サトウガイ

Scientific Name / Anadara satowi (Dunker, 1882)

サトウガイの形態写真

12cm SL 前後になる。膨(ふく)らみが強い。貝殻全体にやや硬い毛が生えている。蝶つがいから伸びる筋(放射肋)が38本前後。放射肋に顆粒状のつぶつぶがない。サルボウは32本前後、アカガイが42本前後。[愛知県西尾市一色]
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12cm SL 前後になる。膨(ふく)らみが強い。貝殻全体にやや硬い毛が生えている。蝶つがいから伸びる筋(放射肋)が38本前後。放射肋に顆粒状のつぶつぶがない。サルボウは32本前後、アカガイが42本前後。[愛知県西尾市一色]12cm SL 前後になる。膨(ふく)らみが強い。貝殻全体にやや硬い毛が生えている。蝶つがいから伸びる筋(放射肋)が38本前後。放射肋に顆粒状のつぶつぶがない。サルボウは32本前後、アカガイが42本前後。[愛知県西尾市一色]12cm SL 前後になる。膨(ふく)らみが強い。貝殻全体にやや硬い毛が生えている。蝶つがいから伸びる筋(放射肋)が38本前後。放射肋に顆粒状のつぶつぶがない。サルボウは32本前後、アカガイが42本前後。[愛知県西尾市一色]12cm SL 前後になる。膨(ふく)らみが強い。貝殻全体にやや硬い毛が生えている。蝶つがいから伸びる筋(放射肋)が38本前後。放射肋に顆粒状のつぶつぶがない。サルボウは32本前後、アカガイが42本前後。[愛知県西尾市一色]12cm SL 前後になる。膨(ふく)らみが強い。貝殻全体にやや硬い毛が生えている。蝶つがいから伸びる筋(放射肋)が38本前後。放射肋に顆粒状のつぶつぶがない。サルボウは32本前後、アカガイが42本前後。[千葉県九十九里産]12cm SL 前後になる。膨(ふく)らみが強い。貝殻全体にやや硬い毛が生えている。蝶つがいから伸びる筋(放射肋)が38本前後。放射肋に顆粒状のつぶつぶがない。サルボウは32本前後、アカガイが42本前後。[愛知県西尾市一色]
    • 珍魚度・珍しさ

      ★★★
      がんばって探せば手に入る
    • 魚貝の物知り度

      ★★★★
      知っていたら達人級
    • 食べ物としての重要度

      ★★★
      一般的(流通量は普通)
    • 味の評価度

      ★★★★
      非常に美味

    分類

    軟体動物門二枚貝綱翼形亜綱フネガイ目フネガイ科リュウキュウサルボウ属(アカガイ属)

    外国名

    Bloody clam
    言語英名 

    学名

    Anadara satowi (Dunker, 1882)

    漢字・学名由来

    漢字 佐藤貝 Standard Japanese name / Satougai
    由来・語源 岩川友太郎が種小名 satowi から標準和名を決める。
    本種の名前「サトウ(種小名、satowi )」というのは、イギリスの外交官アーネスト・サトウ(1843〜1929)にちなむ。アーネスト・サトウは幕末に徳川幕府、倒幕を目指す薩摩藩、長州藩を助けた。明治維新の功労者である、アーネスト・サトウの日本名が佐藤愛之助であることから漢字ではこうなる。
    模式標本が東京湾なので、アーネスト・サトウが採取、もしくは手に入れたものである可能性が強い。
    Dunker
    Wilhelm Dunker(ヴィルヘルム・ドゥンケル 1809-1885)。ドイツの動物学者。ヒラサザエ、レイシガイ、オオマテガイなど国内で普通に見られる多くの貝類を記載した。
    岩川友太郎
    安政1〜昭和8年 1855-1933、青森県生まれ。モースに師事して近代的な分類学を学ぶ。多くの標準和名をつけるなど貝類の世界での業績が目立つ。『生物学語彙〈ゴキブリは本来、御器かぶり(ごきかぶり)と言ったが本書のルビの振り間違いから「ごきぶり」になる〉』、『日本産蛤類目録』など。

