アカエイ(Whip stingray, Japanese stingray)

Scientific Name / Dasyatis akajei (Müller and Henle,1841)

代表的な呼び名エイ

アカエイの形態写真

平たい。体盤長(尾を除く)80センチほどになる。口、鼻、鰓孔は下(腹面)に吸水口(呼吸の海水を取り入れる)が背面にある。鱗(うろこ)はない。アカエイは目の後ろの噴水孔の付近は黄色い。体盤の正中線上に1列のトゲトゲがある。裏側の縁がオレンジ色だ。尾に一本の硬くて大きな棘がある。
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平たい。体盤長(尾を除く)80センチほどになる。口、鼻、鰓孔は下(腹面)に吸水口(呼吸の海水を取り入れる)が背面にある。鱗(うろこ)はない。アカエイは目の後ろの噴水孔の付近は黄色い。体盤の正中線上に1列のトゲトゲがある。裏側の縁がオレンジ色だ。尾に一本の硬くて大きな棘がある。裏側は鮮やかなオレンジ色をしていることが多い。アカエイの尾鰭の棘は先端が鈍く、縁がノコギリ状。刺されることはまずなく、むしろ海岸などで踏んで刺さることが多い。
  • 魚貝の物知り度 食べ物としての重要度 味の評価度

    ★★★

    知っていたら通人級

    ★★★

    一般的(流通量は多くも少なくもない)

    ★★★★

    非常に美味
    分類
    動物界脊索動物門顎口上綱軟骨魚綱板鰓亜綱エイ区エイ上目トビエイ目エイ亜目アカエイ科アカエイ属
    外国名
    Whip stingray, Japanese stingray
    学名
    Dasyatis akajei (Müller and Henle,1841)
    漢字・学名由来
    漢字 「赤鱝」、「赤鱏」、「赤海鷂魚」。
    由来・語源/「赤」は裏側が赤い(オレンジ色)だからだと思う。
    ■ 片辺辺(かたへい)、すなわち片側魚(片側だけになった魚)で赤いの意味。
    ■ 尾が長く桝の「柄」に似ていることから。
    ■ 「出針(いではり)」から。
    ■ 「枝針(えはり)」から。
    ■ 尾の長いことを「燕尾(えび)」ということから。
    ■ アイヌ語で棘を「ai」、東北でも“刺されていたいこと”、棘、針、茨、矢などを「あい」といった。「エイ」の語源はアイヌ語の「アイ」。
    地方名・市場名 [?]
    エブタ
    場所和歌山県紀の川市・和歌山市雑賀崎 
    エイガンチョ
    場所福岡県柳川市中島 
    エイ
    場所築地など関東の市場 
    エヒ エビ エイ エエ
    備考古くは「エヒ・エビ」。 
    アカエ アカエエ アカマンタ アカヨ アズキエエ イエタン イユ エイガ エイガンチョウ エウ エエガ エエカン エエタン エエチャンチャン エエノウオ エブタ カセブタ エギレ カタホリ ガタホリ カマンタ ベタベタ ホンエイ マエノエブタ マンドウ ユウ
    参考文献より。 
    生息域
    南日本。水深3〜780メートル。浅い干潟などにも多い。
    北海道全沿岸〜九州南岸の日本海、東シナ海、太平洋、瀬戸内海、小笠原諸島。朝鮮半島西岸・南岸、台湾、中国渤海・黄海。
    生態
    ■ 卵胎生。交尾して仔魚を5月から8月の夜に5〜10個体生む。この時期に海辺に出かけると干潟などでも普通に子アカエイがみられる。
    ■ 浅い砂地、干潟などに生息。砂などにもぐっている。
    ■ エサは砂地などにいる甲殻類、環形動物。
    ■ 薄く平たい身体で獲物を伏せてしまって、その後ゆっくりとエサを食べる。
    ■ 尾にある棘には毒がある。
    基本情報
    近年、都会ではあまりなじみがない。じょじょに食べる機会、見る機会が減ってきている。東京湾でもいまだ水揚げがあるのに残念である。
    古くは関東、とくに東京湾奥の都内でもよく食べられたもの。
    産地から山間部などにも流通していた。
    煮付け用の魚として一般的な魚だった。
    煮て冷ますと煮こごりができる。
    また「ぬた」にもなるし、みそ汁にもなる。
    韓国料理では鰭の刺身(フェ)、肝の刺身などが喜ばれる。
    フレンチではムニエルの材料としても重要なもの。
    水産基本情報
    市場での評価 関東の市場では少ない。鰭だけなどの入荷が見られる。値段は安い。関西では韓国料理などの需要があり、活け、野締めなどしばしば見られる。安い。
    漁法 空バリ漁(空っ針、えいかん針、えい針)、底曳網、簀立漁(定置網)、定置網
    浅海漁業では重要なもの東京湾、三河湾、大阪湾など干潟のある内湾でとれる。
    切り身になって流通することも多いが、白い裏側に鮮やかな赤い色の帯があるのですぐにアカエイとわかる。
    選び方
    柔らかいものは避ける。裏側の赤色の鮮やかなもの。
    味わい
    旬は夏。
    鱗はなく、内臓も小さくきれい。骨は軟骨。軟らかい。
    クセがなく適度に繊維質の白身。柔らかく口に入れると適度にほぐれる。鮮度さえよければ刺身になり、また各地で洗いにして楽しまれている。熱を通しても硬く締まらない。
    栄養
    寄生虫
    食べ方・料理法・作り方
    料理/煮る(煮つけ、煮こごり)、汁(みそ汁)、ソテー(ムニエル)、生食(刺身、肝刺身)、ゆでる(酢みそ和え)、揚げる(唐揚げ)

