1m TL 前後になる。体は少し側へん(左右に平たい)し長い。体に不定形の線状の斑紋がある。背鰭は3基、腹鰭は喉に近いところにある。上顎は下顎よりも前に突出する。下顎に1本のヒゲがあり眼径と等しいか長い。[81cm TL・5.195kg]
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![1m TL 前後になる。体は少し側へん(左右に平たい)し長い。体に不定形の線状の斑紋がある。背鰭は3基、腹鰭は喉に近いところにある。上顎は下顎よりも前に突出する。下顎に1本のヒゲがあり眼径と等しいか長い。[81cm TL・5.195kg]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/166/Thumb630/20230107748.jpg)
![1m TL 前後になる。体は少し側へん(左右に平たい)し長い。体に不定形の線状の斑紋がある。背鰭は3基、腹鰭は喉に近いところにある。上顎は下顎よりも前に突出する。下顎に1本のヒゲがあり眼径と等しいか長い。[40cm TL・543g]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/166/Thumb630/20241009302.jpg)
![1m TL 前後になる。体は少し側へん(左右に平たい)し長い。体に不定形の線状の斑紋がある。背鰭は3基、腹鰭は喉に近いところにある。上顎は下顎よりも前に突出する。下顎に1本のヒゲがあり眼径と等しいか長い。[40cm TL・543g]](https://www.zukan-bouz.com/public_image/Fish/166/Thumb630/20241009303.jpg)


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珍魚度・珍しさ
★★
少し努力すれば手に入る魚貝の物知り度
★★
これは常識食べ物としての重要度
★★★★
重要味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区側棘鰭上目タラ目タラ科マダラ属外国名
学名
Gadus macrocephalus Tilesius, 1810漢字・学名由来
漢字 真鱈、大口魚 Standard Japanese name / Madara
由来・語源
〈たら 鱈〔俗字〕 大口魚〔『東医宝鑑』〕 〔俗に多羅という〕……ほぼ鱸に似ていて大口で細鱗。大きい頭に硬い骨。顎の下に細い髭があるが見えにくい。頭の中に小碁子(ごいし)のような白石二個があり……しおものとすると大変佳い〉。『和漢三才図会』(寺島良安 東洋文庫 平凡社 正徳2年 1712)
〈GADUS Brandtii Hilgd, たら 北海道 同東京市場〉。東京市場で主に流通していたのは本種であった。スケトウダラはあまり人気がなく、単にタラは本種を指した。『帝国博物館天産部魚類標本目録.帝国博物館』(石川千代松・松浦歓一郎 1897/明治30年)
鱈 〈この鱈にはマダラとスケトウダラとある。富山縣や上越地方ではスケトウダラを單にタラと言って、マダラを必ずマダラと言って區別している。〉。『魚と人生』(田中茂穂 楽浪書院 1934)
■ 室町期に北陸でとったものを塩蔵、塩干し、素干しなどにして都などに送っていた。これを都周辺(畿内)で「たら」とした。そのために地方名が少ないのではないか。
■ 単に「たら」と呼ぶので元語は〈たら〉であろうとする説もあるが、〈まだら〉を語源と見るべき。身体に「斑(まだら)」があるため。
■ 鱈の文字は「雪」に「魚」をつけたもの。身が雪のように白いから。腹が白いから。
■ 文字は初雪の頃からとれ始めるから。
■ スケトウダラに対して「真鱈」と呼ぶ。
■ 切っても身が白く、血が「足らぬ」ので。Tilesius