    地方名・市場名

    生息域

    海水生。水深10〜50mのやや外洋の砂地。
    千葉県九十九里、山陰から九州。

    生態

    成長するに従い砂泥地にもぐり込む。外洋に面した砂地などに生息。
    雌雄異体。
    産卵期は夏。

    基本情報

    九十九里以南の内湾ではなく、沖合いや外洋に面した砂地に生息している。見た目はアカガイにそっくりである。
    関東、特に都内ではアカガイを「本玉」、サトウガイを「ばち玉(場違玉)」といって呼び分ける。アカガイよりも味が落ちるためだ。
    本場江戸湾(東京湾)ではなく、場違い、九十九里などで揚がる。とれる場所(産地)が違うという意味でもある。
    昔はアカガイよりも安かったので、人気があったらしい。
    日本各地で水揚げされているが、漁獲量はそれほど多くない。
    生食できる二枚貝としてはとてもおいしいものの、アカガイと比べるとやや落ちる。
    珍しさ度 国内での水揚げは不安定であり、また輸入ものがないので、探すのは少したいへんである。


    生食用リュウキュウサルボウ属3種 左からサルボウガイ、アカガイ、サトウガイ。たくさん見ていると、なんとなく違いがわかるようになるが、放射肋の数で見分けるのが確実。
    左から、サルボウガイは放射肋が32本前後、アカガイはは放射肋が42本前後、サトウガイは放射肋が38本前後。
    放射肋も違うが、内湾性はサルボウガイとアカガイ、外洋性がサトウガイ。
    水深では内湾の干潟でも見ることができるサルボウガイ、ついで内湾の沖合いにいるのがアカガイ、外洋に面したやや沖合いにいるのがサトウガイである。

    水産基本情報

    市場での評価 関東には少ないながら入荷がある。アカガイよりも安い。
    漁法 底曳網
    主な産地 愛知県、千葉県、山口県

    市場でのサトウガイ場違い 関東では九十九里などで揚がる。豊洲市場などで「九十九里」とあると、本種のことである。

    選び方

    持って重いもの。貝殻がしっかり閉じていて、貝殻から液などの垂れていないもの。

    味わい

    旬は冬から春。
    貝殻は厚くもろい
    足は大きく、水管は小さい。可食部分は足とヒモ、貝柱。
    足の部分の赤みは弱く、黄色みがかっている。

    栄養

    危険性など

    食べ方・料理法・作り方 (基本はオススメ順掲載です)

    サトウガイの料理・レシピ・食べ方/生食(刺身)、煮る(煮つけ)
    サトウガイの刺身 アカガイと比べると赤みが弱く、口に含んだときの独特の香りがない。味は非常によく、甘味が強く、少しだけ渋みもある。食感も心地よい。
    貝殻をざざっと洗い、剥き身にする。ひもと貝柱を切り放し、足の部分を開く。内側の内臓を取り去る。ひもと貝柱、足に塩を足して軽く洗い。軽く塩を洗い流し、水分を切る。足に切れ目を入れて、まな板にたたきつけて切れ目を花のように開かせる。

    サトウガイの煮つけ とてもアカガイに似ているので、同様に煮つけにしてみた。煮つけても硬く締まらず、足の部分に強い甘みがあり、内臓にこくがある。非常に美味だ。
    剥き身にして笊などにいれて流水で洗う。適当に切り、酒・砂糖・醤油を沸かした中に入れて転がしながら煮上げる。

    好んで食べる地域・名物料理

    千葉県九十九里など各地。
    アカガイと区別しない地域も多い。

    加工品・名産品

    釣り情報

    歴史・ことわざ・雑学など

    参考文献・協力

    協力/鈴木項太さん(項明水産 愛知県阿久比町 ■https://komeisuisan.com/)
    『日本近海産貝類図鑑』(奥谷喬司編著 東海大学出版局)、『日本及び周辺地域産軟体動物総目録』(肥後俊一、後藤芳央 エル貝類出版局)

    地方名・市場名

    バッチ
    場所千葉県九十九里海岸、東京 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    マスガイ
    場所岡山県小串村(現岡山市) 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    ババガイ
    場所岡山県朝日村(現岡山市) 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    ハーモガイ
    場所岡山県笠岡市笠岡伏越 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    チガイ[血貝]
    場所茨城県大洗町、兵庫県高砂市、岡山県日生町大多府島、香川県小豆島 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    アカガイ[赤貝]
    場所茨城県那珂湊市(現ひたちなか市)、浜名湖、徳島県鳴門市、高知県宿毛市小筑紫町、福岡県福岡市 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    ジジイガイ
    場所静岡県浜松市 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    バチ[場違] バチダマ[場違玉]
    場所千葉県九十九里海岸、築地(現豊洲)市場など関東の市場 備考単に。 参考聞取、『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
    モガイ
    場所兵庫県高砂市、岡山県黒崎村(現倉敷市)、香川県小豆郡小豆島町福田村福田 参考『日本貝類方言集 民俗・分布・由来』(川名興 未来社) 
  • 主食材として「サトウガイ」を使用したレシピ一覧

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