観音崎沖での船での釣りが人気。胴つき2本バリのエサ釣り仕掛けを大きくシャクって釣るなかなかハードな釣り。これが静岡にまで南下すると夜釣りで防波堤などから気軽に釣れる。これは夏の風物詩ともいえる釣り。

    歴史・ことわざ・雑学など

    ■ 秋の季語。
    ■ 鎌倉時代末期(北条執権時代末期)、新田義貞が稲村ヶ崎に投げた太刀が、魚になったという伝説がある。
    ■ 体表を覆っているグアニンをガラス玉に塗って模造真珠を作っていた。

    参考文献・協力

    協力/タカスイ(http://www.takasui.co.jp/) 薬師神啓一さん(愛媛県宇和島市)、金栄丸(和歌山県和歌山市雑賀崎 雑賀崎では底曳き網船から直接魚が買える。くわしくは「webはまかぜ通信」)
    『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)

    地方名・市場名

    タチオ
    場所和歌山県、兵庫県明石、高知県 参考文献、魚鑑 
    タチュオ
    場所大阪府堺 参考文献 
    ハクナギ
    場所宮城県 参考文献 
    ハクウオ
    場所宮城県仙台 参考文献 
    カタナ[刀]
    場所富山県下新川郡入善町横山 参考文献 
    マキタチウオ[巻き太刀魚]
    場所山口県宇部市 備考以西大型巻網漁船で下関に水揚げされる太刀魚。トロ箱の中にぐるぐると折り曲げて詰めているところから、「巻き太刀魚」と呼んでいる。サイズは大〜小まで様々。 参考青山時彦さん(宇部市青山鮮魚) 
    ギンタチ ギンダチ ケンペ ケンペイ コダチ
    場所島根県東部 参考島根県水産課 
    サーベル
    場所島根県西部 参考島根県水産課 
    タチイオ
    場所愛媛県 参考文献 
    タチノウオ
    場所東京、福岡県大川市、有明海 参考文献 
    タチウオ
    場所東京都、千葉県、神奈川県、新潟県、静岡県、和歌山県、四国 参考文献 
    カンナクズ[鉋屑]
    場所神奈川県小田原 サイズ / 時期小さいもの 参考並松征彦さん 
    シラガ
    場所神奈川県小田原、新潟県、静岡県沼津市・静岡市 サイズ / 時期幼魚 備考静岡県では幼魚。 参考文献 
    タチ
    場所福井県三国、兵庫県神戸、広島県、島根県、山口県萩、高知県、有明海 参考文献 
    サワベル
    場所福島県 参考文献 
    タチノヨ サアベラ
    場所福島県小名浜 参考文献 
    ダツ
    場所秋田県 参考文献 
    ハクヨ
    場所鳥取 参考文献 
    ハクイオ
    場所鳥取県 備考箔押ししたような魚といういいではないか、と思う。 参考文献 
    ゲタノヒモ[下駄の紐] ゾウリノヒモ[草履の紐]
    場所徳島県阿南市椿泊『椿泊漁業協同組合』 サイズ / 時期小さいもの 備考小さいものをゲタノヒモ(下駄の紐)、ゾウリノヒモ(草履の紐)。 
    ヒモダチ
    場所愛媛県宇和島市 サイズ / 時期小型 
    タビノヒモ
    場所大阪府 サイズ / 時期10cm内外の幼魚 参考文献 
    ヒラガタナ
    場所秋田県象潟 参考文献 
  • 主食材として「タチウオ」を使用したレシピ一覧

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