ヴィルヘルム・ゴットリーブ・ティレジウス(Wilhelm Gottlieb Tilesius von Tilenau 1769-1857)。ドイツの博物学者、探検家、医師。地方名・市場名
生息域
海水魚。1280mよりも浅い大陸棚〜大陸棚斜面。水深150-250mに多い。
北海道全沿岸、青森県〜茨城県、[相模湾真鶴町岩]の太平洋沿岸、青森県〜山口県の日本海沿岸。
大陸棚周辺北緯37度以北の北太平洋。朝鮮半島から北米カリフォルニア州サンタモニカ湾まで。生態
産卵期は12月〜翌年3月。
成魚は非常にどん欲で「鱈腹食べる」とあるのはマダラの生態から来る。
寿命は南では短く6〜8年、高緯度では11年以上。基本情報
日本海山口県、太平洋茨城県以北に生息する深海魚で、典型的な北国の魚である。
大口魚の別名があるように口が非常に大きく、「たらふく」に漢字「鱈腹」がしばしば当てられるように非常に獰猛で魚でも甲殻類でも大量に食べる。水洗いしていると様々な魚が飛び出してくるもの楽しいものだ。
タラ漁自体は水深の浅い北国で始まったが、室町期など畿内中心の時代には北陸などでとれたマダラが塩漬けになったり、乾物になったりして都に送られていたので食用魚としての歴史は古い。
鮮魚は国内でも関東の江戸(東京都)以北の東日本でよく食べられていたが、高度成長期を経て全国的な魚となる。特に北陸・関東以北では古くから寒い時期の鮮魚としてもっとも重要なものである。汁に鍋(たらちり)材料に寒い時期に欠かせない。もともとは塩蔵品での流通であったが、流通の発達から鮮魚でも流通するようになっている。塩蔵品の原材料は需要の高さからアメリカ、ロシアなどから輸入してまかなっている。
「くもわた」、「きく」、「たち」などとも言われる白子は非常に高価であり、これも輸入されている。マダラの雄が断然雌よりも高いのは身質のよさもあるが、白子がおいしいからだ。
タラコはスケトウダラの子であり、マダラのものではない。マダラのものはスケトウダラよりも落ちるので特に「マダラ子」と呼ばれている。
珍魚度 平凡な食用魚だが、食材として手に入れるのは簡単ではあるが、全容(丸)のまま姿を見るのは努力を要する。水産基本情報
市場での評価 秋から冬に入荷が多い。鮮魚では圧倒的に雄が多く、雌はフィレなどで流通する。
関東では丸(鮮魚)、フィレ(塩ぶわ、生ぶわ)など形態はいろいろ。年間を通して市場にある。アメリカなどからの輸入が多く、国産はやや高価。頬(ほお)、かまなど部分部分を分けての流通もある。卵巣はやや高値。国産ものの白子は常に品薄感があり非常に高く、輸入ものはやや高価。
漁法 定置網(底建網)、刺網、釣り、底曳き網
主な産地 北海道、青森県、宮城県、岩手県、新潟県、秋田県選び方
触ってしっかり張りのあるもの。目が澄んでいて鰓が鮮紅色のもの。
甘塩、冷凍など様々な形で流通していますが、寒い時期の生はクセがなく旨みが豊富。切り身は幅があり張りのあるものを。また白子や卵、内臓です。白子の味はフグとともに最上級とされます。マダラの卵は「たらこ」と一般に呼ばれるスケトウダラに味の点では及びませんが、安くておいしい。肝や胃袋などは身よりも栄養価が高い。味わい
旬は産卵期と重なり秋から冬で寒くなるほど美味しくなる。また山形県庄内地方では産卵後、回復期である5月、6月くらいからの個体も「木ノ芽たら(きのめたら)」といって味がいいという。
鱗は薄く小さく取りやすい。皮はやや強く厚みがある。骨は軟らかい。
クセのない適度に繊維質の透明感のある白身で白濁するのが早い。熱を通しても硬く締まらない。
白子は軟らかくクセがなく熱を通しても硬く締まらない。卵巣は卵粒が大きいのでスケトウダラと比べると一段味が落ちるとされるが、比べなければ美味。
料理の方向性マダラ本体、白子、卵巣などで多彩な料理が作れる。本体はまったくクセのない水分の多い白身。煮崩れしやすいが、熱を通しても硬く締まらない。白子は軟らかくまったくクセがない。とてもクリーミーである。真子は卵粒が多いものの煮ても焼いてもうまい。栄養
