40cm SL 前後になる。紡錘形で頭部がいちばん高くだんだん後半になると細くなる。ひげはそれほど長くなく鰓蓋に納まる。背鰭は2。尾柄部に側線下まで伸びる褐色の丸い斑紋がある。[32cm SL・841g]
コバンヒメジの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ヒメジ科ウミヒゴイ属外国名
学名
Parupeneus indicus (Shaw.1803)漢字・学名由来
漢字 小判比売知 Standard Japanese name / Kobanhimeji
由来・語源 第一背鰭下に小判色、小判型の斑紋があるため。
〈ヒメヂ科ウミヒゴヒ属コバンヒメヂ(新称) Parupeneus indicus (SHAW)〉『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)地方名・市場名 ?
生息域
海水魚。サンゴ礁域、水深200mよりも浅い沿岸域。
八丈島、千葉県勝浦市・館山湾〜[相模湾]〜[三重県熊野市]〜[高知県]〜[宮崎県]〜屋久島の太平洋沿岸・伊予灘・山口県日本海沿岸・福岡県津屋崎・長崎県野母崎、琉球列島。
済州島、台湾、広東省、印度-西太平洋、カロリン諸島。生態
ー基本情報
千葉県や山口県以南の浅い岩礁域やサンゴ礁域に生息している。本州などでも見つかっているが、漁業的には宮崎県、鹿児島県から沖縄にかけての魚である。
大型で非常に味がいいので認知度が高くなると値を上げそうでもある。
珍魚度 鹿児島県や沖縄県に多く、そこまで行けば手に入れやすいと思われる。ただし、手に入れるのはかなりたいへん。水産基本情報
市場での評価 大型のヒメジ類のなかでは比較的少ない種。ホウライヒメジなどと混同されて取引されている。徐々に価値が高くなってきている。
漁法 刺し網、定置網、釣り
産地 沖縄県、鹿児島県、和歌山県選び方
ー味わい
旬は不明。初夏〜初秋の固体は脂があった。
鱗は大きく硬く取りにくい。皮は厚みがあるがそれほど硬くはない。骨はあまり硬くない。
血合いの赤い、少しだけ赤みのある白身。時季にもよるが熱を通しても硬く締まらない。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
コバンヒメジの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身、皮霜造り、焼霜造り)、焼く(塩焼き)、煮る(煮つけ)、汁(みそ汁)、揚げる(フライ)クリックで閉じます
コバンヒメジの刺身 赤みがかった身色に、赤い血合いという美しい刺身になる。初夏や初秋の固体はほどよい脂が感じられ、濃厚なうま味がある。
水洗いして三枚に下ろして腹骨と血合い骨を取る。皮を引き刺身状に切る。
アマダイ科のような豊かなうま味が口の中を満たす。うま味が長々と続いて食べ飽きることがない。
コバンヒメジの焼霜造り(あぶり) 皮にうま味がある。皮はやや硬めなので、皮側をあぶって切りつける。皮の味が勝って身の味を弱めてしまうものの、全体の味としてはとても魅力的である。三枚に落として腹骨・血合い骨を取る。皮をバーナーであぶり、氷水で粗熱を取る。これを刺身状に切る。クリックで閉じますコバンヒメジの皮霜造り 皮にうま味がある魚だが、あぶるとその香りが強く、身の味が弱まる。バランス的には湯をかけての皮霜造りもいいのである。水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、皮を上にして湯をかける。氷水に落として水分をきり刺身状に切る。酢みそで食べてもおいしい。クリックで閉じますコバンヒメジの兜焼き(塩焼き) 頭部にはおいしい皮を骨の間の身がたっぷりついている。皮にはアマダイのような甘味があり、独特の風味が豊かだ。骨の間の身もおいしい。頭部は梨子割りにする。振り塩をして1時間以上寝かせてじっくりと焼き上げる。クリックで閉じますコバンヒメジの兜煮(煮つけ) 煮つけは大きな頭部で作るのが合理的だ。煮た皮のおいしさは魚類の中でも屈指。意外に身が多いのもうれしい。頭部は梨子割りにする。湯通しして氷水に落として残った鱗やぬめりを流す。これを酒・みりん・醤油・水で煮る。ここでは臭い消しに柑橘類のへべすを使ったが、お好みで。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/久保和博さん(株式会社大倉 鹿児島県鹿児島市)
『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)