
体長40センチ前後になる。縦偏形(平べったい)。上から見ると細長い楕円形。目は左にある。裏返すと鰭が黒い。口の回りにひげのようなものがある。
クロウシノシタの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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魚貝の物知り度 |
食べ物としての重要度 |
味の評価度 |
★★★★ 知っていたら達人級 |
★★★ 一般的(流通量は多くも少なくもない) |
★★★★ 非常に美味 |
分類 |
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系カレイ目ウシノシタ亜奥ウシノシタ科タイワンシタビラメ属
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外国名 |
英名/Tonguefish, Tongue-sole
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学名 |
Paraplagusia japonica (Temminck and Schlegel,1846)
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漢字・学名由来 |
漢字 黒牛舌
由来・語源 古くはウシノシタであった。これではウシノシタ類の代表的なものに思えるが、それに価するほどは味がよくない。またウシノシタ類をいうときと紛らわしいので、「黒」をつけた。(田中茂穂の記載を要約) |
地方名・市場名 [?] |
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生息域 |
海水魚。北海道小樽以南。黄海〜南シナ海。
内湾の砂泥地。 |
生態 |
福島県では7月から9月、若狭湾では6月から7月、宮崎県では6月から8月。 |
基本情報 |
ウシノシタ科ではアカシタビラメ、クロウシノシタ、イヌノシタの3種が食用となる代表的なもの。
ウシノシタ科ではもっとも北にまで分布する。
比較的入荷の多いもので、小売り店で見かける機会も多い。
フレンチなどではムニエルになるもの。 |
水産基本情報 |
市場での評価 シタビラメのなかでは入荷の多いもの。値段はやや高値。
漁法 底曳き網
産地 |
選び方 |
触って張りのあるもの。硬いもの。色が濃く黒みの強いもの。 |
味わい |
旬は春から夏(?)
白身でクセがない
微かだが皮に臭みを感じる。
原則的に皮を剥いて料理する。
皮は頭部、最先端から剥く。  原則的に皮を剥いて料理する。皮は頭部、最先端から剥く。 |
栄養 |
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寄生虫 |
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食べ方・料理法・作り方 |
料理法
揚げる(フライ)、ソテー(ムニエル)、煮る(煮つけ)、塩焼き
グージョネット
これもまたフレンチだが、フライにしてもよい。グージョネットはフランス語で小魚を意味している。五枚に下ろして帯状に切り、小魚の形にしてフライにする。  クロウシノシタのムニエル
ムニエル
バターとの相性は非常によく、一般にムニエルになることが多い。フレンチの定番であるが、これが非常においしい。ウシノシタ類でも最上のものだと思う。  クロウシノシタの煮つけ
煮つけ
漁師さんなどはご飯のおかずに甘辛く煮つける。このとき皮を剥くか、それとも皮付きで煮るかは好みの分かれるところ。皮付きの方が味がいいのだが、微かに臭みが感じられる。これが総菜として優れていて、美味。 みりん焼き
単に「塩焼き」にしても味のいい魚だが、淡泊すぎて少しもの足りない。それを酒とみりんを塗ることで補ってみた。ほんのりとした甘味がいい。  クロウシノシタの刺身
刺身
鮮度が良ければ刺身にもなる。シコっとした食感が心地よく、ほどよい甘みが感じられる。 |
好んで食べる地域・名物料理 |
ー  クロウシノシタの煮つけ
煮つけ
和歌山県和歌山市雑賀崎では「金牌しょうゆ」、もしくは「ニシコ醤油」だけで煮つけるのだという。作り方は水に水洗いした魚を入れて8分通り火を通す。ここにしょうゆを加えて煮上げる。しょうゆは濃厚な味だが、それほど甘くない。それなのに身に甘みが感じられる。 |
加工品・名産品 |
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釣り情報 |
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歴史・ことわざ・雑学など |
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参考文献・協力 |
協力/金栄丸(和歌山市雑賀崎 金栄丸では魚の販売もやっています)
「宮崎県沿岸におけるクロウシノシタの産卵期」(田代一洋、岩田一夫、延東真、佐藤昌子)、『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会) |
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