良質のタンパク質を豊富に含み、カリウム、カルシウム、リンなどミネラル分をバランスよく含んでいる。脂質が少なく、低コレステロール、低エネルギーであり、アメリカ、ヨーロッパなどではダイエット食とされています。また脂質、ビタミン類などは肝臓、白子などに多い。危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
マダラの料理・レシピ・食べ方/汁(塩仕立て、しょうゆ仕立て、みそ仕立て、鍋)、ソテー(リエット、コートレット、ブランダード、ジョン、ムニエル)、揚げる(フライ)、刺身(昆布締めなど)、ホイル焼きクリックで閉じますマダラ本体たらちり(鱈ちり) 水洗いし、大型魚は三枚に下ろす。大型はあらを使い、小型はぶつ切りにする。食べやすい大きさに切り、湯通しして表面のぬめりを流し、冷水に落として水分をきる。これを昆布だし・酒・塩の地で煮ながら食べる。野菜などはお好みで。関東などで昔から冬の味覚として親しまれてきたわけが食べるとわかる。
クリックで閉じます白子白子豆腐(白子湯豆腐) 白子は血液などを皮膜と一緒にとる。ざっと流水で洗い。昆布だしで煮ながら食べる。この白子だけでも「白子豆腐」といっていいと思うが、白子と豆腐をかわりばんこに食べた方が好きだ。ポン酢、生じょうゆにネギで食べるのが基本形だ。
クリックで閉じますマダラ卵巣まだら子の煮つけ マダラ子を適宜に切り、薄味で煮たもの。味つけの濃さはお好みで。スケトウダラのタラ子と比べると卵粒が粗いが味はいい。本種の卵巣は成熟が進みすぎるとばらけやすくなる。それを煮てばらけても味はいいものの見た目がいいとは言えない。また成熟が進むと味が落ちるので食べ頃のものを見つけるのが難しい。クリックで閉じますマダラ本体マダラのコートレット 明治時代にフランス料理の牛肉のコートレット (côtelette) がこの国にやってきて、これをアレンジしたのがカツレツ、トンカツである。ただコートレットは揚げるのではなく多めのバターでソテーする。三枚に下ろし皮を引く。切り身にして塩コショウ。小麦粉をまぶし、溶き卵をつけパン粉をつけて多めの溶かしたバターの中でじっくりとソテーする。マダラはフライにしてもいいが、多めのバターでソテーすると味わいに奥行きが生まれる。
クリックで閉じますマダラ本体タラのフライ 小振りのものは水洗いして三枚に下ろし、血合い骨・腹骨を取り、皮を引く。大型のものは三枚に下ろして血合い骨を避けて切り身にする。塩コショウして小麦粉をまぶす。溶き卵に潜らせて、パン粉をつけて揚げる。さっぱりして軽い味わいだが、筋繊維の間に出て来たエキス分にこくを感じる。クリックで閉じますマダラ本体マダラのリエット フランス料理のリエット(Rillettes)は本来、豚肉を使って作る料理だが魚用にアレンジしたもの。本家本元とはまったく別の料理だ。切り身(塩蔵でも)と玉ねぎもしくはリーキ、たっぷりのバター、牛乳を使った料理だ。リーキ(玉ねぎでも)のみじん切り、バター、マダラの切り身をフライパンに入れてじっくりほぐしながら火を通していく。ほぐれてきたら牛乳を加えて練り上げる。これだけを食べてもいいがパンなどにつけて食べる。濃厚な味わいではあるがタレのうま味と乳製品が作り出す味は絶品。
クリックで閉じますマダラ本体マダラのブランダード フランス料理のブランダード(Brandard)はかき混ぜるという意味のある料理。タラと相性のいいジャガイモを組み合わせ、牛乳とバターで練り合わせるもの。マダラの切り身は塩コショウ、塩蔵はコショウする。フライパンにバター、ゆでたジャガイモ、玉ねぎ、下ろしニンニクを入れて全体をつぶしながら火を通していく。ある程度つぶれたら牛乳を加えて滑らかになるまで練り上げていく。うま味豊かなマッシュポテトといったもので、満足度も高く、これだけで食事にもなる。
クリックで閉じますマダラ本体マダラのムニエル マダラ類のムニエルは世界的な料理である。ほどよく繊維質で柔らかくほぐれやすい身を油でソテーすると最高の味わいになる。バターとの相性もいい。切り身はそのまま。丸は三枚に下ろし腹骨・血合い骨を取る。皮を引き、塩コショウし、小麦粉をまぶして多めの油でソテー。仕上げにバターで風味づけする。クリックで閉じますマダラのソテー
