3月25日 青山鮮魚からの宇部産アカガイ

限りなく球形に近い


山口県宇部市の青山鮮魚、青山時彦さんに貝をいろいろたくさんいただいた。長年探し続けていた貝もあって、感謝の致しようがない。
高級なアカガイが入っていたのには恐縮至極であった。限りなく球形に近く、持ち重りがする。剥き身にする前に中身が想像できるといった上物である。
アカガイが歴史的に登場するのは古いと思う。ただ実際に食べた記録となると室町時代末、戦国時代かも知れない。一次的な文献を読んでもいないのに述べるのはハレンチだけど、戦国時代が伊勢宗瑞に始まるとしたら1500年代半ばから後期にかけて、三好家もまだ健在で、堺は独立した国家のようであったときだ。
すなわち京都が壊滅的な状況で、堺、岸和田など大阪湾中心の食文化がこの国の主流であったのでアカガイ、ミルクイなどがしばしば歴史上に登場するのだと思っているのだ。
明らかにアカガイを高級な食材と考えた最初は大阪湾や瀬戸内海なのだ。きっと山口県宇部のアカガイなど毛利氏代々などがさんざん食べていたのだろう、なんてことも考えてしまう。

香からして別格


宇部産のアカガイはそんなことを考えてしまうほどのうまさだった。剥き身にいしているときの香りがいい。肉厚で、甘味を増大させる特有の苦みがほどほどにあり、食感が心地よかったのである。
最近、アカガイは決して閖上には限らないと考えているが、再確認したことにもなる。


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