殻長10cm前後になる。貝殻は厚みがあって硬い。楕円で高く、膨らみがある。呼水孔は7前後ありわずかに煙突状に立つ。螺肋は不鮮明で代わりに疣状の突起がある。
イボアナゴの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
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魚貝の物知り度
★★★★★
知っていたら学者級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★
美味
分類
軟体動物門腹足綱前鰓亜綱古腹足目ミミガイ科ミミガイ属外国名
学名
Haliotis (Sanhaliotis) ovira Linnaeus,1758漢字・学名由来
漢字/疣穴光、疣穴子、疣穴貝 Iboanago
由来・語源/黒田徳米の命名。アナゴは、地方名の「あなご(あなごう)」からで小型でくぼみ(穴)に隠れる習性があるため。イボは貝殻に疣状の突起があるという特徴から。Linnaeus
Carl von Linné(カール・フォン・リンネ 1707-1778 スウェーデン)。二名法を確立。
Kuroda
黒田徳米(くろだ とくべい Kuroda Tokubei 1886-1987 兵庫県淡路島)。貝類学者。日本貝類学会創設者で、会長にもなった。同郷の平瀬與一郎の平瀬商店に丁稚奉公にあがり、貝類の収集、のちに分類にたずさわる。地方名・市場名
生息域
海水生。潮間帯岩礁域。干潮時は岩などのくぼみに隠れている。
紀伊半島、伊豆大島以南。生態
ー基本情報
紀伊半島以南の磯などにいるアワビの仲間。古くは磯遊びなどで自家用に採取して楽しむ貝であった。
アワビ、トコブシと比べると安く、流通しなかったが、近年、アワビやトコブシが少なくなって希に流通に乗るようになってきている。
磯の物なかではおいしい貝といえそう。水産基本情報
市場での評価 関東に入荷することは稀。やや高値。
漁法 採取
産地 鹿児島県、宮崎県、和歌山県選び方
ー味わい
旬は春
貝殻は厚みがあり重い。軟体はふくらんで大きい。
生食は身が柔らかく、貝らしい風味、うま味にはクロアワビと比べると落ちる。
熱を通すと硬く締まる。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
イボアナゴの料理法・レシピ・食べ方/ソテー(ムニエル)、煮る(酒蒸し、煮貝)、刺身クリックで閉じます
イボアナゴのムニエル 貝自体のうま味は少ないものの、磯臭さも少ないために、どのような料理法にも向いている。特にバターとの相性がとてもいい。軟体の部分に小麦粉をつけてバターでソテーする。これが実にうまい。軟らかいのも魅力。
イボアナゴのしょうゆ煮 本種のもっとも基本的な料理法。ザルなどで表面についた汚れなどを洗い落とす。これをしょうゆ・酒・水で煮る。砂糖やみりんで甘味をつけてもいい。単純に塩ゆでもおいしい。しょうゆの塩気で適度に締まって味がいい。クリックで閉じますイボアナゴの酒蒸し マダカアワビを料理するように酒と塩だけであっさりと柔らかく仕上げる。水洗いしたイボアナゴを酒、塩、少量の水で蒸し煮にしたものだが、うま味が薄いという欠点が表に出てしまったよう。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/浜乃茶屋さん(宮崎県日南市)、川東守昭さん・繭右さん(鹿児島屋久島町)、田中水産(鹿児島市 ■tanakasuisan-kagoshima.com/)
「徳島水研だより第75 ヒルネコって何?」、『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『日本及び周辺地域産軟体動物総目録』(肥後俊一、後藤芳央 エル貝類出版局)