マダラ本体マダラのハーブ焼き マダラは和洋中どのような料理にも向いている。これは細かく切った玉ねぎとセロリと一緒にシュエ(弱火で時間をかけてソテー)、タラを取りだしてつぶしたトマトと白ワインでデグラッセしてソースにしたもの。クリックで閉じます白子白子のムニエル 白子は血管・皮膜などを取り去り、小麦粉をまぶし、じっくりとバターでソテーしたもの。ナイフを入れると生クリームのような白子がとろりと溶け出すくらいの加減でソテーするのがいい。クリックで閉じますマダラ本体マダラの魚田 あさりとイヤミのない白身ながら、逆にみると味がないので、塩焼きにしてももの足りない。切り身にして素焼きにしたマダラの切り身に甘みそをのせて焼き上げた。みそ・みりん・酒・砂糖を合わせて山椒の風味をつけた。クリックで閉じますマダラ本体ホイル焼き ホイルにキノコやゆでたジャガイモ、スライスした玉ねぎ、たっぷりのバターなどを包んで焼いたもの。バターのほかにマヨネーズでもいいし、白ワイン、日本酒を使ってもいい。ようするに野菜、マダラの切り身(塩蔵でも可)を油分、水分とともにホイルで包み込んでフライパンなどで加熱する料理だ。クリックで閉じますマダラ本体ほおの唐揚げ マダラの頬は単体でも流通している。らぶん塩蔵タラや雌のタラをフィレにするときに出るものだろう、と思っている。これを唐揚げにしたもの。独特の食感で弾力が強くて噛みしめるとじわりと肉汁が出てくる。関連コラム(料理法・レシピ)
3月29日 マダラのブランダード
1月に何固体か撮影したマダラの最後の切身でブランダードを作る。ちゃんと習ったわけでもない、いかにも怪しげなBrandard というのがちゃんとしたフランス料理ら・・・ 続きを開く好んで食べる地域・名物料理
鱈の煮つけ 群馬県佐波郡で年末年始に作る。塩鱈を塩抜き、砂糖、醤油、酒、水を煮立て塩抜きした切り身を入れて煮る。クリックで閉じます
じゃっぱ汁(塩仕立て)/下北地方 青森県ではマダラのあら(中骨、腹骨周り、胃袋、肝)を「じゃっぱ」という。これを適当に切り、塩をまぶして半日から一日寝かせる。これを煮干しだしで煮る。大根やねぎを入れて、できるだけ澄んだ汁にする。しょうゆで味つけする人もいるが、みそは「みそがつく」と言って嫌い使わないのだという。[青森県下北郡佐井村]
じゃっぱ汁(みそ仕立て)/津軽地方 青森県ではあら、内臓、胃袋、肝(あぶら)を青森県では「じゃっぱ」という。煮干しだしを使ってみそ仕立てで汁にする。酒粕を加え、肝(あぶら)がたっぷり入ると濃厚な味わいになる。[青森県津軽地方]クリックで閉じますどんがら汁 山形県で「寒だら汁」、「どんがら汁」、」。あらや内臓で作る汁で。新潟県や山形県ではあら・内臓を「がら」、また「どんがら」ということからきている。山形では「身よりもうまいどんがら」という言葉もあるようだ。あらを煮て、山形県では基本的にみそで味つけする。肝(あぶらわた)がたっぷり入っていて濃厚でありながら後味がいい。岩のりを加えるのが当たり前のようにネットなどにあるが、あれば入れる程度のもので、普通は入れないという人の方が多い。[民宿 丸武 山形県鶴岡市鼠ヶ関]クリックで閉じますタラのどんがら汁
湯豆腐 塩蔵したマダラのフィレを「しおぶわ(ぶわたら)」という。関東では湯豆腐には「ぶわたら」を入れるのが普通。居酒屋の庶民的な味わいだが、一般家庭でも重宝する。東京都など関東と「塩蔵タラ(ぶわたら)」の加工が盛んな宮城県との水産的な関わりの深さがわかる。クリックで閉じます湯豆腐
たらの昆布締め 昆布締めを好んで作るのが富山県。県内各地でいろんな魚貝類の昆布締めが見られるが、マダラの昆布締めはその代表格である。刺身は上質で甘味があるが、昆布の風味をプラスして適度に水分をのぞくと絶品になる。[大西鮮魚店 富山県南砺市城端]クリックで閉じますたらの昆布締め
