
殻長5センチ前後になる。正三角形に近く、膨らみが強く、薄茶色でときに赤みがかり、模様がない。
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魚貝の物知り度 |
食べ物としての重要度 |
味の評価度 |
★★★★ 知っていたら達人級 |
★★ 地域的、嗜好品的なもの |
★★★ 美味 |
分類 |
軟体動物門二枚貝綱異歯亜綱マルスダレガイ目バカガイ超科バカガイ科バカガイ亜科バカガイ属
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外国名 |
英名/Wedge-shaped surf clam
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学名 |
Mactra veneriformisDeshayes in Reeve,1854
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漢字・学名由来 |
漢字 潮吹。
由来・語源
■ 「殻を閉じるときにチュと水を吐き出すので、この名がある」。『標準原色図鑑全集 貝』(波部忠重、小菅貞男 保育社)
■ 「砂などにもぐっているところを掘り出すと、水管から海水を吹くことから」と『魚と貝の事典』(望月賢二 柏書房)にある。ただしアサリをはじめ「しおふき」と呼ばれた貝は数種類あるようで、言葉自体は単一種をさしたものではない可能性がある |
地方名・市場名 [?] |
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生息域 |
海水生。宮城県以南、四国九州、沿海州南部から朝鮮半島、中国大陸。
内湾の潮間帯下部〜水深20メートルの浅い砂泥地に棲む。 |
生態 |
産卵期は4月〜7月。
砂地にもぐり、水管を出してプランクトンやデトリタス(有機質の死骸や破片など)を漉して食べている。
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基本情報 |
潮干狩りの貝。
砂を含んでいることが多いので、ときに嫌われる。
一般にはほとんど流通しないもの。  潮干狩り場でのシオフキ
潮干狩り場ではアサリよりもたくさんとれることがある。おいしくないと思い込んで捨てる人がいるがもったいない。 |
水産基本情報 |
市場での評価 非常に希に入荷してくる。値段は安い。また加工原料に使われることも。
漁法 じょれん曳
主な産地 |
選び方 |
ー |
味わい |
貝殻が薄く、剥き身にしやすい。
旨みが十二分にあって、味わい深いもの。
煮てもあまり硬くならない。
砂を含み安く、ときに剥き身で洗ってから使う方がいい。 |
栄養 |
ー |
寄生虫 |
ー |
食べ方・料理法・作り方 |
砂抜きの方法
1) 潮干狩りなどに行き時は必ずペットボトルなど海水を汲んでこれる容器を用意する。これに海水を入れて持ち帰る。
2) 持ち帰った貝は真水でもいいのでよく表面などを洗う。
3) これをバットやボウルに入れて、海水を満たして、日陰などに半日~一日ほど置く。
注意点 海水温度が上がらないように、ビニールにくるんだ氷(海水が薄まらないように)などで冷やす。暗くするとよく砂を吐く。
調理法
煮もの(醤油煮、佃煮)、みそ汁、ボンゴレ、天ぷら、カレー(すべて剥き貝、ゆでて砂を煮汁で洗う、もしくは砂をよく吐かせてから)
まずは砂抜きをする。それでも砂が残っていたら、貝殻のままゆでる。
ゆで汁は絶対捨ててはダメ。
身を取り出す。この身の砂をゆで汁のなかでよく揺すって落とす。
手間だけど砂をたくさん噛んでいたら外套膜をめくって洗う。
あまり砂を噛んでいなかったら砂を落としたゆで汁も利用できる。これも美味。
それでだしも出るのでみそ汁などにして美味。アサリよりもしっかり煮てよい。
いちばんおいしい食べ方は佃煮もしくは煮物。
油揚げ、ゴボウなどと煮て、ぶっかけ飯(深川丼風)にしてもいい。
剥き身をかき揚げにしてもうまい。
他にはスパゲッティなどにも向いている。
またシオフキでカレーを作っても美味。  シオフキの煮つけ
煮つけ ゆでこぼして剥き身にしたものを、比較的あっさりと煮あげたもの。かなりしっかり煮ても硬くならない。また身自体にも旨味が感じられる。たっぷりとショウガを利かせてある  シオフキの天ぷら
天ぷら 天ぷらは生よりもゆでて、貝殻を外してから。思った以上に味わい深い。 |
好んで食べる地域・名物料理 |
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加工品・名産品 |
東京、千葉などでは佃煮にする。 |
釣り情報 |
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歴史・ことわざ・雑学など |
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旧ページ内容 古い記載が含まれている可能性があります | アサリに混ざってとれるもの。味が悪と思われているために利用されることあまりない。
潮干狩りでときに本命のアサリよりたくさんとれることがある。潮干狩りのときに「シオフキとアサリの見分け方」を教える光景は毎年見られるものだが、これがまた見ていて微笑ましい。
このようにアサリに混ざるものというイメージであるが、実際に食べると美味。 |
参考文献・協力 |
『標準原色図鑑全集 貝』(波部忠重、小菅貞男 保育社)、『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) |
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