カタボシイワシ

Scientific Name / Sardinella aurita Valenciennes 1847

カタボシイワシの形態写真

24cm SL になる。細長く側へんし背が黒青色で腹が銀色、典型的なニシン型である。目の後ろ、主鰓蓋骨の上後縁に二等辺三角形型の黒い斑紋がある。腹部稜鱗は強く隆起線状になる。[24.5cmSL・247g]
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24cm SL になる。細長く側へんし背が黒青色で腹が銀色、典型的なニシン型である。目の後ろ、主鰓蓋骨の上後縁に二等辺三角形型の黒い斑紋がある。腹部稜鱗は強く隆起線状になる。[24.5cmSL・247g]24cm SL になる。細長く側へんし背が黒青色で腹が銀色、典型的なニシン型である。目の後ろ、主鰓蓋骨の上後縁に二等辺三角形型の黒い斑紋がある。腹部稜鱗は強く隆起線状になる。[24.5cmSL・247g]
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★
      少し努力すれば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱真鰭区ニシン・鰾下区ニシン上目ニシン目ニシン亜目ニシン科ニシン亜科サッパ属

    外国名

    Herring
    言語英語 場所オーストラリア 

    学名

    Sardinella aurita Valenciennes 1847

    漢字・学名由来

    漢字 肩星鰯 Kataboshiiwashi
    由来・語源 鰓蓋骨(肩)の部分に小さな黒点があるため。
    〈〔南日本、台湾、支那、東印度諸島, Mediterranean, Black sea ,Atlantic〕 ‥‥ニシン目ニシン科ヤマトミズン属 カタボシイワシ(新称) Sardinella allecia (REFINESQUE)〉。『魚類の形態と検索』(松原喜代松 岩崎書店 1955)
    Sardinella lemuru Bleeker,1853→Sardinella aurita Valenciennes, 1847(Sardinella aurita aurita Valenciennes 1847)

    肩星 目の後ろ、主鰓蓋骨の上後縁に二等辺三角形型の黒い斑紋があるため。
    Bleeker
    Pieter Bleeker(ピーター・ブリーカー 1819-1878 オランダ)。医師、魚類学者。『東インドオランダ領の魚類図鑑』(Atlas Ichtyologique des Indes Orientales Netherlandaises 1862-1878)。軍医としてバタビア(現インドネシアジャカルタ)に赴任。インド洋、西太平洋の魚を採取。

    地方名・市場名

    ホネイワシ[骨いわし]
    場所鹿児島県南さつま市笠沙 備考小骨が多いため。 

    生息域

    海水魚。沿岸生。
    若狭湾、[島根県益田・浜田]、山口県日本海側、九州玄海灘、千葉県鴨川市、東京湾、相模湾、駿河湾、徳島県、高知県高知市・土佐清水市渭南海岸、大阪府岬町、愛媛県瀬戸内海沿岸、豊後水道、宮崎県門川、九州南岸、鹿児島県南さつま市笠沙、大隅諸島種子島。
    東シナ海中部、済州島、台湾、香港、フィリピン諸島、スラウェシ島、スマトラ島、ジャワ島、論木刀、マレー半島西岸、オーストラリア西岸、アフリカ東岸。

    生態

    産卵期は6月〜7月ではないかと思われる。

    基本情報

    日本海若狭湾・千葉県外房以南に生息するニシン型の魚である。20世紀には九州、本州ではほとんど揚がることのなかった魚だ。2005年前後から鹿児島県などでまとまって揚がり始めているが、種名がわかる漁師さんはいなかったという。相模湾では2010年以降に漁獲量の増えた。各地で大量に水揚げされることがあるが、温暖化の影響ではないかと思っている。知名度が低く、当然商品価値も低いので漁師さんには歓迎されない。
    ニシン科なので小骨が多く、旬がはっきりわからないが秋の個体など脂が乗っていて非常に美味である。焼くなどするとマイワシ以上においしい。明らかにもっと売れてもいい魚である。
    珍魚度 水揚げが増えている魚であるが、めったに流通に乗らない。産地周辺などで探す必要がある。

    水産基本情報

    市場での評価 鹿児島県、神奈川県など日本各地で入荷量の増えてきている魚のひとつ。非常に安い。
    漁法 定置網
    産地 鹿児島県、神奈川県

    選び方

    触って張りのあるもの。目が澄んでいるもの(水氷の場合は当てはまらない)。頭部ほおなど赤く変色しやすいが、鮮度とはあまり関係がない。

    味わい

    旬は秋から春ではないかと思う。鮮度とは関係なく、頭部ほお、体側など空気に触れると赤くなる。
    鱗は硬く、稜鱗が強い、皮は薄くやや強い。骨は非常に細く軟らかいが多いので煩わしく感じるかも。
    小形のものは実が軟らかく脆弱、大きくなるとしっかりする。
    血合いが強くきれいな赤みがかった白身。熱を通しても硬く締まらない