いも棒 マダラの乾物(頭を除いて開き寒風で干し上げたもの)をもどして、えびいもと煮たもの。大量の鰹節だしを使って長時間「棒だら」が軟らかくなるまで煮る。煮崩れにくい海老いもあってこその料理。[京都市]クリックで閉じますいも棒
タラの煮つけ 山形県では比較的あっさりと味つけする。こうすることによって、マダラの身自体の味がそのままに楽しめる。これが実に美味で、食べ始めると止まらない。[民宿 丸武 山形県鶴岡市鼠ヶ関]クリックで閉じますタラの煮つけ
『江戸っ子菓子屋のおつまみ噺』(細田安兵衛 慶応大学出版会)に明治の末頃の三越呉服店の「商店小僧の三食調べ」というのがあって、そこに「鱈の煮付」が載っている。東京に出てきて初めて食堂で食べたのが実にしょうゆで煮染まって真っ黒なもの。たぶん、明治期も同じようなものだったと考えられる。クリックで閉じますマダラの煮もの
刺身 岩手県釜石市、大槌町、宮古市では刺身で食べることが一般的。スーパーなどにも並んでいる。鮮度落ちが早いので消費地では活魚を使うしかない。基本的には産地ならではの味覚。クリックで閉じますマダラの刺身
たらおさの煮もの(鱈胃の煮もの) 福岡市での作り方を再現したもの。「鱈胃」を水で戻す。同時に干し竹の子ももどす。一度ゆでこぼした「鱈胃」を適宜に切り、干し竹の子、にんじんと煮る。「鱈胃」だけを煮ることもあるようだ。[大分県、福岡県]クリックで閉じますたらおさの煮もの
タラのジョン(ドンテ ジョン 동태전) マダラの切り身に塩コショウして、小麦粉をまぶし、溶き卵をつけ、ごま油で焼いたもの。これをしょうゆ、ごま、好みで酢を合わせたものに漬け込んで食べる。[神奈川県横浜市横浜橋で教わる]クリックで閉じますタラのジョン
たらの子いり こんにゃく、にんじんを煮て、最後にマダラの卵巣をほぐしたものをまぶしたもの。「マダラの卵巣」は生でも塩蔵ものでもいい。山形県ではスーパーなどにも並ぶ。[民宿 丸武 山形県鶴岡市鼠ヶ関]クリックで閉じますたらの子いり
にんじんの子和え フライパンでにんじんのせん切り、しらたきを炒めて、少量のだし、酒を加え、高野豆腐の細切りを加えて、しょうゆで味つけしたもの。[青森県青森市・黒石市・弘前市など]クリックで閉じますにんじんの子和え
チュウの塩ゆで(マダラの胃袋の塩ゆで) 胃袋は大きく、筋肉が厚い。これを縦半分に切り塩ゆでする。冷水に落としてヌメリなどをていねいに洗い流す。水分をよく拭き取り、せん切りにする。ポン酢や酢みそで食べる。[青森県下北郡佐井村]クリックで閉じます関連コラム(郷土料理)
マダラのどんがら・じゃっぱ汁
新潟県では魚のあら(中骨・腹骨の他、肝、白子、腹部の膜、腸などの内臓を含む)を「がら」、「どんがら」という。例えばサケの「がら」は中骨であったりする。新潟県で・・・ 続きを開く加工品・名産品
【乾製品】
丸干し 伊藤商店(岩手県宮古市)
【漬け魚】
漬け魚 味噌漬け、醤油漬け、粕漬けなどになる。
【精巣】
たちかま 精巣とデンプン、塩で蒲鉾状にしたもの。北海道の郷土料理を加工品にしたもの。『北洋食産』北海道利尻富士町塩蔵たら(ぶわたら) 「塩ぶわ」とも呼ばれる。ベーリング海などアメリカの領海内でとったものを冷凍輸入。これを一塩したものを「ぶわたら」という。これは宮城県で魚をおろすことを「ふわけ」するといい。「ふわけたら」が転訛して「ぶわたら」になったのだという。また一塩していないものを「生ぶわ」と言う。またこれらは皮付きなのだが、身だけにしたものを「すきみたら」という。クリックで閉じます干鱈(ひだら)・棒だら マダラの頭を落とし、強く干したもの。もどして煮物にする。京都などの「いも棒」の材料。福岡賢武雄市では戦前に盆に干し鱈をたべる習慣があったとある。『長崎学・續食の文化史』(越中哲也 長崎純心大学博物館)クリックで閉じますすきみたら マダラを三枚に下ろして皮を取り、塩をして干し上げたもの。ヨーロッパの「バカラオ(原料はタイセイヨウマダラ)」にあたる。これを軽く炙って食べたり、水でもどし、塩抜きをして料理などに使う。ほぼ総てが北海道産。クリックで閉じます棒だら甘露煮(棒だら煮) スケトウダラとマダラの棒だら(内臓と頭部を除き素干しにしたもの)を戻して甘煮にしたもの。スケトウダラのものを「助棒鱈煮」、マダラで作ったものを「本棒鱈煮」と区別する。古くは家庭で作られているものであったが、近年は買い求めることが普通に。会津地方、大阪府。[会津二丸屋 福島県会津若松市]クリックで閉じます釣り情報
