アラメ

植物界褐藻植物門褐藻綱コンブ目コンブ科アラメ属

Eisenia bicyclis (Kjellman) Setchell

漢字 荒布
由来・語源 若布と比較して表面の皺などが粗いため。

海水生。岩手県以南太平洋、瀬戸内海、日本海中南部。朝鮮半島。
低潮線付近から漸深帯の岩の上。

多年生。
一年目には笹の葉状の藻体、表面には皺がある。
やがてベルト状の藻体が多数出て、秋には消失。
二年目からは茎の先が分枝する。

外洋に面した海岸線でもっともよく見られる海藻で、大型になる。
一般にはゆでて干したものが流通するが、ヒジキなどと比べると一般的なものではない。
産地では加工しないで若い藻体を湯通ししたり、煮たりして利用することがあり、流通の発達によって都市部でも少ないながら生鮮品としての入荷をみる。
料理法は一般的に乾物を水で戻し、炒め煮にする。
簡単で便利な食材なのに、ヒジキと比べると利用されることが少なく残念。
またアラメ、カジメ、クロメ、サガラメなど、地域名などが複雑で難しい。徐々にデータ整理をしていくつもり。

市場での評価 主に乾物。やや高値。生は春に千葉県などから入荷してくる。
漁法 採取
産地 山口県、千葉県など

乾物なので乾燥の度合いのよいもの。色合いの黒いもの。

乾物としての流通が多いので周年。
戻して利用。
やや硬く、藻体自体には味はほとんどない。
食感と、少ないものの昆布類の旨みを楽しむ。

ー

ー

山口県、福岡県

ー

荒布 川路聖謨が佐渡へ赴任の旅で食べたものに〔荒布〕がある。渋川（群馬県渋川市）にて〈けさもあらめ〔荒布〕にカツオ節の汁、鮎の煮びたし、なすに貝わり〔割名〕、椎茸の露物〉。『島のすさみ』（東洋文庫）

『標準原色図鑑　海藻』（千原光雄　保育社）