    アカエイの煮つけいちばんポピュラーな食べ方は煮つけ。クセのないしっとりした身質で、醤油味に素直に染まる。冷やすと煮こごりになり、これがまたうまい。
    「煮こごり」。軟骨や筋肉にゼラチン質を多量に含んでいるため、煮つけを冷やすと見事な「煮こごり」ができる。これを翌朝、炊きたてのご飯にのせて食べると、まことにうまい。
    アカエイのムニエルフレンチではエイのムニエルは定番的なもの。ゆっくり熱を通すと表面がこんがりとして、なかがジューシーになる。
    アカエイの唐揚げ「軟骨の唐揚げ」。アカエイの鰭の軟骨だけを唐揚げにしたもの。サクサクと香ばしい。ぶつ切りにして唐揚げにしてもうまい。
    アカエイの刺身西日本や韓国料理では盛んに刺身にする。鰭の軟骨のあるところを薄く削ぐように作ったもの。これもクセのない味わいで軟骨の食感がさわやかだ。
    好んで食べる地域・名物料理
    酢みそ和え●ゆでて酢みそ和えは東京での古くからの家庭料理。
    どろぼう焼き●串焼きにし味噌をつけたもの。こんがり串焼きにして軟骨が香ばし。
    エイの煮つけ・煮こごり●奈良市餅飯殿通りにある春日若宮大宿所(祭などに際して宿泊沐浴する場所)で行われる大宿所祭にアカエイの煮こごりがごちそうとして食べられた。
    煮つけ●徳島県阿南市橘水産の市場で聞いたところによると、アカエイは辛い唐辛子と煮るのだという。「ピリピリしてうまいんでよ」とのこと。実際に作ってみると、甘辛い煮つけよりも夏向きになる。
    みそ汁●福岡県豊前海ではみそ汁にもなる。アカエイを適当に切り身にして煮ると、意外にうまいだしが出て、しかも骨が柔らかいのでそのまま具として楽しめる。思った以上にうまいものだ。
    アカエイの煮つけ「えぶたの煮つけ」。和歌山県紀の川市。「えぶた」は鍋のふたのことだと思われる。煮て冷まして煮こごりにしている。この煮こごりを温かいご飯にのせて食べると実にうまい。[ますや飯店 和歌山県紀の川市]
    アカエイの刺身「カオリの刺身」。大阪府鶴橋で売られているアカエイの刺身。コチュジャン、ごま、ごま油、酢などで食べる。
    アカエイの刺身「アカエイの肝の刺身」。コチュジャンと酢、ごま油と塩などで食べる。生臭さはなく、甘味をともなったうま味が口中を満たす。個人的にはごま油、塩がいいと思う。[よあけ食堂 大阪府大阪市鶴橋]
    「エイの肝のおから」。奈良県奈良盆地ではエイの肝でおからを炒り煮した。作り方はエイの肝を鍋などで煎り、そこにおから、にんじん、ごぼうなどを加えいりあげていく。味つけは砂糖としょうゆ。『聞き書 奈良の食事』(農文協同)
    アカエイのみそ汁「みそ汁」。福岡県豊前地区で食べられているというアカエイのみそ汁。実際に作ってみたら、旨みのある汁、そして軟骨のコリコリとした食感があって絶品だった。和歌山県、大阪府などでも同様。『聞き書 福岡の食事』(農文協同)
    加工品・名産品
    釣り情報
    歴史・ことわざ・雑学など
    赤えい祭●中河内(東大阪市、八尾)では恩地神社の秋祭り(秋季例祭本宮祭)でアカエイの煮つけ、アカエイの煮つけの煮汁を使ったおからを食べる。
    歳時記・季語/夏。
    参考文献・協力
    『日本産魚類検索 全種の同定 第二版』(中坊徹次編 東海大学出版会)、『日本産魚名大辞典』(日本魚類学会編 三省堂)、『魚河岸の魚』(1975 高山久 日刊食料新聞社)、『魚の分類の図鑑』(上野輝彌・坂本一男 東海大学出版局)、『魚』(1940 田中茂穂 創元社)、『私の魚博物誌』(内田恵太郎 立風書房)、『さかな異名抄』(1966・単行本 内田恵太郎 朝日文庫)、『聞き書 福岡の食事』(農文協)
  • 主食材として「アカエイ」を使用したレシピ一覧

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