2m TL 前後になる。吻から背鰭にかけて直線的に隆起し、尾鰭がある。背鰭第1棘は非常に長い。頭長は眼径の5.5〜5.8倍。
ヒレナガユメタチの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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珍魚度・珍しさ
★★★★★
一生出合えない可能性大魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目サバ亜目タチウオ科ユメタチモドキ属外国名
学名
Evoxymetopon poeyi Günther, 1887漢字・学名由来
漢字/鰭長夢太刀
由来・語源/背鰭第1棘が非常に長くユメタチモドキ属であるため。阿部宗明など (1975)は高知県室戸岬沖でたて網によって漁獲し、東京都中央卸売市場に送られた全長153cmの本種を報告し、和名ヒレナガユメタチを提唱(中村泉、1982)。国内で初めて発見したのは具志堅宗弘(『原色 沖縄の魚』(具志堅宗弘 タイガー印刷 1972))。鹿児島大学総合研究博物館「鹿児島県から得られたタチウオ科魚類ヒレナガユメタチ」による。Günther,
Albert Karl Ludwig Gotthilf Günther (アルベルト・ギュンター 1830-1914 ドイツ→イギリス)。動物学者。地方名・市場名 ?
生息域
海水魚。底層遊泳性、大陸棚縁辺から斜面域の水深200m-350m。
[千葉県館山市布良瀬、東京都伊豆大島沖水深180m・八丈島]、静岡県御前崎沖、和歌山県三輪崎沖、室戸岬沖、[鹿児島県鹿児島湾湾口部・種子島北方大隅海峡]、沖縄島、[南大東島]、東シナ海大陸斜面上部域、九州-パラオ海嶺。
台湾東港、モーリシャス。生態
ー基本情報
津軽海峡から本州太平洋、四国、九州、沖縄などで発見されているが、非常に個体数が少ない。食用に供した例も希だと思っている。
当然、一定の評価などはないが、身質はタチウオに非常に似ており、最上級。水産基本情報
市場での評価/流通上見ていない。
漁法/刺し網、釣り
産地/鹿児島県、沖縄県選び方
触って張りのあるもの。銀色が褪せていないもの。味わい
旬は不明。
鱗はない。皮は薄くもろい。骨はあまり硬くない。
透明感のある白身で熱を通しても硬く締まらない。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
ヒレナガユメタチの料理法・レシピ・食べ方/焼く(塩焼き)、生食(焼霜造り)、煮る(ジョリム、煮つけ)、揚げる(フライ)、ソテー(ムニエル)クリックで閉じます
ヒレナガユメタチの塩焼き 鱗がなく、皮目に独特の風味がある。水洗いして適当な大きさに切り、振り塩をする。1時間程度寝かせてじっくり焼き上げる。焼くとふんわり柔らかく、皮目に味がある。身離れもよく、うま味も豊かで非常においしい。
ヒレナガユメタチの焼霜造り 皮が非常に薄いが生ではやや硬い。表面のバーナーなどであぶり急速冷凍庫などで粗熱を取る。氷水に落としてもいい。皮が安定したら刺身状に切る。薄い皮の直下に脂の層があり、身にうま味が豊かで非常においしい。クリックで閉じますヒレナガユメタチの煮つけ 水洗いして適当に切る。肝などはとって置き一緒に煮る。切身を湯通しして冷水に落とし粗熱を取る。これを酒・醤油・水で煮る。みりん、砂糖で甘味をつけてもいい。煮ても硬くならず、身離れがいい。嫌みのない味わいで実にうまい。クリックで閉じますヒレナガユメタチの韓国風煮つけ(カルチジョリムorカルチチョリム/갈치조림) コチュジャン(ヤンニョム)を使った辛い煮つけである。水・コチュジャン・酒を煮立たせた鍋にスライスした大根を敷き、タチウオをのせて煮る。白菜やねぎなどを加えてもいい。酒よりもご飯のおかずである。クリックで閉じますヒレナガユメタチのフライ 尾に近い方を使うといい。三枚に下ろして適当に切り、塩コショウ、小麦粉をまぶして、衣(卵・小麦粉・水)をつける。パン粉をまぶして揚げる。皮付きの身は柔らかく豊潤で非常においしい。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/奥山仁さん(沖縄県)
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)、東京都島しょ農林水産総合センター