アカガイ(Broughton'sribbed ark, Bloody clam)

Scientific Name / Scapharca broughtonii (Schrenck,1867)

アカガイの形態写真

SL 10cmを超える。膨らみが非常に強い。やや角張った放射肋が42本前後あり、貝殻を黒褐色の毛が覆っている。
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SL 10cmを超える。膨らみが非常に強い。やや角張った放射肋が42本前後あり、貝殻を黒褐色の毛が覆っている。SL 10cmを超える。膨らみが非常に強い。やや角張った放射肋が42本前後あり、貝殻を黒褐色の毛が覆っている。SL 10cmを超える。膨らみが非常に強い。やや角張った放射肋が42本前後あり、貝殻を黒褐色の毛が覆っている。足糸の出ている個体。SL 10cmを超える。膨らみが非常に強い。やや角張った放射肋が42本前後あり、貝殻を黒褐色の毛が覆っている。
  • 魚貝の物知り度 食べ物としての重要度 味の評価度

    ★★★

    知っていたら通人級

    ★★★

    一般的(流通量は多くも少なくもない)

    ★★★★★

    究極の美味
    分類
    軟体動物門二枚貝綱翼形亜綱フネガイ目フネガイ超科フネガイ科リュウキュウサルボウ亜科サルボウガイ属
    外国名
    Broughton'sribbed ark, Bloody clam
    学名
    Scapharca broughtonii (Schrenck,1867)
    漢字・学名由来
    漢字 赤貝。
    由来・語源 和名類聚抄より。血液中の色素に人間と同じヘモグロビンを持っており、身の色合いが赤いため。
    地方名・市場名 [?]
    タマ[玉] ホンダマ[本玉] ホンアカ[本赤]
    備考単にタマ(玉)、ホンダマ(本玉)、ホンアカ(本赤)。 市場では本種を「玉」、もしくは「本玉」という。これは近縁種のサトウガイ(ばち、場違)と区別するためである。 場所市場 
    生息域
    海水生。水深5-50mの砂泥地。
    北海道南部から九州。沿海州〜東シナ海。内湾の砂泥地。
    生態
    内湾の浅い泥底などに棲息する。
    孵化し幼生期を過ごしたら稚貝になり泥底の海藻などに足糸で付着する。
    この足糸は足の一部に成貝になっても残っている。
    刺身にするときはこれをとる。
    それが大きくなると泥の中にもぐり込む。
    血液中に哺乳類と同じヘモグロビンを持っているために赤い。
    基本情報
    アカガイの仲間は浅瀬や内湾、干潟に生息する。
    比較的簡単に採取できるので食用としても重要なものが多い、
    ただ高度成長期以来の荒廃とともに漁獲量が激減している。
    代表的なものは東京湾でも盛んにとれていたアカガイ、そして干潟に多いサルボウ、外洋に面した砂地にいるサトウガイ。
    また地域的産物ではあるがクマサルボウやカリガネエガイなどがある。
    生で食べても、煮て食べても非常に味わい深いものばかり。
    特に国産で刺身、すしネタに利用されるアカガイ、サトウガイなどは需要過多のために、中国や韓国などから盛んに輸入されています。

    内湾に普通にいて古くは関東なのでも安くておいしい二枚貝だった。
    単にゆでて、また甘辛く煮つけて、日々のおかずになっていたことも。
    それが内湾の汚染や開発によって激減。
    いつの間にか庶民にはとても手が届かないものとなっている。
    江戸前寿司にはなくてはならない種で、高級な店がこぞって使う。
    そのためにますます値を上げているともいえそう。
    あまりの人気から今では中国や韓国から大量に輸入。
    流通の世界では国産よりも輸入物の方が幅を利かせている。
    水産基本情報
    市場での評価 流通漁は輸入物を中心に安定している。不足すると市場が混乱する。値段は輸入物で高値安定、国産ものは場所によっては超高級。
    漁法 底曳網(けた網)
    産地 宮城県、愛知県、大分県、山口県、兵庫県
    韓国、中国ほか
    高級アカガイ 宮城県閖上・渡波、山口県宇部、大分県産などからのものは上物とされる。基本的に大型で丸みを帯びてコロンとしたものが高い。
    選び方
    活けは貝殻をもって重いもの。打ち合わせてみて鈍い音のするもの。
    剥いたものは触って反応する(動く)もの。赤身が強いもの。
    味わい
    旬/秋〜春。晩春になると味が落ち始める
    初夏に卵を持ち始め、夏にはやせてまずくなる。
    これが持ち直すのは晩秋。
    これから旨味が増し冬から春には旬となる
    栄養
    タンパク質、脂質は少なく、ビタミン類、
    無機質の鉄、カルシウムなどが豊富。
    寄生虫
    食べ方・料理法・作り方
    アカガイの料理法・調理法・食べ方/生食(刺身、和え物)、煮る(佃煮)、揚げる(フライ)