常磐から福島、岩手県などでは中深場釣りで、エサは短冊など魚の切り身で釣る。歴史・ことわざ・雑学など
イリダラ(入鱈)・デタラ(出鱈) 青森県陸奥湾に産卵のために入って来る鱈をイリダラ(入鱈)、産卵後に出て行くのをデタラ(出鱈)。珍重されるのはイリダラで。初漁の鱈は藩主に献上された。藩主はこれを新鱈造りにして幕府に献上していた。『青森県 さかな博物誌』(日下部元慰智 東奥日報)
吹雪鱈 「青森の冬は吹雪鱈の漁期です」。『板極道』(棟方志功 中公文庫 1975)
年越しにたら汁 下北半島では〈年越用の高膳には、たら汁、サケの焼き魚、たこの刺身……〉『聞き書 青森の食事』(農文協)
新鱈造り 内臓を口から抜き、塩蔵にしたもの。腹を割かないので武士には縁起物として珍重されていた。『青森県 さかな博物誌』(日下部元慰智 東奥日報)
冠婚葬祭に 江戸で武家、商家をとわず、年越し、松の内、初午の祝い膳を賑わせていた。『青森県 さかな博物誌』(日下部元慰智 東奥日報)
鱈積み船 明治24(1891年)、東北本線が開通するまで、下北から毎年江戸(東京)へ送られる「鱈積み船」というのがあった。
煮つけ魚 〈比目魚、鰈、鮎並、鰺、鱈、鯡、鮫、生節等は皆煮つけで、焼くのは蒸し鰈、魴鮄、鰯、飛び魚くらいであたが、煮肴は私は嫌いであった〉『幼少時代』(谷崎潤一郎 岩波文庫 初版は文藝春秋社1957)
塩蔵・節物 〈越前のもの天下に甲(だいいち)なり、蝦夷越後に多し、奥羽(むつでわ)よりも出す、皆塩蔵(しをつけ)なり、塩によろしく、生によろしからず、歳首(おんじ)の節物なり〉『魚鑑』(武井周作天保辛卯 1831)
鱈のつく言葉矢鱈 当て字。みだりに。むやみにという意味。
鱈腹 当て字とされている。たくさん食べるとだが、マダラも胃袋がはち切れるほどに獲物(魚)を飲み込むため。
出鱈目 当て字。「目」はサイコロの目のこと。出たとこ勝負に出ること。筋の通らないこと。たら汁と雪道はあとほどよい 雪道は人が歩いた後を歩く方が楽だし、「たら汁」はよく煮込んだ後の方がうまいという意味。『秋田たべもの民俗誌』(太田雄治 秋田魁新聞 1972)。写真は二日目のみそ仕立ての「どんがら汁」。汁の味がとても味わい深くなり、どんがらにもみそ味がしみてとてもうまい。クリックで閉じますゆでだら 「生ダラの切り身を熱湯にくぐらせて、刻んだネギをたっぷりのせて、醤油をかけて食う。鱈は魚へんに雪と書くとおり、真白に茹で上がったタラの切り身をネギと醤油で食うのは江戸前の即席料理だ」『志ん生的、文楽的』(平岡正明 講談社文庫 2010)クリックで閉じます参考文献・協力
協力/阿部鮮魚店(山形県酒田市)、武内英輝さん(青森県下北郡佐井村)、尾形清雄さん(宮城県石巻市魚町『天祐丸冷凍冷蔵株式会社』)
『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『広辞苑』、『広辞林』、『新北のさかなたち』(水島敏博、鳥澤雅他 北海道新聞)、『青森県 さかな博物誌』(日下部元慰智 東奥日報)、『聞書き 青森の食事』『聞書き 山形の食事』(農文協)、『群馬のたべもの』(武藤典 みやま文庫)、『日本語源大辞典』(小学館)、『新釈魚名考』榮川省造 青銅企画出版地方名・市場名 ?
クモコ[雲子]
場所関東の料理店、石川県 部位精巣(白子) 備考〈…多くの複雑な褶(ひだ)があって、人間の脳の褶か、うずまく雲のように見えるので〉『さかな-日常生活と魚類-』(内田恵太郎 朝日新聞社 1966) 参考聞取