1.5m TL 前後になる。頭部、体側に白点はなく側線孔が小さな斑点に見えて1列に並ぶ。頭部は小さく吻端から胸鰭起部までの長さは全長の14%前後。胸鰭後端と背鰭前端は少し離れている。
クロアナゴの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)





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魚貝の物知り度
★★★★
知っていたら達人級食べ物としての重要度
★★
地域的、嗜好品的なもの味の評価度
★★★
美味
分類
顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区真骨亜区カライワシ下区ウナギ目アナゴ亜目アナゴ科クロアナゴ亜科クロアナゴ属外国名
学名
Conger japonicus Bleeker, 1879漢字・学名由来
漢字 黒穴子
由来・語源 東京での呼び名。ダイナンアナゴは『日本産魚類検索』(岡田彌一郎、松原喜代松 三省堂 初版1936、第二版1943)にはなく、両種は混同されていた可能性が高い。Bleeker
Pieter Bleeker(ピーター・ブリーカー 1819-1878 オランダ)。医師、魚類学者。『東インドオランダ領の魚類図鑑』(Atlas Ichtyologique des Indes Orientales Netherlandaises 1862-1878)。軍医としてバタビア(現インドネシアジャカルタ)に赴任。インド洋、西太平洋の魚を採取。地方名・市場名
生息域
海水魚。浅い岩礁域。
青森県牛滝・泊、南三陸、八丈島、茨城県〜九州南岸の太平洋沿岸、屋久島、瀬戸内海、京都府舞鶴、兵庫県浜坂、島根県浜田、山口県日本海側、長崎県南西沖。朝鮮半島南西岸、済州島、福建省、台湾。生態
ー基本情報
本州以南の浅い岩礁域に生息している。刺し網や定置網でとれるが、近縁種のダイナンアナゴと区別されないで、ともにクロアナゴとして流通する。
1m以上になる大型のアナゴで主に産地周辺で流通する。
マアナゴなどに比べると味が落ちるとして、ときに廃棄されることもある。
食べ方によってはおいしいので、利用して欲しい魚のひとつ。水産基本情報
市場での評価/入荷は少ない。安い。
漁法/刺し網、釣り、定置網
産地/選び方
ヌメリが白くなく透明感のあるもの。味わい
旬は夏。
ぬめりは多く、皮は厚い。中骨は高く、小骨が多い。
透明感の白身でうま味は少ない。皮はゼラチン質でうま味がある。栄養
ー危険性など
ー食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)
クロアナゴの料理法・調理法・食べ方/煮る(湯引き)、揚げる(天ぷら)、煮る(煮つけ)、焼く(つけ焼き)、汁(みそ汁、潮汁)クリックで閉じます
クロアナゴの湯引き 開いて片身にして、身側から骨切りする。こうすると小骨が気にならなくなる。だいたい1cm前後に切り、熱湯に一瞬通して氷水に摂る。粗熱がとれたら水分をよく切り、酢みそ、わさび醤油などで食べる。皮が非常においしい。弾力があり、ゼラチン質が甘い。身は淡泊さと引き比べてもとてもおいしい。
クロアナゴの天ぷら ぬめりをこそげ落とし、開いて身側から骨切りする。水分をよくとり、小麦粉をまぶして衣をつけて高温で揚げる。表面はかりっとして皮目にうま味がある。身はたんぱくでイヤミがない。クリックで閉じますクロアナゴの煮つけ 非常に小骨が多いが、頭部に近い部分骨切りしないで煮つけにすることができる。ややわずらわしいものの、たんぱくでイヤミがない。開いて切り身にして湯通し、冷水に落としてぬめりを流す。これを酒・砂糖・醤油・水で煮る。クリックで閉じます好んで食べる地域・名物料理
ー加工品・名産品
ー釣り情報
ー歴史・ことわざ・雑学など
ー参考文献・協力
協力/さんの水産(神奈川県小田原市)
『図説有用魚類千種 正続』(田中茂穂・阿部宗明 森北出版 1955年、1957年)、『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』(中坊徹次編 東海大学出版会)