最大35cm TL 前後になる。平均的な体長は25cm SL 前後。ウミヒゴイ属では小型。下あごに2本のひげが伸びる。頭が大きく紡錘形で、尾びれの前と第二背鰭下に褐色の斑紋がある。
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![最大35cm TL 前後になる。平均的な体長は20cm SL 前後。ウミヒゴイ属では小型。下あごに2本のひげが伸びる。頭が大きく紡錘形で、尾びれの前と第二背鰭下に褐色の斑紋がある。[銭州産 19cm SL ・165g]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/742/Thumb630/20201125470.jpg)
![最大35cm TL 前後になる。平均的な体長は20cm SL 前後。ウミヒゴイ属では小型。下あごに2本のひげが伸びる。頭が大きく紡錘形で、尾びれの前と第二背鰭下に褐色の斑紋がある。[銭州産 26cm SL ・346g]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/742/Thumb630/20230613854.jpg)

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珍魚度・珍しさ
★★★
がんばって探せば手に入る魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目スズキ亜目ヒメジ科ウミヒゴイ属外国名
学名
Parupeneus multifasciatus (Quoy & Gaimard, 1825)漢字・学名由来
漢字 叔父さん、伯父さん Ojisan
由来・語源 下顎のヒゲで、「ヒゲを生やしたおじさん」に例えた。
田中茂穂は正しい学名 Parupeneus multifasciatus 1955年で、小笠原での呼び名、オジイサン(老翁)を採用したとしている。
松原喜代松は1938年にも1955年にも、主にインド洋にいる Parupeneus trifasciatus (Lacepède, 1801)/Doublebar goatfishの学名をあててをオヂサンとしていた。『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1938)
どちらにしても下あごのひげから「おじさん」を連想したもの。地方名・市場名
生息域
海水魚。浅い岩礁域、珊瑚礁域。
北海道函館市臼尻町(幼魚)、八丈島、[銭州]、小笠原諸島、千葉県外房〜九州南岸の太平洋沿岸、山口県日本海側〜福岡県、熊本県、琉球列島。
済州島、台湾、西沙群島、東インド〜太平洋域。生態
ー基本情報
日本列島の温暖な地域に生息する。沖縄県、鹿児島県、東京都諸島部などでは比較的普通。食用魚としても一定の評価がある。
大型の多いウミヒゴイ類のなかでは比較的小型。味のよさから、他のウミヒゴイ類同様近年になる評価を上げてきている。
珍魚度 大型のヒメジ科の中では珍しい部類に属する。珍魚ではないが手に入れにくい。水産基本情報
市場での評価 大型ヒメジ類に混ざって入荷してくることが多い。近年評価が高くなってきている。
漁法 刺し網、定置網、釣り
産地 鹿児島県、東京都、和歌山県、沖縄県選び方
触って張りのあるもので色が濃いもの。退色しているものは古い。味わい
春から夏ではないかと思うが、年間を通してあまり味が変わらない。
鱗は大きく薄く取りやすい。ヒメジ科の中では厚みがあってやや強い。
透明感のある白身でクセがない。骨、皮などからいいだしが出る。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
オジサンの料理・レシピ・食べ方/生食(皮霜造り)、煮る(煮つけ、まーす煮)、ソテー(ポワレ)、揚げる(フライ)クリックで閉じます
オジサンの科皮霜造り(刺身) 旬ははっきりわからないが、伊豆諸島などでは晩秋から初夏、晩秋から冬にかけて脂がのっている。初冬の固体を水洗いする。三枚に下ろし、腹骨・血合い骨を取り、皮目に湯をかけて氷水に落とす。水分をよくきり、適当に切る。皮目に独特の好ましい風味がる。しかも湯をかけることで甘味が浮き上がってくる。食感もよく非常にうまい。
オジサンのフライ 水洗いして三枚に下ろす。腹骨と血合い骨を取る。皮を引かないで水分をよくペーパータオルで吸い取り、塩コショウする。小麦粉をまぶし、衣(水・卵・小麦粉)をからめ、パン粉をつけて揚げる。皮周辺に独特の甘みがあり、身はふっくらと豊潤でおいしい。お弁当のおかずにもなる。クリックで閉じますオジサンのポワレ フレンチのポワレは小麦粉をつけないで塩こしょう。たっぷりのオイルのなかで弱火で香ばしく焼き上げるもの。皮に厚みがあるものが向いている。皮に厚みがあり、独特の風味を持つ。白身で繊維質でぼろぼろしない身なので、もっとも良質なポワレとなる。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/マルコウ水産(東京都八王子市)
『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)、『記録的猛暑の 2023 年に北海道函館市臼尻から SCUBA 潜水によって採集された北限記録 13 種を含む初記録 14 種の魚類』(根来晃佑 1, 2・宗原弘幸)地方名・市場名 ?
オジサン
場所国内で流通上、東京都小笠原・伊豆諸島、鹿児島県種子島、沖縄県東大東島 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年)、『伊豆・小笠原諸島の魚たち 改訂2版』(東京都水産試験場 2004)