セタシジミ

Scientific Name / Corbicula sandai Reinhardt.1878

セタシジミの形態写真

殻長3cm前後になる。黒もしくは茶色で正三角形でよくふくらむ。
セタシジミの生物写真一覧 (クリックで上に拡大表示)
殻長3cm前後になる。黒もしくは茶色で正三角形でよくふくらむ。殻長3cm前後になる。黒もしくは茶色で正三角形でよくふくらむ。殻長3cm前後になる。黒もしくは茶色で正三角形でよくふくらむ。
  • 魚貝の物知り度 食べ物としての重要度 味の評価度

    ★★★★

    知っていたら達人級

    ★★

    地域的、嗜好品的なもの

    ★★★

    美味
    分類
    二枚貝綱マルスダレガイ目シジミ上科シジミ超科シジミ科シジミ亜科シジミ属ヤマトシジミ亜属
    外国名
    学名
    Corbicula sandai Reinhardt.1878
    漢字・学名由来
    漢字 瀬田蜆
    由来・語源 琵琶湖から流れ出る瀬田川に多いシジミの意味。古くは瀬田川流入口に近い南湖に多産した。小野蘭山は京都で生まれ育った人、〈湖海倶(ともに)産ス。又鹹淡相雑ハル処に生ズ。江州湖中ニ最多シ。勢田ヲ名産トス古歌ニハ堅田ノ蜆ヲ詠ズレド今ハ勢田ニ多シ〉という。『本草綱目啓蒙』(小野蘭山 享和3年/1803 東洋文庫 平凡社) 岩川友太郎はムラサキシジミと名づけたこともある。
    シジミの語源
    ■ 「シジミ」の呼び名は貝殻の表面に横じわが多数あって「縮貝(ちぢみがい)」からきている。小野蘭山も「シゞミ」とともに「チゞミ」、「チゞガイ」としている。
    ■ 煮ると身が縮むから。
    ■ 繁群れているから。
    地方名・市場名 [?]
    カワシジミ[皮蜆]
    その他生きている殻つきのもの 備考生きている殻つきのものをカワシジミ(皮蜆)という。 場所滋賀県近江八幡市安土町 安土町魚善 
    生息域
    淡水生。
    琵琶湖、瀬田川、宇治川、淀川と京都を流れる疎水。
    生態
    産卵期は6月〜10月。
    基本情報
    滋賀県琵琶湖の特産品だ。特に琵琶湖大橋以南の南湖で比較的まとまってとれ、基本的に関西周辺で流通する。ときに関東にもやってくるが、淡水シジミという認識は薄い。味がいいことから日本各地、八郎潟や河口湖などに移植されたこともあるようだ。
    滋賀県や京都府のスーパーでは「身しじみ(ゆでて剥き身にしたもの)」、「皮しじみ(殻付きで生きているもの)」ともに買い求めることができる。
    今はヤマトシジミと同じ評価でしかないが、上品でクセのない点から人気があったようである。
    「身しじみ(ゆでて剥き身にしたもの)」は郷土料理「しじみ豆」、「しぐれ煮」などになる。
    水産基本情報
    市場での評価 関東ではやや珍しい。近畿地方では「身しじみ(ゆでて剥き身にしたもの)」、「皮しじみ(殻付きで生きている)」ものとも流通し売られている。比較的安い。
    漁法 掻剥漁(貝掻網)
    主な産地 滋賀県
    選び方
    原則的に生きているもの。貝殻につやのあるもの。
    味わい
    旬は冬から春
    泥を噛んでいることが多い。この泥・砂だしなとはかなり難易度が高い。面倒なら一度ゆでて殻と身をわけて、ペーパータオルなどで濾したゆで汁で身を洗うなどしてもいい。
    貝殻は厚みがありよく膨らんでいる。
    身は上品でくせのない味。ヤマトシジミなどと比べるとうま味は少なめだが、苦みや臭みも少なく食べやすい。
    栄養
    寄生虫
    食べ方・料理法・作り方
    セタシジミの料理法・調理法・食べ方/汁(みそ汁、潮汁)、煮る(煮つけ、酒蒸し)、炊き込みご飯

