タイワンカマス

Scientific Name / Sphyraena obtusata Cuvier,1829

タイワンカマスの形態写真

50cm SL前後になる。腹鰭は第1背鰭起部よりも前にある。体側に不明瞭な暗色の縦縞が2本あり(ほとんど見えないものもある)、尾鰭近くてひとつになり側線と重なる。主鰓蓋骨後縁は丸い。第一鰓弓の鰓耙は2。側線上横列鱗数は5〜7.5。[高知県大月町安満地 41cm・457g]
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50cm SL前後になる。腹鰭は第1背鰭起部よりも前にある。体側に不明瞭な暗色の縦縞が2本あり(ほとんど見えないものもある)、尾鰭近くてひとつになり側線と重なる。主鰓蓋骨後縁は丸い。第一鰓弓の鰓耙は2。側線上横列鱗数は5〜7.5。[高知県大月町安満地 41cm・457g]50cm SL前後になる。腹鰭は第1背鰭起部よりも前にある。体側に不明瞭な暗色の縦縞が2本あり(ほとんど見えないものもある)、尾鰭近くてひとつになり側線と重なる。主鰓蓋骨後縁は丸い。第一鰓弓の鰓耙は2。側線上横列鱗数は5〜7.5。[高知県大月町安満地 41cm・457g]主鰓蓋骨後縁は丸い。側線上横列鱗数は5〜7.5。主鰓蓋骨後縁は丸い。第一鰓弓の鰓耙は2。
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★
      がんばって探せば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★★
      知っていたら学者級
    • 食べ物としての重要度

      ★★
      地域的、嗜好品的なもの
    • 味の評価度

      ★★★
      美味

    分類

    硬骨魚類条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目サバ亜目カマス科カマス属

    外国名

    学名

    Sphyraena obtusata Cuvier,1829

    漢字・学名由来

    漢字/台湾梭子魚、台湾叺 Standard Japanese name / Taiwankamasu
    由来・語源/『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1936、第二版1943)にある。生息域にオーストラリア、ハワイ、台湾高雄とある。台湾統治時代に、台湾高雄の固体で名づけた標準和名だろう。当時は国内海域には希な存在もしくはとれなかった。
    Cuvier
    バロン・ジョルジュ・レオポルド・クレティアン・フレデリック・ダゴベール・キュヴィエ(Baron Georges Léopold Chrétien Frédéric Dagobert Cuvier 1769-1832)。フランスの分類学者。キュビエとされることが多い。スエーデンのリンネ、フランスのビュフォンの分類体系に解剖学や古生物学などを加味して現在の形の礎を作った巨人のひとり。

    地方名・市場名

    カマス
    場所鹿児島県種子島 参考『種子島の釣魚図鑑』(鏑木紘一 たましだ舎 2016年) 
    ガタカマス
    場所宮崎県日南市目井津漁港 備考おいしくないためだとのこと。 

    生息域

    海水魚。サンゴ礁などの沿岸の浅場。
    相模湾-九州南岸の太平洋沿岸、沖縄諸島以南の琉球列島。台湾、香港、トンキン湾、インド-西太平洋域。

    生態

    基本情報

    熱帯系の大型のカマスで相模湾以南で発見されている。古くは珍しい魚だったが、近年、温暖化のために紀伊半島や四国太平洋側以南ではときにまとまって揚がる。太平洋側での水揚げは少しずつ増えているようだ。
    単にカマスとして関東にやってくる。大型になるので入荷すると高値がつく。
    味もアカカマスに負けないくらい美味で、鮮度さえよければ高級なもの。
    珍魚度 珍しくはない。ただし水揚げ量が少ないので、東日本のスーパーなどには並ばない。

    水産基本情報

    市場での評価 関東での入荷量は少ない。大型になるので比較的高値で取引されている。
    漁法 定置網、刺し網
    産地 高知県、宮﨑県、鹿児島県

    選び方

    目が澄んでいるもの。触って張りのあるもの。白っぽいものは退色して古い。

    味わい

    旬は夏から秋ではないか?
    鱗はやや大きく取りやすい。皮はカマス類の中ではもっとも硬いもののひとつだ。中骨がとても硬い。
    白身で血合いはすぐに黒くくすむ。火を通しても硬く締まらない。
    料理の方向性 やはり他のカマス類と同様に煮るよりも焼く方がいい。油を使った料理にも向かないと思われる。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    タイワンカマスの料理・レシピ・食べ方/生食(焼霜造り)、焼く(塩焼き、干もの、幽庵焼き)、揚げる(天ぷら、唐揚げ)、煮る(煮つけ)、ソテー(ムニエル)

    タイワンカマスの焼霜造り(あぶり) 本種はカマス類の中でも皮が厚いのも特徴である。味は身以上に皮にある。刺身にするとその大方が失われてしまう上に、鮮度が落ちると血合いが黒ずむなど見た目も美しくない。その厚くて味わい深い皮が炙ることで生きる。
    水洗いして三枚に下ろす。腹骨と血合い骨を取り、軽く振り塩をする。皮をバーナーであぶる。氷水に落として粗熱を取り、水分を切り冷蔵庫などで少し寝かせて皮目を落ち着かせて刺身状に切る。

    タイワンカマスの塩焼き もっとも基本的な料理法が塩焼きである。焼くと香り高く、皮にうま味がある。味がやや淡泊ではあるが、嫌みのない味で後味がいい。
    水洗いして焼きやすい大きさに切る。振り塩をして1時間以上置き、水分を拭き取り焼き上げる。
    タイワンカマスの幽庵焼き 身はアカカマスなどと比べると淡泊である。それを発酵調味料で補う。
    水洗いし、筒切りにしてしょうゆ、みりん、酒同割りの地に半日漬け込む。漬け込む時間はお好みで。水分を拭き取りじっくりと焼き上がる。
    タイワンカマスの開き干しタイワンカマスの干もの 完全な生の状態と比べ、干すことでうま味が増す。焼き上がりの香りの高さ、皮目のうま味、身の甘さで非常に味わい深い。
    水洗いして開いて、振り塩をしてとじる。これを一日寝かせて冷蔵庫にラップをしないで入れて干す。皮目に独特の風味があってとても味がいい。
    タイワンカマスの天ぷら 淡泊で嫌みのない味ではあるが、もうひと味足りないところがある。揚げることで、この単調な味に変化が生まれる。揚げてふんわり柔らかく、皮に味がある。
    水洗いして三枚に下ろす。腹骨・血合い骨を取り、軽く振り塩をする。小麦粉をまぶし、衣をつけて高温で揚げる。
    タイワンカマスの煮つけ 少し長めに煮ている。それでも身は淡泊で煮染まらない。身をほぐして煮汁にからめて食べる。
    水洗いして適当に切る。湯通しして冷水に落として残った鱗やぬめりを流す。これを酒・砂糖・醤油・水でじっくり煮る。
    タイワンカマスのムニエル 皮を引いてソテーしてみた。身は上質で甘味がある。これにバターが加わると、とても味わい深い。
    三枚に下ろし、皮を引き、血合い骨を抜く。塩コショウして少し置き、油でソテーする。フィレを取りだし、フライパンにバターを加え、リーキ(ポワロ)を炒めてつけ合わせにする。

    好んで食べる地域・名物料理

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/ねこや商店(宮崎県日南市油津)、木村定置・木村水産(高知県幡多郡大月町安満地)
    『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)
  • 主食材として「タイワンカマス」を使用したレシピ一覧

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