    アカガイの刺身 関東をはじめアカガイの刺身を食べない地域は少ないくらい。高級なもので、主に料理店で食べられている。足だけではなくヒモ(外套膜縁)も実に味がいい。宮城県閖上のものが有名。確かに味は素晴らしいが西日本のものと比べてなどの違いは個人的にはわからない。
    アカガイヒモの刺身 外套膜縁に当たる部分。市場ではこの部分だけを売っていることがある。外套膜のなかでも厚みがあり独特の食感を楽しめる。足の部分と変わりなく、甘味とうま味、アカガイ特有の渋みがある。足よりもうまいいう人も多い。
    アカガイの足の和え物 関東ではアカガイのぬたは定番料理ともいえそうなもので、酒の肴としても小粋である。基本的にむき身にして足の部分は開いて、さっと軽く洗う。これを寒い時期はねぎ(白ねぎ、わけぎ)、あさつきと、春は山菜などと酢みそで和える。
    アカガイのヒモの酢みそ和え 足の部分よりも安いので、日常の食卓にも欲しいのが、ヒモのぬた(酢みそ和え)だ。ヒモはさっと塩水で洗い。水分をよくきり、酢みそで季節の野菜と和える。
    アカガイの佃煮 小振りで比較的安いものが手に入ったら、むき身にして甘っ辛く煮つけるとうまい。むき身は塩水でさっと洗い、貝殻や汚れを取る。水分をよくきり、酒・みりん・しょうゆで水は入れず短時間に水分を飛ばしながら煮上げる。砂糖を加えて甘味を強くしてもいい。
    アカガイのフライ 天ぷらなどにするとアカガイの渋みが強くなり、水分が表面に出てさくっと揚がらない。どうにもイマイチうまくないと思う。これを産地などでは水分をよくきり、塩コショウして小麦粉をまぶす。溶き卵をくぐらせてパン粉をつけて強火で短時間で揚げる。パン粉のさくっとした食感に、アカガイの甘さが相まってやたらにうまい。

    好んで食べる地域・名物料理
    東京湾周辺、三河湾周辺
    加工品・名産品
    閖上 宮城県名取市閖上港に上がるアカガイのこと。都内では一番高値で取引されている。大玉が揚がることでも有名。
    釣り情報
    歴史・ことわざ・雑学など
    ■ 『和漢三才図会』に肉は大へん甘い。それで字は「甘」につく。
    ■ 昔は千葉県浦安市、千葉市周辺が名産地。
    ■ 缶詰の「赤貝」は赤貝ではない。サルボウが原料。
    ■ 高級寿司屋で「アカガイは閖上産だけを使う」などと言われる、これは宮城県名取市産。
    ■ 「検見川(ケミガワ)」とはアカガイのこと。これは千葉県検見川がアカガイの集積地だったため。
    ■ アカガイがなぜに江戸前寿司の代表的なネタとなった理由はその昔、江戸前東京湾でたくさんとれたからだ。今でも船橋、木更津などでとれている。でもまあときたま上がると言うだけで、漁の対象ではない。
    ■ 明治から昭和のはじめまでは千葉県検見川、東京都羽田、神奈川県子安の順でランクが決まっていた。
    ■ 東京湾のアカガイが健在だった頃はどうであったのか。それを船橋市の貝問屋『源七』の吉種登さんと八王子市横川町『鮨忠』さんに聞いてみる。船橋では昭和30年(1955)くらいまではアカガイをかますに入れて出荷していた。かますは筵(むしろ わらで編んだ敷物。様々な素材にする)を二つ折りにして袋状にしたもの。口だけを片方の縁を伸ばして明けておく。ここにものを入れて縁を折り畳んで梱包材とした。ここに入れられたアカガイは約30キロほど。船橋では、かます毎に選別した貝類を築地へと出荷していたのだ。
    ■ 昭和30年代以前で船橋産のアカガイの値段が一かますいくらもしなかったという。
    ■ 昭和30年を過ぎるとアカガイはブリキ製の一斗缶に代わる。これ1つが12〜13キロ見当。これ一缶が500円ということもあった。当時の並ずしの値段が一人前150円だから約10分の1として12キロで5000円としても東京湾のアカガイの値段がキロ当たり現在の貨幣価値に換算しても500円しなかったことになる。すなわちアカガイは高度成長期までは安くておいしい江戸前の水産物だったのだ。
    参考文献・協力
    『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『日本貝類方言集 民俗・分類・由来』(川名興編 未来社)、『すし技術教科書(江戸前ずし偏)』(旭屋出版)、和漢三才図絵。
  • 主食材として「アカガイ」を使用したレシピ一覧

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