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    カタボシイワシの料理・レシピ・食べ方/焼く(塩焼き)、生食(なめろう・みそたたき、背ごし)、煮る(煮つけ)、ソテー(ハンバーグ、さんが焼き)、揚げる(唐揚げ)、汁(みそ汁)

    カタボシイワシの塩焼き(骨切りなし) 本種は小骨が非常に多いが、例えばマイワシと同様に細くて柔らかいのである。この小骨を神経質に気にするか、しないかは個々の問題であるが、そのまま塩焼きにして小骨ごと食べてもそれほど気にならないのではないかと思っている。
    さて本種の問題点は新しい魚なので旬がわかりにくい点である。5月後半くらいから生殖巣が膨らみ始め、6月後半になると腹が膨れるほど大きくなる。この後産卵すると脂が抜ける。これが9月になるとまた脂が乗り始めるのだ。
    さて、水洗いして面倒なので頭部を落とし、稜鱗がある腹部も落とす。振り塩をして1時間程度寝かせて焼き上げる。
    9月半ばの個体は脂がとても乗っていて、うま味豊かである。独特のこくがあり、舌に強いインパクトを残す。

    カタボシイワシの塩焼き 子供や老人がいるときや、比較的魚が苦手という人なら骨切りして焼き上げてもいいだろう。水洗いして尾鰭、頭部を落として振り塩をする。1時間程度置いて焼く。骨切りをしているとすぐに焼き上がるので、焼きすぎに注意した方がいい。小骨の煩わしさがなく、食べられて万人向きかも。
    カタボシイワシの刺身(背ごし) 水洗いして三枚に下ろして腹骨を取る。これを頭部からできるだけ薄く切る。岡山県ではヒラをこうやって料理する。ねぎ、しょうが、にんにくなどを合わせてもいいし、これをしょうがじょうゆで食べてもおいしい。

    カタボシイワシのみそたたき(なめろう) 身、血合いの色合いが悪くなりがちであるが、みそとたたくとそれが気にならなくなる。水洗いして皮を引き、細かく切る。みそ、ねぎ、みょうが、大葉などを加えてよく切れる包丁でとんとんとたたく。非常にこくのある味で酒がすすむ。ご飯にもいい。
    カタボシイワシのさんが焼き みそたたき(なめろう)を多めに作っておき、形を整えて天火で焼き上げたもの。小麦粉をつけてソテーしてもいい。カタボシイワシはうま味豊かでみそとの相性もいい。いいおかずになる。
    カタボシイワシの唐揚げ カタボシイワシを水洗いし三枚に下ろして中骨はそのまま、身は身の方から骨切りして適宜に切る。片栗粉をまぶしてじっくりと二度揚げする。さくさくと香ばしくてついつい箸が伸びる味だ。
    カタボシイワシのみそ汁 水洗いして、皮側から細かく包丁を入れる。適宜に切り、湯にくぐらせて、冷水に落として残った鱗やぬめりを取る。水(昆布だし)から煮て、みそを溶く。薬味やねぎなどお好みで。うま味の強いだしが出てとても味わい深い。
    カタボシイワシの煮つけ 水洗いして皮側から包丁を細かく入れる。鍋に合わせて切る。湯にくぐらせて冷水に取り、鱗やぬめりを落とす。水分をよく切り、酒、砂糖、しょうゆ、水で煮上げる。切り身からとても強いうま味がでて、身は軟らかくなる。身と煮汁を絡ませながら食べるととても味がいい。
    カタボシイワシの煮干し 10月初旬、全長14cm前後が相模湾で揚がっていた。これを煮干しにしてみた。強めの塩水で7分前後ゆでる。ザルに取りウチワで仰ぎ放冷。硬く干し上げる。かなりうま味のあるだしがとれた。問題があるとしたら硬く締まりすぎることくらいだ。●コラムあり

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    記事のサムネイル写真カタボシイワシの煮干し
    塩ゆでにすると硬く締まり、どうしても鱗が気になる。カタクチイワシや小アジのようにゆでたてをおやつに、酒の肴にとはいかない。  ただしじっくり硬く干し上げて、だ・・・ 続きを開く

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/『宍喰漁業協同組合』(徳島県海部郡海陽町宍喰)、伊東正英(鹿児島県南さつま市笠沙) スーパーヤオマサ(神奈川県小田原市)
    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会 20130226)、『千葉県から得られた分布東限記録のニシン科魚類カタボシイワシ』(畑晴陵、佐土哲也 、中江雅典)
  • 主食材として「カタボシイワシ」を使用したレシピ一覧

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