体長20cm 前後になる。明るい煉瓦色、もしくは褐色をしている。[北海道羅臼沖 体長18.5cm・82g]
ダイオウキジンエビの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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珍魚度・珍しさ
★★★★
めったに出合えない魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★★
非常に美味
分類
節足動物門甲殻亜門軟甲綱(エビ綱)真軟甲亜綱エビ上目十脚目抱卵亜目コエビ下目エビジャコ上科エビジャコ科ダイオウキジンエビ属外国名
学名
Sclerocrangon rex Komai & Matsuzaki, 2016漢字・学名由来
漢字/大王鬼神蝦 Daioukijinebi
由来・語源/駒井智幸氏、松崎浩二氏の命名。
〈本新種の学名は、Sclerocrangon rex としました。属名の Sclerocrangon は、ギリシャ語由来で、Skleros = 固い+krangon= 小さなエビ、種小名の rex はラテン語の王という意味です。本新種がエビジャコ科では世界最大種であることにちなんだものです。和名もその大きさと風格ある姿にちなみ、ダイオウキジンエビ(大王鬼神蝦)と命名しました。〉(新種のエビ ダイオウキジンエビの発見 動物学研究科主任上席研究員 駒井智幸)地方名・市場名 ?
生息域
海水生。水深700-1000m。
オホーツク海羅臼沖、釧路沖。生態
ー基本情報
エビジャコ科のエビは東京湾の干潟にも普通にいるものの、わずか数㎝ほどで非常に小さい。ところが本種は全長20cm以上になるようで、エビジャコ科の中でも極端に大きい。記載者である駒井智幸さんも、こんなに大型の未記載種が発見されることは奇跡のようだとしている。
今のところ北海道羅臼沖、釧路沖などでしか見つかっていない。刺網で混獲されるもので、羅臼町ではガサエビと呼ばれて食用としている。
珍魚度 明らかに珍しいエビである。北海道羅臼などに行って探すしかない。水産基本情報
市場での評価/今のところ北海道、特に羅臼町でしか見ていない。
漁法/刺網
産地/北海道選び方
触って張りのあるもの。殻などが変色していないもの。味わい
旬は不明。
殻はやや硬いが剥きやすい。身は弾力がなく脆弱。熱を通しても硬く締まることはない。甘えび(ホッコクアカエビ)などタラバエビ科に近い。
タラバエビ科ほどは水分が多くないので熱を通す料理にも向いている。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
ダイオウキジンエビの料理・レシピ・食べ方/煮る(塩ゆで)、ソテー(アヒージョ)、焼く(塩焼き)、生食(刺身)、揚げる(天ぷら、フライ)クリックで閉じます
ダイオウキジンエビの塩ゆで エビジャコ科は小型が多く、クロザコエビが中型であり、日本海側で人気がある。そこに本種が加わる形だが、クロザコエビの2倍近い大きさである。
身はクロザコエビ同様に甘エビ(ホッコクアカエビ)とクルマエビの中間的なもので、やや水分が多いといった感じである。塩ゆでにすると殻はあまり赤く発色しないが、身(筋肉)は赤くなる。また甘えびになり、しかもほろほろとほどよく柔らかい。頭部のみそが濃厚な味わいで、外子が比較的柔らかくて甘味がある。
表面の汚れを洗い流し、水分をよくきっておく。これを強めの塩水を沸騰させた中で加減をみながらゆでる。
ダイオウキジンエビのアヒージョ 剥き身にして適当に切る。耐熱性の器に大量のニンニク、唐辛子、オリーブオイルを加えて強火でソテーする。少し水が出てしまったが、ソテーすることで身が締まり、甘味とエビらしい風味が倍増する。エビからの水分と混ざった油の味もとてもよい。クリックで閉じますダイオウキジンエビの塩焼き 流水で表面の汚れを落として、水分をよくきる。表面に振り塩をして焼き上げる(振り塩は不要かも知れない)。強火で焼き上げると身は縮むものの赤くきれいに発色し、身が締まるとともにうま味も甘味も倍増する。食感も極めていい。クリックで閉じますダイオウキジンエビの刺身 羅臼から送ったものなので中一日かかっている。残念ながら完全に生とはいかなかった。流水などで表面の汚れを流す。殻を剥き、外子と身を分ける。身は食べやすい大きさに切り、塩味をつけた塩水の中で1、2秒振り洗いして氷水で締める。身の甘味は甘えびなどに匹敵する。食感もよくて非常においしい。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/野圭太さん(丸の野水産 北海道羅臼町 ■https://www.tabechoku.com/producers/27483)
アドバイス/駒井智幸さん(千葉県立中央博物館)