オジサン

Scientific Name / Parupeneus multifasciatus (Quoy & Gaimard, 1825)

オジサンの形態写真

最大35cm TL 前後になる。平均的な体長は25cm SL 前後。ウミヒゴイ属では小型。下あごに2本のひげが伸びる。頭が大きく紡錘形で、尾びれの前と第二背鰭下に褐色の斑紋がある。
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最大35cm TL 前後になる。平均的な体長は25cm SL 前後。ウミヒゴイ属では小型。下あごに2本のひげが伸びる。頭が大きく紡錘形で、尾びれの前と第二背鰭下に褐色の斑紋がある。最大35cm TL 前後になる。平均的な体長は20cm SL 前後。ウミヒゴイ属では小型。下あごに2本のひげが伸びる。頭が大きく紡錘形で、尾びれの前と第二背鰭下に褐色の斑紋がある。[銭州産 19cm SL ・165g]最大35cm TL 前後になる。平均的な体長は20cm SL 前後。ウミヒゴイ属では小型。下あごに2本のひげが伸びる。頭が大きく紡錘形で、尾びれの前と第二背鰭下に褐色の斑紋がある。[銭州産 26cm SL ・346g]最大35cm TL 前後になる。平均的な体長は20cm SL 前後。ウミヒゴイ属では小型。下あごに2本のひげが伸びる。頭が大きく紡錘形で、尾びれの前と第二背鰭下に褐色の斑紋がある。
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★
      がんばって探せば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ヒメジ科ウミヒゴイ属

    外国名

    Manybar goatfish
    言語英語 備考fishbase 
    Rouget à trois bandes
    言語フランス語 場所フランス 
    多帶副緋鯉 老爺 秋姑 鬚哥
    言語中国語 場所中国 
    黑點秋哥 黑尾秋哥
    言語中国語 場所台湾(澎湖) 

    学名

    Parupeneus multifasciatus (Quoy & Gaimard, 1825)

    漢字・学名由来

    漢字 叔父さん、伯父さん Ojisan
    由来・語源 下顎のヒゲで、「ヒゲを生やしたおじさん」に例えた。
    田中茂穂は正しい学名 Parupeneus multifasciatus 1955年で、小笠原での呼び名、オジイサン(老翁)を採用したとしている。
    松原喜代松は1938年にも1955年にも、主にインド洋にいる Parupeneus trifasciatus (Lacepède, 1801)/Doublebar goatfishの学名をあててをオヂサンとしていた。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)
    どちらにしても下あごのひげから「おじさん」を連想したもの。
    英名/Manybar goatfish goatfish はヒメジ科の魚の特徴が下顎にヒゲが生えているところからヤギ(goat)の様な顔をした魚。Manybar は体にたくさんの帯(bar)模様があるためだと思われる。特に若い個体は帯模様が目立つ。

    地方名・市場名

    生息域

    海水魚。浅い岩礁域、珊瑚礁域。
    八丈島、[銭州]、小笠原諸島、千葉県外房〜九州南岸の太平洋沿岸、山口県日本海側〜福岡県、熊本県、琉球列島。
    済州島、台湾、西沙群島、東インド〜太平洋域。

    生態

    基本情報

    日本列島の温暖な地域に生息する。沖縄県、鹿児島県、東京都諸島部などでは比較的普通。食用魚としても一定の評価がある。
    大型の多いウミヒゴイ類のなかでは比較的小型。味のよさから、他のウミヒゴイ類同様近年になる評価を上げてきている。
    珍魚度 大型のヒメジ科の中では珍しい部類に属する。珍魚ではないが手に入れにくい。

    水産基本情報

    市場での評価 大型ヒメジ類に混ざって入荷してくることが多い。近年評価が高くなってきている。
    漁法 刺し網、定置網、釣り
    産地 鹿児島県、東京都、和歌山県、沖縄県

    選び方

    触って張りのあるもので色が濃いもの。退色しているものは古い。

    味わい

    春から夏ではないかと思うが、年間を通してあまり味が変わらない。
    鱗は大きく薄く取りやすい。ヒメジ科の中では厚みがあってやや強い。
    透明感のある白身でクセがない。骨、皮などからいいだしが出る。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    オジサンの料理・レシピ・食べ方/生食(皮霜造り)、煮る(煮つけ、まーす煮)、ソテー(ポワレ)、揚げる(フライ)

    オジサンの科皮霜造り(刺身) 旬ははっきりわからないが、伊豆諸島などでは晩秋から初夏、晩秋から冬にかけて脂がのっている。初冬の固体を水洗いする。三枚に下ろし、腹骨・血合い骨を取り、皮目に湯をかけて氷水に落とす。水分をよくきり、適当に切る。皮目に独特の好ましい風味がる。しかも湯をかけることで甘味が浮き上がってくる。食感もよく非常にうまい。

    オジサンの焼霜造
    オジサンの刺身
    オジサンのフライ 水洗いして三枚に下ろす。腹骨と血合い骨を取る。皮を引かないで水分をよくペーパータオルで吸い取り、塩コショウする。小麦粉をまぶし、衣(水・卵・小麦粉)をからめ、パン粉をつけて揚げる。皮周辺に独特の甘みがあり、身はふっくらと豊潤でおいしい。お弁当のおかずにもなる。
    オジサンのポワレ フレンチのポワレは小麦粉をつけないで塩こしょう。たっぷりのオイルのなかで弱火で香ばしく焼き上げるもの。皮に厚みがあるものが向いている。皮に厚みがあり、独特の風味を持つ。白身で繊維質でぼろぼろしない身なので、もっとも良質なポワレとなる。
    オジサンの煮つけ 紀伊半島などでウミヒゴイ属は基本的に煮つけにすることが多い。煮ても硬く締まらず、くせのない白身でおいしいからだ。水洗いして湯通しする。冷水に落として残った鱗などを流す。水分をよくきり、酒・醤油・水、臭み消しのショウガを煮立てた中に入れて煮る。みりん、砂糖で甘味をつけるとご飯に合う。
    オジサンのまーす煮 沖縄の郷土料理である、まーす煮は少量の水と塩で煎り煮をするもの。強火で水分を飛ばしながら作る。身はしっとりと骨離れがよく、皮には甘みがああって滋味を感じる。煮汁は魚からの旨味で旨味が強く身や皮と絡めて食べたい。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/マルコウ水産(東京都八王子市)
    『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)

    地方名・市場名

    オジサン
    場所国内で流通上、東京都小笠原・伊豆諸島、鹿児島県種子島、沖縄県東大東島 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年)、『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 
    ダンナ
    場所東京都伊豆・伊豆諸島 参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 
    オジイサン
    場所東京都小笠原 参考『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004) 
    ヘエルカタカシ
    場所沖縄 参考文献 
    ウツナーヌーラ
    場所沖縄県伊良部島 参考『魚名からみる自然認識:沖縄・伊良部島の素潜り漁師の事例から』(高橋そよ 2014年03) 
    カタカシ
    場所沖縄県南城市知念漁協 参考『美ら海市場図鑑 知念市場の魚たち』(三浦信男 ぬにふぁ星 2012) 
    タカヤス タカヤシ
    場所鹿児島県奄美大島古仁屋 参考文献 
    ハタス
    場所鹿児島県奄美大島早町 参考文献 
    グジダー グジダイ
    場所鹿児島県種子島 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 
    メンドリ
    参考文献より。 
  • 主食材として「オジサン」を使用したレシピ一覧

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