    セタシジミのみそ汁 買い求めたらザルなどに入れて流水でざくざくと洗う。砂泥を噛んでいるようならバットなどに水を浅く張ったなかに入れて覆いをして半日くらい掛けて泥抜きをする。これを水から煮出してみそをとく。沸騰した湯に入れると身はおいしいものの、汁はうま味が少ない。


    セタシジミの山椒煮 粉山椒でもいいが、出来れば花山椒、実山椒がいい。木の芽を使ってもいいが仕上げに入れるといい。「みしじみ」がなければ、酒蒸しにして殻と身を分ける。これを酒・味醂・しょうゆ・山椒で短時間であっさりと煮る。酒・味醂はアルコール分をしっかり飛ばしたい。ご飯のおかずに最高である。
    セタシジミの酒蒸し ザルなどに入れて流水下でザクザクと洗う。水分をよくきり少量の酒と塩で蒸し煮する。貝殻が開いたらショウガの搾り汁を振る。あまり火を通しすぎないのがコツ。小さいので煩わしいが味はいい。
    セタシジミの炊き込みご飯 ザルに入れて流水でざくざくと洗う。これを少量の酒で蒸し煮する。貝が開いたら火をとめて冷まし、剥き身にする。汁と身を分けておく。水に煮汁を合わせて米の水加減をする。「みしじみ」だとそのまま炊き込む。味つけは薄口しょうゆ、塩、酒だけでここに剥き身を加えて炊き上げる。
    好んで食べる地域・名物料理

    ごぼうとしじみ煮物 滋賀県長浜ではゴボウ意外にも大根もシジミ(セタシジミ)と煮たらしい。シジミはとても安かったのでだし代わりと言っていいかもしれない。実山椒などを加えて甘さもしょうゆ辛さも控えめな上品な味つけだ。[滋賀県長浜市]
    しじみカレー 滋賀県大津市堅田で教わったもの。高度成長期くらいまでは肉よりも、身しじみ(軟体だけにしたもの)が安かったということらしい。教わったやり方は身しじみと玉ねぎ、じゃがいもなどを炒めて水を加えて、仕上げに市販のカレールーをとくだけ。ここでは殻付きをゆでて、身、汁を分けておく。野菜を炒めて煮汁を加える。剥き身を加えて火を止めてカレールーを溶かす。意外にもシジミの風味があり、とてもおいしい。
    加工品・名産品
    佃煮 琵琶湖周辺。[滋賀県高島市ほか琵琶湖周辺]
    しじみ豆 琵琶湖周辺では湖産魚貝類を大豆と一緒に炊き上げる。イサザ、エビ(スジエビ)、シジミ(セタシジミ)が代表的なものだ。大豆もシジミも丸く、実に相性のいい取り合わせだ。
    釣り情報
    歴史・ことわざ・雑学など
    ひな祭(ひなの節句) 京都では雛の節句にしじみをたく。しょうがでたくことが多いという。この時期になると「身しじみ(実しじみ)」が魚屋の店頭に並ぶのだとも。[20180619 京都東山区五条大橋詰・金屋町]
    琵琶湖水系特産 琵琶湖周辺や京都などでは流通している。関東などの市場にはほとんど入荷することはない。
    瀬田川 琵琶湖の最南部、琵琶湖が瀬田川になる瀬田で多産したために「瀬田しじみ」と呼ばれるようになった。古くは南湖6000トンもとれていたのが今や300トンを割り込んでいる。形でセタシジミを同定するのは非常に困難であり、写真を見て種の特徴をつかむのは不可能に近い。それで琵琶湖より取り寄せたものを撮影した。
    参考文献・協力
    『日本産淡水貝類図鑑 1 琵琶湖・淀川産の淡水貝類』(紀平肇、松田征也、内山りゅう 株式会社ピーシーズ)、『湖魚と近江のくらし』(滋賀の食事文化研究会 サンライズ出版)
  • 主食材として「セタシジミ」を使用したレシピ一覧

関連コンテンツ