コバンヒメジ

Scientific Name / Parupeneus indicus (Shaw.1803)

コバンヒメジの形態写真

40cm SL 前後になる。紡錘形で頭部がいちばん高くだんだん後半になると細くなる。ひげはそれほど長くなく鰓蓋に納まる。背鰭は2。尾柄部に側線下まで伸びる褐色の丸い斑紋がある。[32cm SL・841g]
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40cm SL 前後になる。紡錘形で頭部がいちばん高くだんだん後半になると細くなる。ひげはそれほど長くなく鰓蓋に納まる。背鰭は2。尾柄部に側線下まで伸びる褐色の丸い斑紋がある。[32cm SL・841g]40cm SL 前後になる。紡錘形で頭部がいちばん高くだんだん後半になると細くなる。ひげはそれほど長くなく鰓蓋に納まる。背鰭は2。尾柄部に側線下まで伸びる褐色の丸い斑紋がある。[32cm SL・841g]ひげはそれほど長くなく鰓蓋に納まる。ひげはそれほど長くなく鰓蓋に納まる。40cm SL 前後になる。紡錘形で頭部がいちばん高くだんだん後半になると細くなる。ひげはそれほど長くなく鰓蓋に納まる。背鰭は2。尾柄部に側線下まで伸びる褐色の丸い斑紋がある。[32cm SL・841g]
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★
      がんばって探せば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ヒメジ科ウミヒゴイ属

    外国名

    学名

    Parupeneus indicus (Shaw.1803)

    漢字・学名由来

    漢字 小判比売知 Standard Japanese name / Kobanhimeji
    由来・語源 第一背鰭下に小判色、小判型の斑紋があるため。
    〈ヒメヂ科ウミヒゴヒ属コバンヒメヂ(新称) Parupeneus indicus (SHAW)〉『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)

    地方名・市場名

    ウスンパンカ
    場所沖縄県伊良部島 参考『魚名からみる自然認識:沖縄・伊良部島の素潜り漁師の事例から』(高橋そよ 2014年03) 
    アカイオ グジダー
    場所鹿児島県種子島 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 
    ウミゴイ
    場所鹿児島県鹿児島市鹿児島魚市場 参考久保和博さん 
    ジンバー
    場所沖縄本島 
    フッパンカタカス
    場所沖縄宮古 
    ジンバ
    場所沖縄八重山 

    生息域

    海水魚。サンゴ礁域、水深200mよりも浅い沿岸域。
    八丈島、千葉県勝浦市・館山湾〜[相模湾]〜[三重県熊野市]〜[高知県]〜[宮崎県]〜屋久島の太平洋沿岸・伊予灘・山口県日本海沿岸・福岡県津屋崎・長崎県野母崎、琉球列島。
    済州島、台湾、広東省、印度-西太平洋、カロリン諸島。

    生態

    基本情報

    千葉県や山口県以南の浅い岩礁域やサンゴ礁域に生息している。本州などでも見つかっているが、漁業的には宮崎県、鹿児島県から沖縄にかけての魚である。
    大型で非常に味がいいので認知度が高くなると値を上げそうでもある。
    珍魚度 鹿児島県や沖縄県に多く、そこまで行けば手に入れやすいと思われる。ただし、手に入れるのはかなりたいへん。

    水産基本情報

    市場での評価 大型のヒメジ類のなかでは比較的少ない種。ホウライヒメジなどと混同されて取引されている。徐々に価値が高くなってきている。
    漁法 刺し網、定置網、釣り
    産地 沖縄県、鹿児島県、和歌山県

    選び方

    味わい

    旬は不明。初夏〜初秋の固体は脂があった。
    鱗は大きく硬く取りにくい。皮は厚みがあるがそれほど硬くはない。骨はあまり硬くない。
    血合いの赤い、少しだけ赤みのある白身。時季にもよるが熱を通しても硬く締まらない。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    コバンヒメジの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身、皮霜造り、焼霜造り)、焼く(塩焼き)、煮る(煮つけ)、汁(みそ汁)、揚げる(フライ)

    コバンヒメジの刺身 赤みがかった身色に、赤い血合いという美しい刺身になる。初夏や初秋の固体はほどよい脂が感じられ、濃厚なうま味がある。
    水洗いして三枚に下ろして腹骨と血合い骨を取る。皮を引き刺身状に切る。
    アマダイ科のような豊かなうま味が口の中を満たす。うま味が長々と続いて食べ飽きることがない。

    コバンヒメジの焼霜造り(あぶり) 皮にうま味がある。皮はやや硬めなので、皮側をあぶって切りつける。皮の味が勝って身の味を弱めてしまうものの、全体の味としてはとても魅力的である。三枚に落として腹骨・血合い骨を取る。皮をバーナーであぶり、氷水で粗熱を取る。これを刺身状に切る。
    コバンヒメジの皮霜造り 皮にうま味がある魚だが、あぶるとその香りが強く、身の味が弱まる。バランス的には湯をかけての皮霜造りもいいのである。水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、皮を上にして湯をかける。氷水に落として水分をきり刺身状に切る。酢みそで食べてもおいしい。
    コバンヒメジの兜焼き(塩焼き) 頭部にはおいしい皮を骨の間の身がたっぷりついている。皮にはアマダイのような甘味があり、独特の風味が豊かだ。骨の間の身もおいしい。頭部は梨子割りにする。振り塩をして1時間以上寝かせてじっくりと焼き上げる。
    コバンヒメジの兜煮(煮つけ) 煮つけは大きな頭部で作るのが合理的だ。煮た皮のおいしさは魚類の中でも屈指。意外に身が多いのもうれしい。頭部は梨子割りにする。湯通しして氷水に落として残った鱗やぬめりを流す。これを酒・みりん・醤油・水で煮る。ここでは臭い消しに柑橘類のへべすを使ったが、お好みで。
    コバンヒメジのみそ汁 あらはみそ汁にする。思った以上に濃厚なだしが出る。汁ではあるが御馳走である。付着した身がこれまたとても美味である。あらは適当に切り、湯通しする。冷水に落とし残った鱗やぬめりを流す。水分をよくきり、水から煮出してみそを溶く。
    コバンヒメジのフライ 上品で嫌みのない白身なので、フライ材料としても優秀である。皮をつけるか、否かはお好みである。皮付きにすると少しワイルドだが、皮目の濃厚な味わいが楽しめる。水洗いして三枚に下ろし腹骨・血合い骨を取り、切り身にする。塩コショウして小麦粉をまぶし、溶き卵をからめ、パン粉をつけて中温で揚げる。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/久保和博さん(株式会社大倉 鹿児島県鹿児島市)
    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)
  • 主食材として「コバンヒメジ」を使用したレシピ一覧

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