ソコカナガシラ

硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系カサゴ目ホウボウ科カナガシラ属

Lepidotrigla abyssalis Jordan and Starks,1902

漢字 底金頭　Sokokanagasira
由来・語源 金頭は頭部が非常に硬いため。そのカナガシラの仲間だが、より底（深い場所）にいるため。
田中茂穂の命名。小種名のabyssalis＝深淵を訳したとしている。深淵は単純に深い場所という意味だろう。『図説有用魚類千種　正続』（田中茂穂・阿部宗明　森北出版　1955年、1957年）・『日本産魚類全種の学名　語源と解説』（中坊徹次・平嶋義宏　東海大学出版部　2015）
〈頬甲族ハウバウ科カナガシラ屬　ソコカナガシラ　Lepidotrigla abyssalis〉『日本産魚類検索』（岡田彌一郎、松原喜代松　三省堂　初版1938）

海水魚。水深30-415mの砂混じり・貝殻まじりの砂底。
新潟県〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、青森県太平洋沿岸、鹿島灘〜九州南岸の太平洋沿岸、瀬戸内海にも少ないが生息する。東シナ海大陸棚縁辺、朝鮮半島南岸、済州島、台湾南部、中国東シナ海沿岸、海南島東海域。

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底曳き網などでまとまってとれたり、釣りなどに混ざるが小さく鱗が硬く棘などが強いためにあまり利用されていないと思われるもの。駿河湾などでは廃棄されることもある。
珍魚度 珍しい魚ではないが、流通しない上に船上で廃棄されることもあるので手に入れるのは至難。

市場での評価／希に入荷するが値がつかない。
漁法／底曳き網
産地／

体色が赤いもの。退色して色が薄い物は古い。

旬は不明。
鱗は小さく硬い。皮はやや厚みがある。骨はあまり硬くない。
透明感のある白身で血合いはほとんど目立たない。熱を通すと少し締まる。
小型ではあるが、味がよい。歩留まりが悪いが刺身にしても熱を通してもおいしい。

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『日本産魚類検索　全種の同定　第三版』（中坊徹次編　東海大学出版会）